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D2C 秘話 製品が語る サスティナブル nestwell

 先日、僕は渋谷の「MIYASSHITA PARK」にやってきた。nestwellというブランドに話を聞くためである。「 nestwell 」は サスティナブル に配慮したブランドだ。ネット通販を起点にする、いわば D2C。このブランドの製品は、全ての原料にリサイクルポリエステルから作られた糸を使用しているのが特徴。商品タグに関しても再生紙を利用するまでの徹底ぶりである。

ものづくり に自信を見せる nestwell

入口はものづくりの魂で良い

 「 nestwell 」は、ネット通販をベースにしている。つまり、ものを作り、直接、お客様に販売する。今流行りの言葉で言えばD2Cかもしれない。だが、何か違うものを感じて、「MIYASSHITA PARK」で、3月22日まで開催している「ポップアップショップ」で、その商品を実際に見て話を聞いてみたのだ。

nestwell

 僕が感じたのは「ものづくり」を手段にしていること。まずは「かわいい」「シルエットが魅力的」。そんな商品力を起点で引き寄せているということが挙げられる。

 商品そのものでお客様には楽しんでもらえばいい。使ううち、彼らが意図するサスティナブルなメッセージを伝えていくのだ。実は気に入ったその商品は特別な素材だと気づくはず。そして、商品への関心だったのが、そのブランドの志へとお客様の関心を向かわせるわけだ。

サスティナブルだからではなくまずは商品力

 サスティナブルだから、商品を買うのではなく、商品を買ううちに、サスティナブルの重要さに気づかせるという言い方だとわかりやすいだろうか。それを思ううちに、僕は「良いものづくり」はメッセージを伝える為の大事な手段になるのだなと思った次第だ。

 それをみながら、僕は最近、元気を失いがちなものづくり産業って、実は、ものを作ること自体が目的になっていて、良いものを作ってそこで完結させていないだろうかと。あともう少し先を見据えて、自分たちの商品力で挑むことが大事なのではないかと思ったのだ。

店内に潜入 モコモコ素材に魅了される

 さて、店を案内してくれたのは、このブランドを手がける株式会社カリテス デジタルコミュニケーションディレクター 高橋 里さん。写真はトップスで「部屋着として使えますし、外で羽織っていただいても自然なデザイン。触っていただくとわかりますが、モコモコとして触り心地が良く、着ているだけでも気持ちいい」と話す。やっぱりまずは商品力の高さから入るわけだ。

確かに軽く触っただけなのに、その感触はずっと手に馴染む。また、商品自体もうまく設計されていて、下写真の商品は実はフリーサイズ。155センチ、160センチ、165センチという具合に、店内では3タイプの女性に着てもらった写真を添えて、どのサイズの人が着用してもしっくりくるようなデザイン性をアピールしている。

 ただ、この裏側には、無駄に商品を作らないというサスティナブルの精神が宿る。どのサイズでも可愛らしく見える商品力、デザインとともに、共存している事が、新時代の「ものづくり」にこだわるメーカーたる所以だろう。

一つのサイズであらゆるサイズに対応
一つのサイズであらゆるサイズに対応

ランドリーネットにポリシーを感じる

 そして、高橋さんが「nestwellで買ってくれた人にはこちらをお付けするんです」と取り出したのが、ランドリーネットである。先ほどから触れているようにこれらの製品は素材が繊細。だから、お客様にはこのネットに入れて洗うことを推奨して、無料で差し上げている。

 素材のチョイスに始まり、長く使うことを配慮したランドリーネットの存在。商品力とメッセージが一貫して繋がり、ブランディングを形成しているのである。ここまですることで、買ったお客様はこのブランドが何に拘っているかに気づくことになるだろう。

着心地の良さとメッセージが程よく調和

 ブランドへの想いが強いからこそ、リアルもまた意味を成す。高橋さんは「見て、触って、ネットだけでは伝えきれない私たちのこだわりを、自らお伝えできることは大きい」。そうこのポップアップショップをやったことの意義も口にした。そうやって深く、心に届くよう丁寧にその商品力とメッセージを共存させて、いろいろな側面から伝える工夫をしようとしている。

 気付かされたのである。「ものづくり」はものを作ることが目的ではないと。そのものづくりを通して「何を伝えるか」なのだと。でも同時に「何を伝えるか」は「ものづくり」のイズムなしにはあり得ない。表裏一体だから、D2Cなんてありきたりの言葉で片付けたくなかった。彼らの姿勢から、僕はこれからあるべき「ものづくり」の姿を学んだのだから。

 今日はこの辺で。

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