1. HOME
  2. News
  3. キャラ談
  4. ライセンシー商品
  5. ちょっとカワイイ を武器に MDY 前田英夫氏 起業 の舞台裏

ちょっとカワイイ を武器に MDY 前田英夫氏 起業 の舞台裏

「ちょっとカワイイ・ちょっとイイ感じをクリエイトしています」か。この「ちょっと」が大事。その世界観は“ある男”が「ロディ」という素材と出会うことで確立したものだ。前田英夫さんは、子供の玩具であったロディを、キャラクターとして再構築し「ロディ」の育ての父と言われる。冒頭掲げた言葉は前田さんが“起業”し立ち上げた MDY 合同会社のポリシー。そのデザイン性を違ったフィールドでも活かして挑戦しようと意気込む。

 前田さんが新会社で着目したのはタカシマカズアキさんが手がけるブランド「This is not a cat.」。タカシマカズアキさんはファッションブランド「Ne-net(ネ・ネット)」の元デザイナーであり、そこで「にゃー」というキャラを取り入れる等、可愛すぎない可愛らしさを地でいく人である。

 そんなタカシマさんの手がけたブランド「This is not a cat.」だから、そこに出てくる『くまの「MARRON」』もやっぱり前田さんの「ちょっとカワイイ・ちょっとイイ感じ」の価値観とも近い。二人が意気投合するのも自然な流れだ。「かわいすぎちゃうと甘すぎちゃうし、良すぎるのも別のものになっちゃう」そんな穏やかな感性が「ちょっとカワイイ・ちょっとイイ感じ」にはある。

©︎KAZUAKI TAKASHIMA

 ちなみにこの二人は昔からの友達だというだから尚更ウマが合う。彼は早速、会社立ち上げとともに、このキャラをモチーフにした商品を幾つか手がけ始めていて、ラインナップはTシャツや、マグカップ、トートバッグなど幅が広い。

 実は前田さん自身、最初は絵を描けるタイプでは無かった。

それこそ幼児用の玩具「ロディ」だって、デザイナーに対して「こういう風に歩かせてみよう」などと最初は指示を出していた程度であったが、商品化をしていくうち、自らが絵を描くようになった。

 彼が色々書き起こし、様々なグッズでその世界観を広げていく中でそれらはヒットに恵まれることとなる。前田さんのセンスは「ちょっとカワイイ・ちょっとイイ感じ」を好む女子の間でブレイクしたのである。

MDY の 起業 で寄り添うのは 「This is not a cat.」

 時は変わって2021年。彼はまた「ちょっとカワイイ・ちょっとイイ感じ」を武器に動き出したわけであって、その相手に「This is not a cat.」に出てくる『くまの「MARRON」』を選んだ。それを人気者に仕立てられるだろうか、勝負するのである。

 ライセンス展開も視野に入れつつも、まずは自分の会社MDYでクリアファイル、ランチトート、Tシャツ、マグカップなどを展開するあたりが前田さんらしいなと思った。何故なら、キャラクターには人格みたいなものがあって、それを踏まえて商品企画することでその商品は見違えるように魅力的に映る。彼自身が率先して見せることに意味があって、そのやり方はここまでの実績で折り紙付きだ。

 ここがアニメなどの人気キャラグッズを作るのとは違っていて、そのキャラクターの素材を活かす商品作りでありそれが「ちょっとカワイイ・ちょっとイイ感じ」を醸し出す。その可愛すぎない、良すぎないセンスが効いたデザインが感度の高い女性を刺激するのだろう、と僕は思っている。 

 大きな小売店でも扱ってもらえることを念頭に置きながらも、「うちは小さな会社なので」と謙虚に自前で通販サイトも立ち上げ、販売していく。試作の通販サイトも見たが、この「MARRON」がGIFで目をキョロキョロしていたりして、そこで十分、その世界観が表現できているのは流石だと思った。

 別に大ヒットしなくていいから、本当に欲しい人に届くブランドになれば、いいと思う。今は多様性の時代で可愛らしさにもそれが求められるはず。

 ただ「せっかく起業したのだから」と前置きして、前田さんは、こういうデザインを通して自分の価値観やセンスを受け入れてもらえた暁には、新たなチャレンジとして、自分自身で欲しいTシャツをデザインしたり、オリジナルのブランドを作ってみたいと話した。個が尊重される今だから、そういう夢が、会社を立ち上げる理由になってもいいだろう。

 最後に余談ではあるが、会社名『MDY』に込められた意味を聞いてあげてほしい。

 「あ、それですね。実は『マエダデスヨロシク』の略(笑)』。そして「高校生の時に友達との間で、 そうやって皆、『OK、MDY』『サンキューKDY』とか略して言い合っていて。それが最高に楽しくて」と無邪気に答えてくれて、この前田さんこそ僕が知る限りの人間像である。子供心を忘れないお茶目な人であり、純粋な人である。ちなみに、起業したのは5月6日で、その理由に子供の日の翌日で、“ちょっと”大人になった日だから、と答えた。

 殺伐とした最近だから、彼の生み出すキャラでほっと肩の力を抜けるような機会がもたらされることを祈りたい。心穏やかな日々が来ることを切に祈り、それをお祝いの言葉とする。

 今日はこの辺で。

関連記事

145はマガジンは「ヒットの生まれ方と育て方を考えるメディア」。キャラクターなどのコンテンツ関連と新しい小売りの最新情報、商品開発の実態を追うメディアです。
詳しくはこちら
 本気で書くにはボランティアではできません。最初にメルマガplus=メディア会員(有料)を作りました。これからの成長も含めて力貸してください。
メルマガplus詳細

What’s New

Good feedback

検索