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BASE と Pay ID 分けて考えると気づく BASEの真実 鶴岡社長の想い

 プラットフォーマーと言ってもその価値の提供の仕方は様々だ。今まで考えた事もなかったけど「販売者」と「購入者」という視点で、分けて見てみると実はネット通販の本質が見えてくるかもしれない。 BASE 代表取締役CEO 鶴岡裕太さんの言葉がきっかけでそんな事を思った。それは「今一度 BASE とPay ID という各々のブランドを「対販売者」と「対購入者」とで役割を切り分けていこう」という彼の主張でもあったのだ。

BASE と Pay ID 切り分けると経済圏との違いが見えてくる

1.BASE Pay ID の本質

 今一度、BASEとPay IDという各々のブランドを「対販売者」と「対購入者」とで役割を切り分けていこう。

 鶴岡さんは自らのnoteでも話しているけど、簡単に説明すると「BASE」というアプリは今後、「Pay ID」というアプリに変わる。何気ない事だけど、彼なりの想いが詰まった転換なのだと僕にはわかる。

 そもそも「BASE」は簡単に誰でも数分でネットショップを作ることができるサービス。今やその説明の余地がないくらいに浸透していて、それで生まれたお店の数は160万店を超える。一方で「Pay ID」はこれまでも存在していた決済のプラットフォームで、お客様にはここで作ったアカウントの中でクレジットカードなどを登録してもらい、その後は、そのアカウント一つでいつで商品を購入できる環境を作ったわけである。

 これにより「BASE」のお店の決済をPay ID」にすることで、誰もが店を作ることができて、誰もがそれらの商品を買うことができる、それを可能にした。純粋に考えて、信用のない素人が店を始めようと、決済の認証を取ろうとしても至難の業であり、これでどれだけ「店を始める」ということのハードルを下げることができたか、それは大きい。それは、このコロナ禍での店舗数の急増が全てを物語っている。

2.roomsで見せたBASEの本音

 さて、実は僕がこのサービスに最初に惹かれた理由は、こういう環境が整うことで、一人ひとりの持つ個性が今までよりも格段に発揮されやすくなることにある。しかし、実はそれは鶴岡さんの想いそのものでもあって、図らずも僕が注目する「rooms」というイベントで、彼に遭遇して、それを知ることになるのである。

 失礼な話、なぜ彼がこのroomsにいるのだろうと僕は思ったくらいで、そのイベントはネットとの深い繋がりがあるかと言えば、そうとは言えない側面があった。

 「rooms」は新進気鋭のデザイナーズブランドやアーティストなどが一堂に会して、商品を見せる場であり、趣旨としては、そこにセレクトショップや百貨店などのバイヤーを集まることで、今までにない新しい価値に気づいてもらうことにある。そこで発見し、仕入れて、お店に並ぶことによって、その才能に光が当たり、そのブランドに活路を見出せれば、それこそが日本にとって必要な成長だと僕は考えて、このイベントに注目していたわけだ。

 そこに鶴岡さんがいた。

2.才能を活かし羽ばたく為に

 彼と話して、思いがけず、彼の事業に対する真意が垣間見えて、心底共感した。一番印象に残っているのは「一人一人が持つ才能を応援する為にBASEをやっている」という事だった。roomsが大切にしていたアーティストの才能そのものを大事にしようという想いは、彼もまた、存在していて、だからこのイベントにシンパシーを感じたのだろうと思う。

 確かに、誰でもネットショップを作ることができれば、その作品なり商品なりを販売できて、それによってマネタイズできる。自分の才能で商売をすることができれば、開花する可能性は広がって、道は開ける。彼はその想いが真意であるかのように、行動で示したのがこの「rooms」というイベント自体へのスポンサードだった。

 話が逸れているようだが、決して逸れてはいない。恐らく、この想いは少しも変わっていないのだろうと僕は、「今一度、BASEとPay IDという各々のブランドを「対販売者」と「対購入者」とで役割を切り分けていこう」という言葉の中に見たからである。僕の頭の中ではそれらがオーバーラップしたのだ。

 これは、語弊を恐れず言えば、今、国内で盛り上がる「経済圏」を意識しての発言でもあるのかな。そのように僕は受け止めていて、そうここで話すのは、そういう風に考えていくと彼の思いも分かりやすいと思うからである。

販売者と購入者の利点を明確に分ける

1.モールと決済をセットにすると武器になる

 ここで「経済圏」の中身を本質的な視点で紐解いてみよう。昨今の「経済圏」に言えるのは「ショッピングモール」で出店店舗を募り、集客していくという要素に「決済」を紐づけて形成しているというところにある。ここが原点とも言える。

 例えば、楽天で言えば、主たるところで言えば「楽天市場」と「楽天カード」というクレジットカードだし、ヤフーで言えば「Yahoo!ショッピング」などと「PayPay」というスマホ決済であり、ショッピングモールと決済の親和性は極めて高く、結びつけるほどに両方プラスに作用するから、トータルでの事業の成長スピードは加速しやすい。

 しかもその土台があるから、安心して、ショッピングモール以外にも浸透させていき、多くのジャンルに相互に効果をもたらし、影響力をもたらして、会社は大きく成長することができる。それはそれでそこに出店するお店に利益をもたらすわけだから、当然ながら認められるべき価値である。 

 ただ、僕が今回、言いたいのは、そこではない。それとは別の考え方も存在することに、鶴岡さんの言っている事でハッとさせられるわけである。

2.経済圏との明確な違い

 BASEはそういうことはしない。それは「我々はモールではありません」と宣言しているようでもある。だから彼は敢えて、「販売者」と「購入者」に向けてサービスを切り分けるわけだ。先ほど、話したように、BASEはいまや160万店舗が存在するだけの認知度の高いサービスになった。

 ともすれば、BASEというアプリも存在するので、いわゆるショッピングモールのような形で事業を進めていくことはできるだろうし、決済と紐づけて、経済圏を作ろうと思えば、それもできるだろうとは思う。

 でも、ここで先ほどの「rooms」での話に戻ってくる。彼が重んじたいのはそこでのメリットではなく、もっと一人ひとり、一企業、一企業の才能なり可能性に光を当てることの方なのだ。

 だから「BASE」はあくまで販売者向けのサービスであると宣言する。なぜならそれは個々のお店の個性を重んじる為で、極論、BASEというサービスは購入者側には認識されなくていい。寧ろお店を作りたいと思う人がBASEという名前を思い描いてくれたら、それで十分。その為の入口だと割り切るからこそ、意図的に「Pay ID」と切り離すわけである。

 それに対して「Pay ID」は購入者向けのサービスである。だから、購入する際に使うアプリは「Pay ID」であるべきだという結論に辿り着く。「BASE」ではなくてね。購入側の手段として「Pay ID」が存在し、あとは個々のお店の看板に目がいけば、それで十分。そこで彼らの目的は達成する。

 そして「Pay ID」は購入者側のメリットを提供していく。それが例えば、クーポンだったり、CRMの施策だったりである。僕らは勘違いしている部分があるかもしれないけど、クーポンやCRM施策はお店のための施策ではなく、お客様の満足度向上のための施策である。だから、それはそれで打ち込みたいと話すわけである。

販売者の入口と購入者の入口

 だから、僕は思うのだ。鶴岡さん、あの時の考え方と少しも変わってないし、ブレてないなあと。roomsというイベントで個々の才能に光を当てるその動きに、彼はスポンサードしたように、BASEというブランドは徹底して、個々の才能に光を当てるためのプラットフォームに徹するわけである。

 そのためには「BASEで買った」のではなく、「〜〜さんのお店で買った」ということでなければならない。だから、彼はこだわるわけである。BASE と Pay ID 分けて考えるとBASEという「会社」の真意に気づくことができると書いた理由をお分かりいただけただろうか。

 繰り返すが、ショッピングモールは「経済圏」としてお客様に価値をもたらし、店に利益をもたらすことも勿論、大切なこと。ただ、それとは別のベクトルでこういう個々の持つ可能性を最大限に引き立てて、活性化させる小さな商圏も大事にしようという想いもまた、正しい。

 いずれにせよ、これらが共存していく中で、一人一人、一企業一企業が輝く世界が生まれることを切に祈るのである。

 今日はこの辺で。

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