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株主総会 で 三木谷氏語る 楽天 から 楽天グループ へ変える想い

 3月末のことであるが 楽天 株式会社は第24期定時 株主総会 を開催して、第24回定時株主総会での決議を経て、そこで社名を 楽天グループ に変えた。この株主総会では、代表取締役会長兼社長の三木谷浩史さんの想いを明らかにし、株主総会の内容だけど、企業としてその思いを真摯に語ることがあまりなかっただけに、ここで記事にしてみた。単に「グループ」をつけただけじゃないか、と思われるかもしれないけど、と前置きした上で、会社としては思い切った決断をしたと説明をして、次のように話し始めたのだ。

楽天 株主総会で決議 楽天グループ へ変更

 遡ること、楽天が創業したのは1997年。そこから24年の歳月が経った。三木谷さん自身、最初にインターネットが世界を大きく変えるだろうと思った理由として、PCP IP(要は通信をする上でルールを設定して世界中の人がやりとりできるということ)とハイパーリンク(世界中をリンクで繋げるということ)の2点を挙げた。

 情報の流れが変われば、世界は変わると思ったからだ。ただ、とは言え、彼自身、ここまで大きくなるとは予測していなかったようだが、楽天の流通総額は20兆円に至るまで成長したと触れた。

 この延長線上で見た場合、これからあらゆるものの定義が変わっていくだろうし、例えば、紙の紙幣が存在しない世界もやってくるかもしれないと。ただ、そういう動きに対して日本の政府然り後塵を拝していると三木谷さんは思っていて、「かつてバブルの時代は世界でのマーケットシェアが15%程度あったのが、2〜3%とみる影もない」と続けたわけだ。

 そんな時代の中で、楽天はいち早く国際化を進め、社内公用語を英語にするなどの改革を進めて、そのおかげで今モバイルの革新の世界に飛び込めているわけであり、今の成長はそういう前向きな姿勢に裏付けられていることを述べたのである。彼曰く、そうしたチャレンジがなければ、普通のインターネット企業に留まっていただろうと振り返ったのだ。

 だからこそ、三木谷さんは株主に向かって、「やること全てが成功するわけではないが、失敗を恐れずショッピングというわけではなく、新しい時代に向けて世界のリーダーになるという意味合いを込めての、楽天グループなのです」とその想いを明らかにして、この決議をかけたのである。

楽天モバイルと第三者割当増資についても言及

 なお、この株主総会では、その楽天モバイルに関しての言及もあり、楽天グループは他のモバイル系の会社とは異なり、まずエコシステムがあって、そこからモバイルに入っていることの優位性を語った。実際にそれを取り組んでみると、モバイルに加入している人は楽天市場で50%購入がアップするなどの例が見られているとその成果を述べていて、モバイルに入ることで、楽天のエコシステムのロイヤリティが向上していることを明らかにした。

 3月に第三者割当増資などで、日本郵政から1500億円、テンセント(3月31日入金)657億円、ウォルマート166億円、創業者同族関係者から100億円を出資して、2423億円の資金を調達したことを明らかにし、それだけの投資価値のあることを強調したのだ。

 わずか24年でここまできたが、三木谷さんの話をきくに、まだ全然納得のいくレベルではないということが窺え、それが社名の変更にも現れている。今回の株主総会では特に、挑戦というイメージを強く打ち出して、それは日本企業が世界で存在感を出すという、かなり大きなテーマを掲げたものであった。

 改めて、彼らの祖業であるネット通販において、ショップとの距離感が叫ばれる昨今であるが、目指すものがここまで大きくなると、それはやむを得ない。かつてと同じような対応、関係性というわけにはいかないのも、客観的に見ると思うところであって、だからこそ、今できること、今構築するべき関係性を、楽天もショップも今一度、確認して、今の時代にふさわしい成長を遂げていくべきであろう。

 今日はこの辺で。

関連企業:日本郵政 楽天に 1500億円出資 時代の転換期

 

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