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au PAY マーケット Ponta 連携 を機に伸びると八津川社長が強気な理由

 昨今、KDDIは「au」冠の元、グループ内の様々な業種を相互に活用することで企業価値を高める方針に転換し始めていて、これが小売にも影響している。au Wowma!が au PAY マーケット と名称を変え、ギアを入れ直したのもその一環。とは言え、ショッピング環境はそれでどう変わるのか。運営元、auコマース&ライフ 八津川博史社長に聞くと Ponta などを引き合いに、変わりゆく自分たちの姿勢に言及した。

au PAY マーケット Ponta 連携で1億人と接点

 元を辿れば「au PAY マーケット」は「ビッターズ」であり、買収などの経緯を経て、KDDIグループの傘下となりWowma!となって以降、華やかに成長したけれど、正直、僕の印象では、それ以外のモールに比べて「決め手」に欠けていたのも事実だ。

 八津川さんはKDDIが「au経済圏」の戦略を打ち出す中で、また「au経済圏」の戦略と連携した売り場づくりをする為に、自らも戦略を見直しし、その経済圏のお買い物の場所をしての色合いを鮮明にさせたわけだ。

 今まではネット通販の事業単体で施策を考えていたのが、経済圏の枠組みを利用する事で、よりダイナミックな規模の大きな仕掛けが可能となると話した。もう少し具体的な説明を求めると、 Ponta の例を挙げて説明を始めた。

自分のネットショップの施策だけでなく、au 経済圏単位でみて動くと自らの価値も最大化できる

 ローソンで商品を購入し、カードを提示するとポイントを溜めたり、利用もできた、狸がイメージキャラの「Ponta」である。それが5月21日からau経済圏と連携。貯めていたポイントを「au PAY マーケット」でも利用できるようにしたのだが、これにより、「au PAY マーケット」とお客さんとの接点は1億人にまでのぼるそうだ。

 しかも、au経済圏で貯まるポイントも統合されるので、auでんきや、au Payカード(クレジットカード)を使っても「Ponta」ポイントは貯まる。ポンタの利用価値がリアルとネットとインフラを巻き込んで向上した中に、au PAY マーケットはある、と八津川社長。

 いくら一億人と接点が持てようとも、「au PAY マーケット」にこなければ意味はない。だから呼び込む工夫をしていて、それが「お得なポイントの交換所」。期間限定ではあるが、今のポイントの50%をプレゼントするキャンペーンを実施しており、例えばその場合、1000ポイント保有者には、そこで交換すれば1500円分に相当する価値を手に入れて「au PAY マーケット」で買い物ができる。

 かつ、ポイントプログラムは3月から変更されていて、経済圏の中には通信、でんきなど、その使い方によりステージ制が敷かれていて、そのレートが変わってくるので、使うほどにお得さは増していく。これもネット通販単体の事業であれば、ここまで細かくレートを設定することもできなかったと話す。これが彼らがいう貢献できるスケールの規模の違いである。

スマートパスで継続顧客になりうる土台もつくっている

 また、本来の携帯キャリアの強みを生かして「auスマートパスプレミアム会員(499円(税抜)/月)」が用意されているが、映像見放題・音楽聴き放題・書籍読み放題などのエンターテイメントの側面からフォローしており、その中身にau PAY マーケットとして「ショッピング利用の際、送料無料にする旨」を付加価値としてつけている。新規顧客との接点に加え、継続する土台もできている。

 故に、これらを総括すると、これまでネット通販での戦略で言えば、ユーザーの多い30〜40代の世代を軸にならざるを得なく、集中しがちであった売上も世代問わず、広がりを見せていくので、出店する店は従来のターゲット以外の世代の商品にも挑戦して、商品数を拡充して欲しいと話している。他のショッピングモールと同様のリソースを割いて、共に成長していければ、と語気を強めた。

売れるだけの準備は整った、各担当者が、どれだけ店を伸ばせるかの覚悟を見せるだけだ

 ただし、最後に個人的に言わせてもらえれば、これを踏まえて、ネット通販のお店に何店舗か聞けば「名前が変わって何がしたいのかという強い意思表示が欲しい」という声や「ショッピングモール3強から離されている」というイメージもいまだ強い。だから、「au PAY マーケット」が本当に、それだけ伸ばせる環境が整ったのであれば、一番大事なのは、「あなたのお店を、ここまで売上を伸ばして見せる」という覚悟を見せることにあるように思う。

 今回、八津川さんに話を聞くに、かつてに比べれば、認知も潜在的顧客も、格段に増えているから、それも可能だと思ってはいる。しかし、本当に変化できるかは、先頭を走る企業に負けないだけの強い意識ではないか。まさに、真価が問われるこれからだと思う。

 今日はこの辺で。

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