Mayuranoir の 指輪 が語る アンティーク の奥深さ
「国内製に拘っているんです」。思わず僕は「ということは山梨ですか?」尋ねた。指輪を手にしたそのスタッフは「はい!そうなんです」と答えてくれた。アンティーク ジュエリーブランド「 Mayuranoir 」のオーナーであり、デザイナーの吉田麻由良さんと話して、アンティークの奥深さを知った。
アンティーク で Mayuranoir の指輪の価値が一層、生きる
1.気品漂う19世紀のヨーロッパのエッセンス
そのアンティーク ジュエリーは、少し前の時代を彷彿とさせる。どことなく、気品が漂うデザインであり、煌びやかな天然石が印象的である。19世紀ヨーロッパのエッセンスが深く込められていて、職人の愛を感じる。
それは、吉田麻由良さん自身が、フランスのパリへ仕事で訪れた時のことがきっかけだ。古びた指環に出会い、目が離せなくなった。そこで、アンティークジュエリーの魅力に惹かれたのだ。想いは尽きることなく、自らのお金でブランドを立ち上げた。当然、自らデザインをして、商品を販売するに至り、多くのファンに恵まれたのである。
2.こだわりは、天然石を支える爪にも
写真の指輪は「Mélisande(メリザンド)」と言う。大粒のメインルースの周りを淡水パールで囲った。注目すべきは天然石を支える爪である。
爪が尖っていないのだ。ここにユーザーへの配慮がある。「もし尖っていれば、ストッキングに引っかかるでしょ?」と。自らの指輪で、伝線させてしまうことがあってはならない。そこに価値が生まれている。「恐らく海外製であれば、これはできない」と。彼女は、繊細に爪を削って丸みを持たせ、それを馴染ませた。
3.Mayuranoir は職人想いでユーザー想い
実は、ジュエリーというのは、その多くが山梨で作られる。工房が多く存在し、職人も多数、在籍している。だから、彼女またそこに足繁く通うという。職人の魂と触れ合い、商品力を高めるのだ。
彼女は、海外のアンティークのテイストに惹かれ、今に至る。だから、それをデザインに取り入れる。ただ、それだけではなく、一方で日本の職人技を上手に取り込んで、未来へ繋ぐ。それはもはや、オリジナリティを持った独自の価値である。
4.アンティークはずっと繋がる
一つ、職人を大事にする理由がある。それは、アンティークの魅力とも直結している。実は、彼女は使ってもらった後のことも頭に入っている。
アンティークのジュエリーは、古さゆえ、何か不測の事態が起こりうる。つまり、常に修理できる環境を用意しているのだ。
アンティークジュエリーの魅力は、いつもお客様と寄り添えるように、という精神が裏に根付いている。それは、気心のしれた職人だからこそ、なし得ることだ。つまり、お客様のジュエリーは年を追うごとに、修正を通して、魅力的な輝きを放つ。それもまた、彼女曰く、アンティークの魅力だと話す。
ジュエリーは長い付き合いになる。だからこそ、価値あるものを、選ぶべきなのである。
今日はこの辺で。