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スタッフが牽引するファッションの世の中へ 「Rakuten Fashion」に「STAFF START」連携

 ここまできたかと思った。逆説的ではあるけど、これからはデジタルを通して、お店は人間的になる。そこで重要視されるのはスタッフであり、だからこそその活躍が楽天すらも動かしたと言える。先ほど、「Rakuten Fashion」に「STAFF START」のコーディネート機能が連携される事が明らかにされたのだ。

Rakuten Fashion とSTAFF START連携の舞台裏

1.コーディネイトによるスタッフの躍進

 たかがコーディネイトという勿れ。されどコーディネートであって、今やそれはリアルネットを問わず、ファッションブランドにとって肝である。

 そこで忘れてならないのが「STAFF START」の切り口。「STAFF START」は、各々スタッフが自らの所属するブランドの洋服を通じてコーディネートしたものを、自社のECサイトに実装させる事で、最大化することを狙った。ただ、単純にそれだけを見ると本質を見失う。

2.スタッフの士気を自然にアップ

 つまり、この「STAFF START」のミソはデジタルの取り組みでありながら、実は実店舗のスタッフのモチベーションを上げていることにある。要はコーディネートによる成果を全て可視化できるようにした。すると、実店舗の業務と並行して、インセンティブを得られるから、取り組む。そうやってスタッフの潜在的な価値を自然に引き出すことに成功させた事に特筆すべき所がある。

 かつ、そこから派生して、スタッフによりまとめページを作れたり、動画ができたり、スタッフ自体がコンテンツになりうる可能性を指し示した事も大きい。

 そこで、ここまできたのか、という話に繋がる。それまでは、自社ECサイトの中で、それを対応させていた。しかし、いよいよそれが「Rakuten Fashion」にも実装されるというのだから。

3.お客様にとって経済圏は大事なきっかけ

 余談ではあるけど、この連携には、プラットフォームとしての意義があると思う。記者会見で初めて知ったのだが、元々「Rakuten Fashion」の起源は「スタイライフ」。「スタイライフ」であればお店より少し規模感が大きい位でスケールは小さかった。

 だけど、今や楽天経済圏で中枢に位置する「Rakuten Fashion」においては、そのレベルではない。他と加味して、お得に買い物をしようという発想が生まれる。ポイント利用がきっかけで、お客様が自社ECではなく「Rakuten Fashion」を選択する可能性は十分に考えられる。店にとって色々入口を増やす事もまた大事な配慮なのだ。

スタッフの底力がデジタルで発揮された

1.月間で1億円売り上げるスタッフも

 すると「STAFF START」が推進してきた自社ECとは間違いなく違った層へとアプローチできるわけで、ここでもスタッフの力が発揮されることの意義は大きいわけである。

 ちなみに、「STAFF START」を運営するバニッシュスタンダード 代表取締役 小野里寧晃さんの話によれば、店舗スタッフの中には、月間で1億770万円、実績を出した人もいる。また、月間で500万円以上売り上げるスタッフの人数は、622名に及ぶ。

 わかるだろうか。1店舗でリアルのお店で対応できる数よりもネットはもっと多くにリーチができるから、スタッフの持つ力が際限なく、発揮できているという現実である。

2.楽天での露出がスタッフをさらに伸ばす

 そこで、ある意味、今回、「Rakuten Fashion」と連携することで、アプローチできるその裾野が広がれば、スタッフも今まで以上に、自分の可能性にトライすることができる。だから、僕は「デジタルを通して、お店は人間的になる」と強調したいのだ。

 この日は、ユナイテッドアローズの執行役員 藤原義昭さんが来ていて、まさにブランドの立場で、それを強調しているのが印象的であった。彼はまさに、リアルとネットの融合において、第一線を走る人である。

 そのなかにあって、どちらが良いということでもなく、リアルネットの垣根を超えたところの価値を追いかけている。その付加価値を高めるほど、企業に伸び代があると考えているからだ。

 この話は、不思議な話、小野里さんが口にした「展望」と重なる部分があるように思った。というのも、スタッフが月間1億円の売上を作っても満足していないと。いずれ、それらがリアルなお店に足を運ぶきっかけになることのほうを思い描いていると。

3.リアルネット相互に価値をもたらすスタッフでありたい

 その言葉には本当に心から共感する。先日も「靴下屋」の話題でも書いたけど、スタッフが価値となれば、リアル店は新しいエンタメ的要素を持った魅力的な拠点となる。せっかくデジタルで成果を上げているなら、更なるその付加価値をリアルにももたらしてナンボだ。

関連記事:デジタルを駆使して人を重んじる姿勢 靴下屋の吉祥寺での挑戦は人の温もりで溢れている

 また、その一方で、楽天はファッションの部分でも“エンパワーメント”していく。これはこれで期待をしたい。楽天市場で、地方の各商店が「それだけではビジネスにならない」ところに手を差し伸べ、ネットで力をもたらしたように。多くの事業者がもっと、高いレベルでファッションをビジネスにできるようにしていくことの意味合いはとても大きい。

 ECを絡めてファッションをやることでステージアップをする企業が増える反面、それは敷居が高くなりすぎない場所にしていく必要があるからだ。これらにより、日本のファッションがより、もっと多くの人に開かれることを祈る。また、そこで働くスタッフたちが輝き、未来を夢見るきっかけになればと思う。「Rakuten Fashion」に「STAFF START」連携から、本当の意味でのスタッフのスタートが始まる。

 今日はこの辺で。

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