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リユースの新局面か 「ラクマ」の変貌 でフリマの市場と結びついて描く新時代

 中古品を扱う2次流通も多様化の動きを見せているようで、僕が伺った記者会見では「RAGTAG」を運営するティンパンアレイ、「ブランディア」を運営するデファクトスタンダード、「ALLU(アリュー)」を運営するバリュエンスジャパンなど、リユースではお馴染みの顔ぶれに楽天グループが寄り添い勢揃いした。今までは顔合わせしないようなメンツであり、彼らが揃って一体、どんな展開をしようというのだろう。それはリユースの未来を示すものでもあった。

ラクマ がリユースにもたらすもの

1.ラクマとは

 彼らが集まって仕掛ける拠点は「ラクマ」だという。元々「ラクマ」の起源を辿れば、今から10年前、日本で最初のフリマアプリ「フリル」にあって、その後、それは楽天が立ち上げた「ラクマ」と統合されることになって今に至る。

 説明の余地はないが、フリマアプリは一般消費者が使い古したものを同じく一般消費者同士で、やりとりして流通するマーケットであり、業界トップの「メルカリ」と双璧である。彼らの特徴として楽天の経済圏をフックにお客様を呼び込んでいて、そのアプリのダウンロード数は、3000万を数えるほど。この10周年のタイミングで次の一手を仕掛けてきたわけである。

2.事業者を巻き込みCtoCユーザーを誘う

 その次の一手とは如何に。そこで冒頭に話した「事業者」の存在がキーとなる。事業者?と思われた人もいるだろう。いままでで言えば、消費者同士での中古品のやりとり(CtoC)をアシストしてきたわけであるから。これからはそこに加えて、事業者も交えてやっていこうというわけである。

 なぜ、その動きが個人的に興味深いと思ったかは追って話すとして、何が変わるのかを先に説明しよう。

 まずは2021年4月5日を機に、ラクマのアプリは大幅リニューアルを行った。ここでの変化は何かというと、先ほど書いたCtoCとは別に同じアプリ内で「ラクマ公式ショップ」を開設。実に130店舗も既に出店しているという。当然、アプリ上でもユーザーがCtoCと公式ショップとは相互に行き来できるようにする。「ラクマ公式ショップ」に事業者を入れることで、一つは中古品のやり取りに幅ができるのと、もう一つは地方の生産者も入れるとしている。

3.まずは D2Cのニーズを拾う

 これまた、地方の生産者?ということになりそうだ。これは恐らく、昨今、生産者が産地直送でお客様に生産物を届ける動きが活性化していることを受けてのことだろう。いわば、産直を土台にした「D2C」に広がりが生まれている事を念頭に置いているから、これまでのようにお店という体裁がなくても、純粋に、野菜などの生産物をそこに出品して、ダイレクトに繋がれるという意味での土壌だ。

 これはこれで興味深いのは、僕の予想の域を脱しないが昨今、成長しているふるさと納税の生産者などで、まだECに不慣れな生産者に対して、出店するよう促すのであれば、親和性は高い。ただ、そのようなことは会見で一言も言っていなかったから、予測である。

3.リユース事業者の躍進と存在感

 ただ、この事業者に関しては、リユースの裾野を広げる意味合いが今は強そうだ。冒頭話す通り、わざわざ会見にそのリユースに関係する事業者を呼ぶくらいなのだから。思うに、CtoCで行われるものよりは比較的、専門性を帯びることになる。リユース事業者はいずれもその道のプロフェッショナルであり、強みは何かと言えば、実際に中古品を買い取る過程で、きちんと査定を行い、それに基づき、より信頼できる商品を、適切な価格で販売することにある。

 つい先日、KOMEHYOがスニーカーに関するリユース専門のお店を銀座に構えたように、CtoCが活性化するほど、その中身の信憑性もこれまで以上に価値を持ち始めているから、まさにそういうところで価値を持つのが先ほどのリユース専門の企業である。

 逆に言えば、もう業務内容は確立されているものである一方で、新規顧客獲得の必要性があるのも事実。その意味で「ラクマ」には土台に楽天経済圏があって、そこでこれまでにない新規顧客獲得が望めるのだとすれば、魅力的なはずである。なにより、CtoCのマーケットに理解があるユーザーなので、親和性が高いはずだ。

4.リユースの事業者の信用をフックに活性化

 また、それは「ラクマ」にとってもそれは好都合だ。なぜなら、今書いた通り、中古品を仕入れる仕組みと信頼される査定、および、それらを検品して倉庫まで抱えて、出荷できる環境があるからだ。彼ら自体に「ラクマ」に出店してもらう形をとれば、比較的コストを抑えて、顧客の幅が抑えられる。

 先ほど、僕が関心を持ったと書いたのは、このバックヤードの部分である。会見後、気になって、事業者側にいる「ブランディア」に確認をしたのだが、やはり想像通り、商品の仕入れ、検品に始まり、お客様の出荷に至るまで、いわゆる物流サイドの部分は自分たちでやっている。

 ちなみにブランディアはサービスの目の付け所が秀逸でブランド品に特化した形で、その中古品を送れば無料で査定して、その金額を支払うというシステムを構築している。だから、販売する側の拠点が増えるのはブランディアにとって渡りに船ということになるわけだ。

 それが「ラクマ」にとってもいいのは、語弊を恐れず言えば、まず「出品して売り上げても」元からある仕組みを活用することとなって、「ラクマ」はとりあえず、場所を提供する形で、この事業は成り立つ。

リユースにとっての利点をもたらす「ラクマ」になれるか

 そこで、もう一つ踏み込んで、個人的に思うのは検品に始まり、受注から出荷に至るまでの倉庫で行われている。彼らにとって業務の一つ一つは、リユースならではの強みであると共にコストがかかりやすい拠点でもありそうで、そこのコストが抑えられないものかと思った。それだけ多くの事業者をここに集めることができれば、リユース専門の物流を楽天サイドで構えて、そのコストを抑えて、出店メリットを訴求することだってありえるのではないか。

 もうひとつ思うのは、楽天ファッションとの親和性の高さである。もし事業者としてアパレルブランドが入れば、いつ何を購入したのかをブランド側が把握しているのだから、それがいつどのタイミングで消費者に2次流通に流せば、お得かも購入者にフィードバックできる。入口から出口までわかるので、活性化の一助になりそうに思う。

 その意味で、リユースも新しい局面を迎えているように思う。

 単純にフリマアプリに事業者が入るという次元の話だけではなく、そこで集まるデータをもとに、生産性高く、運用できる環境を作ることが起こりそうだという意味で興味深い。そういう未来のリユースの姿のヒントが散りばめられた結びつきだと思った。これが本当の意味で、2次流通および、1次流通までの活性化にどう繋げていけるか、そこまで考えて、その可能性を模索するべきではないかと思う。本当に、サスティナブルな世の中を目指すなら。

 今日はこの辺で。

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