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“びっくら?たまご”その遊び心はお風呂を変えた 20年目の節目でガンプラとのコラボ も

 何が出るかわからないという要素は、人を好奇心に駆り立てる。それでお風呂場をエンタメの拠点に変えたのが「びっくら?たまご」という商品。たまご型の固形の入浴剤で、それが溶けた時に、中からマスコットなどが出てくる。それが20周年を迎えたという。

びっくらたまご 20周年 の裏には挑戦の跡

1.お風呂に遊びをもたらした功績

 それまで、お風呂に入浴剤はあったけれど、それで遊ぼうという発想はなかった。だから、それは当時、画期的であり、それが今や二十年、人々の生活として定着したことの意義を思うわけである。

 累計出荷数にして、1億5000万個を突破したのだという。

 最初こそジュワジュワと溶けて、中から出てくる要素自体が目新しかったけど、継続されるに至った理由は進化しているからなのである。

2.人気番組すらその素材にするバイタリティ

 思わず笑ってしまったのが、『緊急SOS!風呂の水 全部抜く大作戦』である。あれ?どこかで聞いたようなタイトルだ。テレビ東京の「池の水 全部抜く」をオマージュした商品。

 「びっくら?たまご」のたまご形の入浴剤がいつもと違っているのは、地味な茶色なのである。お風呂に入れると溶けるのだけど、溶けるほどに風呂が「濁る」。それとともに、たまご型の入浴剤が溶け切ると、マスコットが出てくるわけだ。

 つまり、番組の名物である「濁った池の中にどんな生物がいるのか」という部分を連想させて、風呂の中身を隠している。その上で飛び出すマスコットは、カミツキガメ、アフリカツメカエルなど、キワモノ揃いである。

3.お風呂はもっとドラマチックになる

 その発想も切り口を変えて、よりエンタメ性が増していることに気づくだろうか。彼らはこれをドラマチックお風呂シリーズと呼んでいる。

 女性好みというところで言えば、「サクレ」である。フタバ食品の「サクレレモン」のキュートなパッケージがそのまま、マスコットになっている。その雰囲気を生かすべく今回は、入浴剤がボディスクラブになるような仕様にして、ドラマチックにその場所を演出するのである(この商品はボディスクラブ入浴剤とマスコットが別で入っている)。

4.お風呂でガンプラ?

 ここまでやるのかと思ったのが、「ガンプラ」とのコラボレーション。この「びっくら?たまご」の発売元はバンダイであり、同社のシンボリックアイテムといえば「ガンプラ(ガンダムのプラモデル)」である。

 なんと言っても「ガンプラ」は1980年の販売開始から現在まで累計7億個以上も出荷している世界的なヒット商品。「びっくら?たまご」の記念すべき20周年のタイミングで、いよいよそのバンダイ商品の象徴とのコラボを果たすことになったわけである。

 今回のコラボ商品では「びっくら?たまご」のたまご型入浴剤から球体ランナーが出てくるようにしている。球体ランナーとは何か。ランナーはプラモデルの個々のパーツが連結されている“枠”の部分のことをいい、それが綺麗に球体になっているというわけだ。

 この商品ではたまご型入浴剤が溶けるとそれが出てくるので、解いて組み立てると、全長30mmのminiガンプラが完成するという。驚いたことにそれと一緒に、ガンプラ「ENTRY GRADE 1/144 ストライクガンダム(グランドスラム装備)」が組み立てられるランナーが同梱されていて、ファンにはたまらない要素が盛り込まれている。

5.常に上をいく遊び心が20年の歴史を作った

 「びっくら?たまご」がいかにして20年の間に、ファミリーのお風呂場に浸透したかの理由が見えてくるのではないか。とことん風呂をきっかけに楽しめるかというベクトルを追い続け、それを彼らおもちゃ会社なりに消化している。そこに「びっくら?たまご」が20年、やってこれた理由があるような気がする。失礼ながら、最初の頃は、当時、チョコの中にマスコットを入れるというヒット商品があり、それをお風呂にアレンジしたしたアイデアだと思っていた。

 でも、ここまで読んで貰えばわかるだろうが、今やその影はない。それは、バンダイというおもちゃ会社ならではの好奇心を駆り立てる、遊び心がもたらした賜物なのである。独り立ちした「びっくら?たまご」はもはや名実ともに、バンダイの土台を固める商材になったことを意味する。

 たかがお風呂、されどお風呂である。彼らは、これらを武器に、お風呂の次元を超えたドラマチックをどれだけ生み出せるのか。ニヤッとさせる創意工夫にこれからも期待したい。

 今日はこの辺で。

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