京土鈴 京ことば へ敬意を込め ものづくり
遊び心のあるクリエイターに出会った。torinokoといい、人間味あふれるデザインが多く見られるのは彼らの姿勢によるものなのだろうか。僕が興味惹かれたのは「 京土鈴 」である。奥ゆかしい 京ことば へのリスペクトとクスッとさせるユーモアと ものづくり 精神に心そそられる。
手前のナマズのような形をしているのは鈴であり、「はい、はい、ナマズねぇ」と思って名前を見ると「いけず」であると聞いて、ニヤリ。これは京ことばのニュアンスを楽しみながら、それを文化として残していけるようにと、縁起物と掛け合わせたわけである。
なまずは、地震を感知することから守り神とも言われており、意地悪な地震から守るという意味で「いけず=意地悪」。実は鯰(なまず)という漢字には粘るという意味合いもあって、願いが叶うまで粘り強く応援してくれる、そんな意味あいを込めているのだという。
ちなみに、隣はカッパをモチーフにした「さらっぴん=新品」。カッパは商売繁盛などの守り神。皿を取り替えることを起源とする「真っ新(まっさら)」という言葉にもあるとおり、新しいお皿を頭に乗せて、気持ちを切り替えていこうという意味がこの河童の鈴に込められている。
このようにして、彼らはその感性を持って「京土鈴」のコーディネイトをしていて、聞けば、どのプロダクツも「直接会って調べることから全てが始まる」としていて、現場に埋もれてしまっている問題や魅力を発掘するというのだからあたたかい。
そこから気づいたことを自分達なりに楽しさやユーモアを交えながら工夫し、具現化して販売まで考えていくというわけである。つまり彼らのアイデアはその裏側にある大事なことに気づかせるためのメディアであるというわけなのだ。
アイデアは誰かを笑顔にする力を持っていることを彼らから教わったのである。
今日はこの辺で。