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Apple Vision Pro体験記 MESON 小林佑樹さんと話して見えた「世界がデジタルと自然に共存する時代」

 もう、その日は朝から落ち着かなかった。なんせ、iMac、iPad、iPhone、MacBook Air、Apple Watch、AirPods全てを揃えるアップル信者の僕。その僕がApple Vision Proに触れるというのだから。好きな人の手を握るくらい、ドキドキして、大事に触れて、そして見えたのは別世界だった。「PCも、インテリアも、いらないじゃない?」紹介してくれたMESON CEO小林佑樹 さんに叫んでしまった(本当に)。これは間違いなく、物理的なものの価値を、見直す一大転換期となる。

究極のシームレス空間

 物理的なものの価値を見直す?そう思われる人もいるだろう。それは、まずこのApple Vision Proを知ってからのが伝わるだろうから、中身について触れた上で、語ろう。

 冒頭話した通り、この日、その使い方を教えてくれたのは、MESON CEO小林佑樹 さんである。MESONはApple Vision Proのアプリケーションを開発しており、その使い道を熟知している。「体験してみたほうが早いですね」。抑えきれないドキドキを察したかのように、彼は、そう言って、僕の後ろにまわって「こうやって頭に装着するんです」とつけてくれた。おお!軽いし、違和感もない。

 これは、究極のシームレス。そこに広がるのは、メガネでのぞいた現実世界のようである。でも、それはメガネのような人間の目を通した光景ではなく、外部カメラによって映し出された全く同じ光景の映像なのである。ある意味、パラレルワールドだなと。

 だから、現実には存在しないものが、リアルに現実に馴染んで、佇めるのである。勿論、横も、後ろも、360度の際限なく、当たり前の日常をそこに映し出す。

物理的なものと変わらぬ感覚で使用する衝撃

 とはいえ、大事なのは、目の前に仮想で存在するものを、リアルと変わらぬ感覚で使用できることである。そうでなければ、いくらそこに忠実に再現されようとも実用性を伴わない。果たして、どうリアルで物体を手にするように、使いこなせるというのだろう。

 キーになるのは、目と手である。

 圧巻だったのは、全ての意思決定のきっかけが「目の動き」によってもたらされることだ。「見つめる」ことでその対象が定まったら、「親指と人差し指をくっつける(何かを掴むような動作)」だけで、意思決定ができる。 ちなみに、指を動かす手は膝の上でいい。そのままの姿勢でヒョイっと行う。

 最初、Apple Vision Proを装着して、本体の右上のボタンを長押しすると、スイッチオン。視界には、立ち上げ画面が出てきて、ここからが準備。まずは、手のシルエットが現れるので、そこに手をかざして、目の前で合わせる。

 そして、視線の先に6カ所「的(まと)」が映し出されるから、それを見つめて指で掴むような動作をする。これを三回、繰り返す。視線と指の動作が連動するように、チューニングしているわけである。

 ものの、1、2分だけ、この確認作業をすれば、もう先ほどのリアルであり、仮想の一連の動作は、全て可能となる。

リアルを補完する空間コンピューティング

 準備完了となったら、Apple Vision Proのデバイスの右上のボタンを軽く押す。すると、iPhoneのトップ画面のように、ずらりとアプリが出てくる。ここが全ての起点となる。アプリを使いたいときは、常にこのデバイスのボタンを押せばいい。

 そして、目の前に並んだ中で、開きたいアプリを「見つめる」。続いて、先ほどの「指で摘む動作」をするだけ。試しに、フォトアプリをそのやり方で、開いてみた。すると、小林さんがiPhoneで撮って、転送した画像が出てきた。浅草の雷門の写真である。

 他の画像はどうやって見るんですか?

 そう尋ねると、その画像の「真ん中を見つめて」「指で摘んで」くださいという。そして、その状態のまま、手を横にスライドすると、そのままスワイプができるのだ。

 こうやって、アプリ内にある他の画像や動画を、次々、スワイプして、閲覧するというわけである。冊子をペラペラ捲る感覚である。

とことん空間を意識

 動画に関しては、真ん中を「見つめて」「指でつまむ」。そうすると、再生が始まるのだ。

 目と手だけで、目の前で動画が再生できるなんて・・・。いちいちギャーギャー騒ぐ、大人気ない僕に、小林さんはレンズの向こうで、笑っているのが見える。

 しかも、少し左を向いてくださいと小林さんにいわれ、また驚く。その動画の位置が、自分の視界の中では、右側に来た事に伴い、動画の音声も右側から聞こえてきたのである。

 要するに、スペーシャルオーディオといって、その空間のあるところから、音声が流れる設計になっている。つまり、空間であり、リアルにオーディオを置いているのと変わらない。だから、別世界ではなく、リアルを補完しているといったほうがしっくりくる。

物理的なものの必要性とは?

 操作性、、、といっても、指しか使っていないので、そう呼んで良いのかわからないが、それが抜群である。両手で指をつまんで、引き寄せると、大小サイズを変化させられる。物理的なボタンがなく、ここまでできるとは。オーケストラで指揮棒を振って、音楽を操っているような感覚である。

 一個一個の動作に驚かされる。当然、他のアプリも起動させることができる。再び、本体の右上ボタンを押し、アプリ一覧から、“目と指で、今度は”Safariを開く。すると目の前にwebブラウザーがボンッと出現した。

 驚いてしまうが、操作する上では恐れるに及ばなくて、PC、Macなどの操作と変わらない。というのも、マウス(あるいは、Magic Trackpad)での行為に相当するのが「目で」行われて、クリックに相当するのが「指で」行われている。

 だから、何の違和感もなく、ものの数分で、その操作が馴染むわけである。間違いなく、子供は使いこなせる。しかも、Safariの画面の下に白いバーがあり、それを指で摘み続けたら、それを手で、クイッと手前に引き寄せることができる。

 引き寄せた時の画面との距離感は、家でiMacのモニターの前に座っている感覚と変わらない。例えば、その空間上、先ほどのフォトアプリの横に「置く」ことも可能。

空間だからこそ、奥行きも重んじられる

 だから、空間を最大限活かして、マルチタスクが可能である。繰り返すが、別世界ではなく、家や仕事場の日常の拡張なのであり、だから、確かにこれはイノベーションだと思う。

 複数のアプリを横に、そして奥に、いくつも重ねて、使える。だから、実質、PCが何台もあるような感覚にとらわれる。空間として認識しているから、遠近感覚がちゃんと反映されて、Safariのブラウザー画面の下にはうっすら、影がある。リアルな物体を置いたものさながらである。

 それで、「もはやPC、いらないじゃないですか?」冒頭の言葉に繋がるのである。

 自らがその空間の一部分を成し、奥行きを感じられる構造は、特にエンタメなどで最大化される。アップルが提供するアプリ「Encounter Dinosaurs」での迫力たるや。アプリが、立ち上がると、原始時代の光景が広がるのである。そして彼方の向こうから蝶が舞い、こちらに寄ってくるが、指を差し出すと蝶は止まってみせた。

 小林さん曰く、これが通常の映像ではあり得ない。というのも、映像と僕らは基本、分離しているはずであり、手がその映像の中に入らないし、入らないから、蝶も止まらない。

 しばらくすると恐竜が所狭しと騒ぎ出す。(下写真をスライドしてネ)。

 こちらの存在に気づくと、こちらに恐竜は画面から手前ににゅっと顔を出すように見えて、僕ものけぞる。まるで貞子のようだ。(古い・・)。(下写真をスライドしてネ)。

物理的価値を見直す?

 ここまで説明すれば、Apple Vision Proがもたらす世界は理解できただろう。ここで敢えて、僕は、最初に話した「物理的なものの価値を見直す?」ということに言及したい。

 これだけ日常に、馴染むのである。その部屋や事務所を彩るインテリアは、リアル用と、デジタル用とで用意されるであろう。まさにそこに着目しているのが、小林さん率いるMESON。

 彼らは「SunnyTune」というアプリをApple Vision Proでリリースしている。このアプリを開くと、目の前に、スノードーム状の空間が現れる。

 この空間の中で、現実世界の様々な場所の天気が反映されるようになっている。草木と天気がそのドームの中に映し出され、強風が吹けば、その草木がなびき、天候が悪ければ、ポツポツと雨がふる。

 空間の真ん中にボタンがあり、それを見つめて、先ほどから繰り返している「指で摘む」動作をすると、コントロールパネルが開くのである。これが何を意味しているかというと、天気予報も兼ねている。

 僕が最初見たのは、「TOKYO」の1時間後の天気が映し出されていたが、これを「New York」にしたり、12時間後にしたりできる。

 つまり、常時、世界の気候を更新する、スノードーム的なインテリア。棚に置いて飾りたい。しかも、この草原にキャラがいたらどうだろう。IPなどとも連携したらと構想は広がる。

リアルとは何か、デジタルとは何か

 もう、部屋や事務所を彩るインテリアは、リアル用と、デジタル用とで用意されるようになっていくのだろう。そして、少なからず、リアルでのインテリアは、デジタルとの比較の中で購入されていくのかも知れない。

 何もデジタルが凄いというつもりもない。リアルが衰退するというつもりもない。ただ、もう小手先は通用しないのではないか。

 リアルの商品を扱う事業者は、よりリアルであることの価値を考え直すべきだろう。それが、冒頭に話した物理的価値を見直す転換期にきているという言葉の意味である。

 それで僕は小林さんにいうわけである。「これは諸刃の剣でもありますよね」と。

 つまり、物理的なものが必要ないということは、極論、物理的なiMacももはや必要なくなるということでもある。しかし、Apple Vision Proが浸透するほど、その議論が起こるかもしれないけど、それ以上にもたらす価値の大きさを、Appleは期待しているのだろうとも思う。

 だから、小林さんはそれを口にする僕にこういう。「Apple Vision Proの金額は50万円。それって、高いと言われますが、そうでしょうか」と。

 。。。。なるほど。

自然にデジタルに融合した時への必要な備え

 iMacやMacBook Airなり、複数の商品を家に持ち込んで作業していたりする。それと同様のことが、確かにApple Vision Pro一つでできる。そのポテンシャルをこのデバイスが持っているとすれば、それは決して高くないよと。そりゃそうだ。

 そう考えると、家や日常にある物の全てが一度、見直されて、置き換えられていくのかもしれない。仮想現実は、ゲームなどに限られた話ではなく、確かにリアルの世界に根付く、僕らの日常の未来そのものである。

 何気なく、僕は小林さんに、「ネット通販なども立体的になっていくんですかね?」そう尋ねた。

 「そうです。そうです。」小林さん曰く、今まで商品が3Dになっているといっても、画面上で3Dになっていて、角度を変えて見ているに過ぎない。けれど、Apple Vision Proで見ると、空間に入り込むから、実際に、手に取ったような形で、手元に取り寄せて、上から、横からと、見ることができるわけだ。

 自動販売機のようではなく、陳列棚の前にいるような感覚に近い。

 これでショッピング体験が劇的に変化する。今度、ネット通販のサイトにおいても、そういう対応が必要になってくる。だから、今のうちから、立体的な商品の捉え方をして、どう演出して気を引くことができるか。それを考えておくことが、プラスに作用しそうだ。

3つの自然がもたらす革命

 ここまで色々な視点で書いたが、最後にApple Vision Proがもたらした他との決定的な違いを、小林さんに改めて聞いてみた。それは、三つの「自然」であると説明していて、僕はうなった。

 一つは、デジタル情報が「自然に」融合していること。光の当たり方や影に至るまで、再現している。だから、現実世界の中にあるにもかかわらず、デジタル情報であることが浮いていない。

 もう一つは、目や手というものを使って「自然に」指示できるということ。元々目は、脳に近い神経の感覚である。だから、僕らの意思をコンピュータで司るものとしては「最新」のものなのだ。だから、ブレインマシンタブレットの一歩手前まで来ていると説く。そのくらい早く、コンピューターに指示して、行動を起こせる。

 そして、最後に、特別な姿勢をすることなく、「自然な」動作の中でそれができるということ。使う側にとっては、何をするにしても、身体的に楽なのである。

 感動しすぎて、小林さんには笑われた。けれど、物理的なものの価値を、見直す一大転換期となる。それは、当然ながら、日常生活を変貌させる。iPhoneが出てきて、ドラスティックに僕らの生活が変わったように、間違いなく、世の中が変わる。物の概念すら変わる。

 物理的なものとデジタルに存在するものを当たり前の日常で使い分けていく。そんな時代はそれほど、遠くない。革命前夜に乾杯。

 今日はこの辺で。

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