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AMERICAN RAG CIE 原宿 路面店への挑戦

 新しいリアルの価値を再定義しようと皆、模索している。先日開店した「 AMERICAN RAG CIE 」の路面店にきて、それを感じた。 原宿 キャットストリート沿いにあって、印象的なお店であり、入り口付近には螺旋階段で上は吹き抜けで2階を見渡せる。手前にはドリンクのカウンターがあって伺ったその日はレセプションパーティもあり、多くの人が飲み物を片手に談笑していた。アパレルショップとして考えると異彩を放っていたのだ。

AMERICAN RAG CIE 原宿 の地に

 これが「AMERICAN RAG CIE」なりのリアル店の提案。まず、アパレルショップとしては少し変わった趣向のコーヒースタンドについて聞くと「服を買いに来なくとも、純粋に仕事の合間に立ち寄ってコーヒーを飲みに来てくれたらそれでいい」と話してくれて驚いた。

 そして「(このブランドの発祥である)ロサンゼルスのオーナーとも話しているのですが、店内には家具などをもっと充実させてライフスタイルを提案したいと思っています」と続けた。つまり、コーヒースタンドはそのライフスタイルや世界観に浸ってもらう為の〝装置〟である。『必ずしも購入だけに直結させない姿勢』が、かえってECを思わせる。ECを踏まえリアル店にしかできない店づくりを心がけているのだ、と。そうか、だからアパレルじゃないんだ、ライフスタイルか、、、と。

 コーヒーは「珈琲専門店ではないからコンビニよりは高く、専門店よりは安く」するなど、考えられた価格設定で、価値に見合っている。これなら立ち寄りたくなるし、こうやって店のスペースを有効活用することで、ファンの気持ちを触発し、かつ新規のお客様との出会いを自然に演出できる。まさに今、リアルのお店はその役割を模索する真っ只中であるといえよう。「ネットのできないことでリアルができる事は何か」と。彼ら然り答えはまだないが、僕がこの店で感じたのは「発掘する楽しさ」である。

AMERICAN RAG CIE の世界観を活かす

 アメリカの屋敷のような佇まいはビンテージなどをミックスした彼らの品揃えとも程よくマッチしていてエンタメ性に満ちている。螺旋階段は登ると縦長に4階まで続き、やや狭い構造は、かえって友達の家に遊びに来たような感覚で、最上階まで上がると屋根裏部屋のようである。

 むしろこの雰囲気こそが彼らの真骨頂で「“クローゼット”の感じを演出できるように、もっとビンテージものをぎっしり敷き詰め込みたい」と同ブランドは語っており、なるほどと思った。

 語弊があるかもだが、程よく雑多な感じがカジュアルで惹かれるのである。

 それでいて彼らなりにテーマが仕込まれていて、什器は廃棄衣料からできたリサイクルボード「パネコ」を活用したものだったり、ハンガーも再利用したものである。彼らのブランドの姿勢にも繋がるが、ビンテージ然り、そこには確かにサスティナブル精神が宿っている。

 合わせて、地球環境に配慮した素材を使ったアパレルなども陳列するなどして、メッセージとともに、ライフスタイル全般を提案して、商品単体ではなく、このお店そのものへの愛着へと誘うのである。

 この「AMERICAN RAG CIE」の実店舗をオープンさせたのは、実は数年ぶりのことだと言う。ただそれまでのリアル店とは全く違う様相と言って良く、全く違った“ハコ”として進化をしなければ、次はない。今までと同じでは通用しないことは彼らもわかっている。

 思うに、デジタル化が進むほど、一番大事なのはお客様との関係性であり、より深くそのブランド価値を感じてもらうには、リアル、ネット双方からのアプローチが必須である。チャネル問わず、相互に心を通わせ、エンゲージメントが高めることこそがブランドにとっての命題だ。

 繰り返すが、だから今まさにリアルが何をできるのかをそれぞれに仮設を立て、検証の真っ最中なのである。「AMERICAN RAG CIE」がこのコロナ禍のタイミングで、敢えてリアルに挑戦する意味も、次を見越した大事な一歩を踏み出すため、ではないかと思ってみたりもする。

 明らかに時代は変わっている。次世代のお店のあり方の考える上で、気づきのある店であった。ネットショップもウカウカしていられないだろう。そうした動きを注視しておかねば、どんどんとお客様との関係性が変化している以上、間違いなくお客様にそっぽ向かれる日が来るだろうから。

 今日はこの辺で。

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