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オルビス に 学ぶ DX を最大化させた 通販 ブランディング

肌診断アプリ

 昨今、 DX が推進される中で、そのブランドの意義が大事になってきているように思える。とは言え「“ブランディング”ってどういうもの?それをどう活かすの」ということがあるように思う。そこで僕は 化粧品 通販 でリブランディングを成功させた オルビス 株式会社代表取締役 小林琢磨さんに関心を抱いた。彼の講演を聞くべく、「化粧品開発展 東京」に向かったのだ。その内容は非常に気づきが多かったので、僕の私見ではあるがまとめたものである。

オルビス 通販 を伸ばした ブランディング 術 DX にも奏功

ブランドのカラーが曖昧だった

 「オルビス」という名前は基礎化粧品の通販企業で、老舗であるので聞いたことはあるだろう。ただ、実は近年、そのブランディングには悩んでいる部分もあったようだ。例えば「若い女子にとってみれば「うるにゃん」の会社ですね?」と言われる始末で「うるにゃん」とはオルビスのLINEスタンプのキャラである。化粧品のイメージよりも前にそれがきてしまう段階に、小林社長は危機感を覚えたという。

 ただ、無理もない。最近は、彼らがこれまで追い続けてきたオイルカットなどのイメージに対して、オーガニック系の企業が台頭してきて、競合も増えた。かつオルビス自体も業績を伸ばすために商品ラインナップの幅を広げて、カラーが曖昧になってきていたのである。

 小林社長曰く、自ら社員に「自分たちの企業のどういう企業だと思う?」と聞いたそうだが、返ってきた言葉は「通販の企業」と聞いて愕然としたという。そうなると、オルビスのライバルはAmazonや楽天市場、ZOZOTOWNという話になってしまう。オルビスはリテーラー(小売業者)の会社ではないのでそれは違う。

ブランドビジネスを立て直す

 だからこそ、ブランドビジネスをしっかりやるべきだという意識に至る。自分たちが得意な部分で付加価値を出せる部分はどこにあるのか、ということに立ち返り、スキンケアを中心としたビューティブランドとして、また再スタートを切ることになったのだ。

 彼らの強みは「シンプル」、「ナチュラル」であり、「あなたにとっていいもの」であることを明確に打ち出した上で、それを象徴する商品として「オルビスユー」「ディフェンセラ」という商品を掲げて、ヒットさせることを目標に据え結果を出して、リブランディングを成功させた。

 聞いていて思うのはライフスタイルを提供すると言いつつも、そこにブランドとしてのカラーがないと、ただ商品数が増えるだけで、「その企業と言えば何!」というものがないので、社内も社外も共に明確なイメージを抱くことができなくなるのだな、ということだ。自分たちの立ち位置を明確にしてこそのライフスタイル提案だと気づかされた。

ブランド力をどうアプリに生かしたのか

 さらに、印象に残ったのは、アプリの話である。このアプリがまたブランドの姿勢を示し、またツールを利用する上での本質をついていると思ったのだ。オルビスのアプリでは、パーソナル分析機能が売りになっていて、365日、お客様と触れ合うための大事な入り口になっているようである。

 女性にとって肌は大事。僕なりに調べてみたところでは、女性の場合、パーソナルカラーと言って人それぞれ生まれ持ったパーソナルカラーを持っていると言われていて、それに合わせてコスメをチョイスすると、美しさに磨きがかかるというわけである。

肌診断から始まる365日の接点

 話を戻すと、それゆえ、肌診断は女性に関心が高いもの。それをアプリでやろうというわけである。通常、肌診断をやろうとすると2〜3万円程度、要するものだが、彼らはそれをスマホのカメラで撮影し、それをAIで解析しつつ、オルビスがオルビスが30年間培ってきた独自の理論を組み込んで、コストを抑えて、品質を持って結果を出すのである。

 僕自身が感じたことはデジタル化が言われるのと同じことだが、「アプリをやった方がいい」ということではない。そのアプリを使って、企業としての価値をいかに訴求できるか、ということで、手段に過ぎない。

お客様と並走する為の手段は時代により異なる

 通販の特性ではあると思うだが、時代によって違えど、常にお客様と並走するところに、価値があると思う。ただ、それはそれぞれに違う。オルビスの場合、アプリの利用者は通販での購入の割合が、非利用者に比べて高いそうで、これは、アプリ内のコンテンツと相性が良いことで、その結果につながっているのだと分析している。

 改めて痛感するのは、「通販」「リアル」「アプリ」と言ったキーワードが先行しがちではあるが、どれが大事ということではないのだ。興味深かったのは、昨年の緊急事態宣言下での話である。

 リアル店舗を利用しているお客様は、外出自粛でネットへ誘導され、当たり前に、通販の利用率が上がった。当然、た緊急事態宣言後には、またリアル店舗に戻ると思われたが、引き続き、通販を利用するお客様が多かったというデータが出ていたことを明らかにしていた。つまり、一度でも通販を利用したお客様はその利便性の高さを理解したということなのである。

 だからと言って通販が大事というわけではなく、その利便性はそのお客様の生活環境によって変化していくものだから、企業側がその生活環境に合わせて、選択肢を用意してあげることが一番、大事なことなのである。

 今日はこの辺で。

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