JR東日本の挑戦 東京駅で“BELLE MAISON”新業態 駅と通販の融合の新時代
JR東日本 と千趣会の業務資本提携は、小売に新たなシーンをもたらしている。それがまた一つ。JR東京駅構内「グランスタ東京」に常設で「 BELLE MAISON 」の新業態ショップが開店されたのだ。大きさにして19.7坪。ターゲットにしているのは丸の内のオフィスワーカーである。
東京駅に新しい価値を BELLE MAISON
1.店内で存在感を見せる「靴」
彼らなりにいくつかの新しいチャレンジも見られた。全面に打ち出されたのは、ずらりと並んだ靴である。これらは千趣会が長くブランド展開してきた「BENEBIS」。
千趣会も話していたが、商品企画には職人による工夫の跡がある。実際、長きに渡りユーザーを惹きつけてきたのは、そこにある。だから、そこに関わるスタッフはこのショップのオープン前、準備の際に顔を出していたという。確認せずにはいられない。こだわりは筋金入りなのだとわかる。
今回、強く打ち出している靴は2種。カスタムオーダーによる37色の「パンプス」および、31色の「フラットシューズ」であり、その色の豊富さが売りである。また、上記の通りその商品力をリアルに実感してもらうとともに、その過程で「3D計測機」を使うなど、データに基づき、より相応しい靴を指南しようというわけである。割と1万円以下で済ませられる値頃感もまた、背中を後押しするだろう。
2.アプリでロケーションと通販の最大化
それともう一つ。JR東日本は「JRE MALL MY LIST SHOPPING」というアプリのアピールにも熱心だ。このアプリを使い、同店で気に入った商品があれば、そのままプライスポップにあるバーコードをスキャンするのである。
それらは、スマホのなかの「マイリスト」に収められる。それは、いつでもその商品を見返せるようにしておくと同時に「JREモール」内の「BELLE MAISON」で購入できるようにしてあり、ボーダレスにアプローチする狙いである。
これが先程の計測とも結びついてくる。つまり、自ら計測したり試着したりして気に入った商品をリアルで選び出すことができれば、あとはこの「マイリスト」が活きてくる。いつでもそこに入れておいて、いつでも買える状況を作っておけるわけだ。駅に来る習慣と合わせて、それらの環境を創出しておこうというわけである。
3.ディズニーもまた誇れるコンテンツ
そして靴をメインに書いたが、奥にはディズニーの商品も並ぶなど、靴に限らずこだわりの商品は多い。また、勿論、この店ではJREポイントを貯めることも、使うこともできる。
そんな風にして、駅もデジタルシフトに向けて「着々と」である。ただ、それはハードとソフトの両面が機能して初めて活きること。だからこそ、JR東日本にとって、千趣会のこだわりの商品力やその品揃えは彼らが新しいチャレンジをする上では、必要不可欠である。
それを通して、そこに実証された結果が伴えば、それをまた別のブランドにもこの環境を提供できるだろう。それが駅のテナントとしての付加価値を上げてくれるように思う。正直、説明を聞きながら、アプリの連携など、まだぎこちなさがありつつも、そこに秘めたる可能性を思えば、僕は期待してみたいと思うのだ。
今日はこの辺で。