1. HOME
  2. News
  3. プロダクト談
  4. 戦略
  5. 視点を変えれば購買も変わる 「mt」など に見る 知恵と工夫のメーカーの話

視点を変えれば購買も変わる 「mt」など に見る 知恵と工夫のメーカーの話

 既存の商品でも、視点が変われば、用途も対象も変わってくる。少しの工夫で新たな活路が開ける。最最近、「mt」というブランドが話題を集めているのをご存知だろうか。カモ井加工紙という会社が手掛ける「リメイクシール」と呼ばれるもの。壁やテーブル、あらゆるものに貼り付けられるDIY用のテープである。でも、、、

メーカーは知恵を出して奮闘している

1.え?ハエ取り紙?

 その会社は、もともと「ハエ取り紙」を手がけていたのだという。わからないものだ。全くそのイメージが湧かない。つまり、粘着性の高いシールを作っていたが、昔と比べて、窓を開ける機会が減少した。それで、ハエ取り紙そのものの利用機会がなくなって、考えたのだそうだ。その粘着性のある仕様を強みに工夫して、「貼っても剥がれないけど、剥がそうとすればいつでも剥がせる」リメイクシールも着想へと漕ぎ着けた。

 布、プラスチック、木などさまざま素材に対応した粘着剤を採用しているから、利便性に優れているという。下地をカバーする隠蔽性が高く評価され、テープ自体に、張りがあるために、まっすぐ張りやすく、人を選ばない。

2.誰でも簡単に部屋の模様替え

 ご覧の通りである。時計や照明器具など、小さなものから大きなものまでできることがわかるだろう。つまり、これらは、はさみやカッターがあれば、特別な道具は要らない。そのテープと身近なアイテムだけで一瞬に、そのイメージが変わる。リピート柄になっているので、どれだけ範囲が広くても継ぎはぎは、自然である。

 「これでスタッフが様変わりしました」とスタッフは笑う。

 ハエ取り紙の会社から、インテリアへとシフトしたのだからそりゃそうだ。社員の雰囲気が変わったのは、ターゲットを変えて、感度を重んじる業態へとシフトしたから。テープのデザイン性がそのまま、部屋のイメージに直結しているから、一つ一つの柄が大事なのである。だから、今では感度の高い、女性社員が会社を引っ張り、今の時代を取り入れた柄を提案しているのだ。本当に、わからないものである。

大人にブレイクブロック玩具「ナノブロック」

 河田というおもちゃ会社は、元々「ダイヤブロック」という商品を、子供に向けて、ブロック玩具を提案している。それ自体、60周年を迎えるロングセラーだが、今から約10年ほど前、その知見を取り入れ、始めたのが「ナノブロック」である。

 正直、ブロック玩具というと、レゴのイメージが強い。そして、子供のイメージが強かった。だから、彼ら自身、そことの差別化を考える過程で、生み出した商品でもある。敢えてサイズを指の上に乗るくらいのサイズで提案して、表現の幅を広げたのである。ブロック玩具は、大人向けの“プラモデル”感覚でできる“おもちゃ”へと進化した。

 例えば、浅草の浅草寺といった具合に、パーツが小さい分だけ、表現力が上がって、それがそのまま、インテリアになるというわけだ。そこに加えて、最近では、SPY×FAMILYのキャラをそれらの「ナノブロック」でドット絵風に表現したりするなど、女性などへの浸透も著しい。

磁石をフックに変える

 その他、マグエバーという会社は、磁石の視点を変えて、それ自体の特性を活かして、フックを生み出した。フック?彼らはマグサンドというアイテムで、柱や扉などを、2つの磁石で挟み込む発想を持ち込んだ。すると、その磁石が引き寄せ合い、それらが落ちない。そこで、そこに取っ手をつけることで、何もなったところに、フックを作ることができるという発想なのだ。

 最近では、それも進化しており、BtoB向けにも幅を広げている。フックではなくネジ穴をつけたのだ。イメージとしては三脚につけるカメラを固定するネジである。片方はネジを受ける側にして、照明などのネジをここにと合わせてロックする。今度はフックではなく、何もないところに照明などが設置できるというわけである。

 改めて、商品の奥深さを感じる次第である。通り一辺倒に、物事を見ていると見えてこないことだなと思う。改めて、あらゆる角度で、物事を俯瞰的に見ることの大事さである。

今日はこの辺で。

関連記事

145が自らの考えを大事に、わかりやすく想いを持ってビジネスの本質に迫るメディアです。主に小売業、ものづくりとキャラクターライセンスを追っています。
詳しくはこちら

#渋谷 【license】ウォルト・ディズニー 【license】サンリオ 【license】作家プロデュース 【license】漫画・アニメ・映画 【Product】アクセ・ジュエリー 【Product】アパレル 【Product】インテリア 【Product】コスメ・健康 【Product】スイーツ 【Product】ホーム・台所 【Product】文具 【Product】玩具・ガチャ 【Product】雑貨・小物 【Product】食品 【Product】飲料・酒 【Retail】CRM 【Retail】D2C 【Retail】OEM 【Retail】OMO 【Retail】ふるさと納税 【Retail】オンラインショッピングモール 【Retail】コンサルタント 【Retail】コールセンター 【Retail】サイト制作 【Retail】チャット 【Retail】フードテック 【Retail】マーケティングオートメーション(MA)・メール配信 【Retail】マーチャンダイジング(MD) 【Retail】リユース・フリマ 【Retail】レンタル 【Retail】受注管理 【Retail】広告・販売促進 【Retail】接客 【Retail】決済代行 【Retail】物流・バックヤード 【Retail】自社EC/ASPカート 【Retail】自社EC/フルスクラッチ 【Retail】越境EC カルチャー/新進気鋭デザイナー コンテンツ/スポーツブランド コンテンツ/歌手・タレント デジタル/AI デジタル/CX デジタル/IOT デジタル/NFT デジタル/Web3 デジタル/アプリ デジタル/フィンテック デジタル/製造業テック デジタル・トレンド トレンド/SDGs トレンド/ミュージック トレンド/ランキング トレンド/美術展 トレンド/調査・データ ファンシー/Curious George ブランド/コンテンツ モール/Amazon モール/au PAY マーケット モール/Yahoo!ショッピング モール/楽天ファッション モール/楽天市場 ユニクロ/ブランド リテール・トレンド 小売店/ウォルマート 接客/やずや 接客/ライブコマース 接客・販促/Instagram 接客・販促/LINE 接客・販促/TikTok 接客・販促/YouTube 業態/SPA 業態/コンビニ 業態/スーパーマーケット 業態/卸売 業態/専門店 業態/百貨店・商業施設 業態/飲食店 物流・バックヤード/日本郵便 玩具/バンダイ 経営・マネージメント(事業と事象) 自社EC/BASE 自社EC/GMOクラウドEC 自社EC/Shopify 自社EC/カラーミーショップ 自社EC/フューチャーショップ 自社EC/メイクショップ 解説/1推し(イチオシ) 解説/ものづくりのセオリー 解説/アーティストの感性に触れる 解説/ハロートークショー 解説/ヒーローインタビュー 解説/ボーダーレス 僕らは空間と時間をクリエイトする 解説/初心者の方、どーぞ 解説/奥深きキャラクターの背景 解説/店の声-舞台裏での奮闘記 解説/潜入イベントレポ 解説/社長の真意 解説/賢くなろう-商売の教科書

最近の記事