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ものづくりの哲学が生んだ「CW-X」─世界に認められるウェアが生まれるまで

 ワコールが開発したスポーツコンディショニングウェア「CW-X」は、単なる機能性ウェアではない。1991年の誕生以来、長年にわたり培われた人間科学研究をもとに、アスリートのパフォーマンスを支え続けてきた。その証拠に、世界的なプレーヤーであるイチローさんは現役時代からこのウェアを愛用し続け、今もなおその価値を実感している。

 では、なぜ「CW-X」はこれほどまでに選ばれるのか?それは、ワコールが「ものづくり」において徹底してこだわり抜いたからに他ならない。本記事では、ワコールの開発思想と、その姿勢がどのようにしてイチローさんのようなトップアスリートを惹きつけているのかを紐解いていく。

第1章:「CW-X」の誕生と進化──ワコールの研究開発力

人間科学研究に根ざしたウェアづくり

「CW-X」は、ワコールの人間科学研究開発センターが蓄積してきた膨大なデータをもとに生まれた。
ワコールは元来、女性用下着メーカーとしてスタート。日本人女性の体型や動きに関する研究を長年にわたって続けてきた。

 また、1964年に設立された研究センターでは、4歳から69歳まで約4万5000人の体型データを蓄積。この研究がスポーツウェアの分野にも応用され、「CW-X」は誕生したのである。

ウェアラブルテーピングという発想

 従来、アスリートは関節や筋肉の負担を軽減するためにテーピングを施すことが一般的だった。

 しかし、それには専門知識が必要であり、手間もかかる。そこでワコールは、「履くだけでテーピング効果を得られるウェア」を目指し、筋肉や関節の動きを研究。

 結果として生まれたのが、体の動きを安定させる特殊な設計を取り入れた「CW-X」だ。肩甲骨や股関節の可動域を意識しながら、自然な動きをサポートする構造になっている。

イチローも認めた「長持ちする品質」

「CW-X」の品質の高さは、長期間にわたって愛用されることでも証明されている。

 実際、記者会見では「妻が20年使い続けている」というエピソードも語られたほどだ。毎日洗濯し、乾燥機にかけても機能を維持するこのウェアは、単なるスポーツウェアではなく、「投資すべき価値のある一着」となっている。

第2章:イチロー氏が語る「CW-X」の真価

365日、欠かせない存在

 イチローさんが「CW-X」を愛用しているのは、単なるスポンサー契約によるものではない。彼自身、「プレーするにあたって、365日欠かせないのがCW-X」と明言している。

 つまり、イチローが愛用しているのは後から分かった事実である。それであれば、とその後、2002年、彼とアドバイザリー契約を結んだくらいである。

 通常、アスリートが使う道具は、バットやグローブ、シューズなどが思い浮かぶ。だが、それらは365日使用するわけではない。しかし「CW-X」は、試合時はもちろん、日常生活のあらゆるシーンで着用しているという。

アメリカ時代も「CW-X」

 イチローさんがアメリカでプレーしていたときも、彼の体を支えていたのは「CW-X」だった。

 彼は「アメリカ人は足し算の文化で、サポートギアをどんどん加えていくが、自分はシンプルな方法を求めた」と語っている。

 その結果、選んだのが「CW-X」。機能性が高いのに、着用するだけで自然と体をサポートしてくれる。そんな優れたバランスが、彼の現役生活を長く支え続けた。

第3章:「CW-X」が持つビジネス的価値

スポーツウェアの新たな市場を開拓

「CW-X」は、単なるスポーツウェアではなく、スポーツ医療の分野でも高く評価されている。

 実際、整形外科の専門家や医療従事者の間でも、長時間の立ち仕事の際に「CW-X」を着用するケースが増えている。医療や介護の現場でも支持を集めるほど、その機能性は広く認められている。

ワコールのものづくりが生み出す付加価値

 ワコールは「CW-X」においても、下着づくりで培った技術を応用し、「快適さ」と「効果」を両立させている。

「どれだけ優れた機能があっても、着心地が悪ければ長く愛されない」

 そんな哲学が貫かれている。それがイチロー氏をはじめとするトップアスリートに選ばれ続ける理由となっているわけだ。

イチローを巻き込むビジネス戦略

 また、それらが、引退してなお、イチローさんとの関わり合いを、フルに生かして、新たなフェースを迎えている。具体的には、イチローさんが「Team CW-X」というそれらの商品価値を活かす、スポーツ活性化の動きのキャプテンとして新たなプロジェクトを引っ張ってくれている。

 これは単なる広告塔としての役割ではなく、彼自身が「良いものを広めるために動いている」という点に大きな意味がある。世界的なプレーヤーが「これは本当にいい」と実感し、自ら伝えたくなる。

 このストーリーこそ、ブランド価値を高める最も効果的なマーケティングなのではないか。

第4章:「CW-X」の未来

さらなる進化への挑戦

「CW-X」は誕生から30年以上が経過しているが、進化は止まらない。

 今後、より多くの競技での活用が進むだけでなく、一般の健康維持のためのウェアとしての展開も視野に入れている。特に、イチロー氏が提唱する「コンディショニングを整えることの大切さ」を、多くの人に伝えるための活動が進められている。

 「Team CW-X」はイチローさんに限らず、副キャプテンとして、福士佳代子さん。スポーツクライミング ボルダリングの世界的プレーヤー石井未来さん、小倉紗奈さんも各々の持ち味を生かして、そういう文化を広めている。 

 それは、世代を問わず、広げていく構えで、演出家の野田秀樹さんの参加も明らかにした。一見すると、スポーツに縁がなさそうに思えるが、彼自身が演出する舞台で高いパフォーマンスをする際に、この日まで「CW-X」10年間、愛用していることを明らかにしている。

スポーツウェアからライフウェアへ

「CW-X」は、もはやスポーツの枠を超えて、「日常のパフォーマンスを支えるウェア」としての役割を担う。イチロー氏が日々の生活の中で愛用しているように、一般の人々の健康維持にも貢献できる製品へと進化し続けているのだ。

 何より大きいのは、ワコールの徹底した研究開発とものづくりの姿勢が生んだ、世界に誇るウェアであること。その価値を証明するのが、イチロー氏の長年にわたる愛用。

 だから、もっともっとと、商品力と共に、そこに関連するシーンを巻き込んでいこうとしている。そこに流れるのは、今、彼自身が「本当に良いものを広めたい」という想い。それらを取り入れることで、豊かな生活をもたらすという情緒的要因で、これから大事な視点だ。

 「CW-X」は単なるスポーツウェアではなく、動くすべての人々を支えるウェアへと進化し続ける。これからも、その挑戦は続く。

 今日はこの辺で。

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