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今後 企業 は“広報”感覚が必要な理由

広報

 企業 がメッセージを伝える手段としては「広告」が一般的。だが一方で、メディアに興味を持たせてしまう企業もあって、それができているのは“広報”の力が作用している場合が多い。様々な企業と話す中で、広報について僕自身、聞かれることも多く、そのやっている中身に焦点を当てようと思う。RooMooN株式会社 代表取締役 浜内久乃さんに「企業広報とは?」をテーマに取材を行ってみたのだ。

企業 広報 とはなんぞや

 浜内さんはC Channel株式会社などで広報を経験したのち、今はRooMooNを立ち上げ、複数企業の広報PRやコミュニティマーケティングを支援をしていて、女子大生・女子高生マーケティング集団「Trend Catch Project」を運営するなど、活動は多岐にわたる。その点、広報や「伝える」プロフェッショナルであるから、聞くのに適任だと僕は考えたのだ。

 まず、「広報」を語る上で「広告」と混同している人が少なくないので、その違いから、考えたい。浜内さん曰く、共に伝え届ける手段としては同じであり、どちらも大事であるとした。ただ、「広告」はお金を払い、その会社が優れていることを自分で自分をアピールする側面が強いのに対して、「広報」はお金が払われない代わりに、いかにして第三者からその会社の情報について取り上げてもらえるか、という点で大きな違いがあるのだ。

 中には、「広告」的な期待をして「広報」を入れるという傾向も少なくないのも事実だ。その場合、「何件メディア露出を実現させ、何件受注につながったのか」などという具合に目先の目的が設定され、それは広報ではないと声を大にして彼女はいう。第一に、明確な違いを会社側がわかっていることが重要だろう。

 広報的な見地で見れば「メディアの特定」は重要で、相応しい情報を適切なメディアに伝えなければならないし、また「今の社会情勢」が会社の事業などにマッチしていなければ、取り上げられないので、広報は広告と、考える視点も全く違ってくるわけだ。正しいやり方で進めていかないと無駄骨になる。

どこから始める?企業広報

 では、何からはじめたらいいのだろう。

 まず発信する習慣がないのであれば、プレスリリースを定期的に打つというところから始めるのがベターである。そしてプレスを打つ為には何かネタ的なものを作らなければいけないし、合わせてタグライン(企業のコンセプト)など企業のメッセージの統一をしていく必要性がある。

 ただ、ここで彼女の話を聞いていて、僕が思ったのは、最終的にはプレスリリースを書くことに至るわけだが、書くことそのものよりもプレスリリースを書くだけの必然性を社内に生み出すことに広報としての価値があるのだろうと思った。

 つまり「プレスリリースを何本書いてね」では、ことの解決には至らないということ。それを踏まえて、広報の行動がどうあるべきかを浜内さんに聞くと、「社内外とリレーションを築く」と集約して、その中身を説明してくれて、僕はすごく腑に落ちた。

 つまり、「一方的に発信するのではなくて『関係』を作るということが第一で、まずは相手の声に耳を傾けることが大事。そうやって信頼関係を築いて対話を積み重ねていく。それが広報で一番、大切な役割です」と続けた。これは社内外問わずの話である。

その具体的な中身は、関係構築である

 だから、その仕事の中身はまず外部からの情報を吸収し、その上で外部で知り得た情報を社内で共有したり、社員に向けて社内広報をしていく、ということになってくる。

 また、大きい企業だと部署間同士、情報が行き渡っていないというのが少なくないので、様々な部署と関わりを持ち、そこの間を取り持って、社内でうまく連携を取りやすい形へと仕向けていくわけだ。

 最後の最後に一番メインで、メディアに取り上げてもらうために、発信していく。ここで、初めて「プレスリリース」というのが出てくるわけである。

社内での関係構築は考えを整理するため

 浜内さんは前職でも、社長と頻繁に打ち合わせを行い、その会社の事業が誰にどんな価値をもたらすのか、という部分を膝突き合わせて、確認してきた。

 思うに、人は自己紹介をするのが案外、難しいように、いろんな情報があるから、端的にポイントを抑えて話せるものではない。自分の考えをうまくまとめきれていなかったり、その時その時で、その考えをアップデートしていたりするから、彼女のような「対話」が肝になってくるのであろう。

 だから、「週何回、話せばいいの?」という問題でもなく、関係性の度合いにより、その頻度は当然変わってくるだろう。ともかく、広報はそこで上手に聞き出し、まとめて「考え方」を整理する中に価値があるのだ。

広報に相応しい人材とは?

 では、広報にはどういう人材が相応しいのか。その点、彼女は、経営課題や会社全体のゴールを整備できる人と述べた。つまり、メディアに載せてもらうことがゴールではない。載せる前提として、ゴールを一緒に整理をしていくのだと強調した。

 IPOを目指したいのであれば、「IPOを目指す上で3年間かけてこうしていくけど、その為に1年間はこういう計画でいきましょう」とか「サービスの会員を増やしていきたいのであれば、競合を分析して圧倒的一位を取る為にこういうことをしていきましょう」といった具合に、会社全体のゴールを整備できる人にこそ広報が向いているという。

 すると「とりあえず、広報を任されたからメディアへのアプローチ幾らでやります」といった感覚がいかに間違っているかは言うまでもない。会社もそうだが広報側もその意識が大事だ。

プレスを打つ為に必要な前提部分

 「広報」がそもそも存在しない会社においては、広報部門を作っていくというところからやる必要があり、上記を踏まえるなら、ブランドブックを作り、タグライン(企業のコンセプト)とかを設定するところから始める事になる。

  彼女がいたC Channelであれば、「女性向け動画メディア」というタグラインを作ったところから始めて、そこを軸にバラバラに発信されていたイメージを統一していったわけなのだ。

 すると、プレス何本とか、の話ではなく、「いつまでにどういうことをやるのか」という長期的な視点が重要になってくることに気づくだろうか。あとは、そのスケジュールに沿って「やるべきことをやっていく」。それが広報の主な仕事内容になってくるのである。

スケジュールを決めて地道にそれを追っていく

 彼女曰く、そもそも無名な会社と、超有名企業が同じことをやっても注目度は全く違うから、大きく取り上げてほしいという段階になってから動き出すのでは遅い。だからこそ、そういう長期の視点に立って、日頃から地道に発信を積み重ねていくことの重要性があるのだ。

 それは外との関係性づくりにおいても同じで、人間である以上、会話をしているほど、信頼の度合いは違ってくる。その意味でも広報は一朝一夕でできることではなく、発信なりを通して、少しずつ浸透させていく。

 視点を変えれば、営業的色彩もあるが故、広報が営業と兼務することの可能性も企業によっては見られなくはないが、「どちらかといえばマーケティングと兼務をした方がうまくいく率が高い」として浜内さんの見解は、やや難色を示した格好で、それは僕も素直に共感できた。

 思うに、営業は「商品を売るために、取引先にとっての最適解を示して、相手に解答を求める」のに対して、広報は「もっと世の中の動向などを俯瞰しながら、その商品が必要なものだと自然に気持ちを抱かせる」という点で、そもそものベクトルが違うように思うからだ。僕自身、メディアとして広報から提案を受け続ける立場で感じていたことでもある。

あるべき企業像は広報と共に形成される

 世の中を勉強し、また、社内のことを深く理解しながら、自分なりに咀嚼して、「この会社はこういう企業像なのではないか」というのを可視化して、それを先頭に立つ社長や各部署と確認して、すり合わせをしていくこと。その積み重ねが、会社としてのカラーになる。

 そこには、会社として、大きな経営課題なりゴールなどを見据えてこそできることだから、広報がやるべきアプローチを、そのスケジュール感から逆算して、組み立ていくことで、その仕事の中身は見えてくる。

 いずれにせよ、その根本にあるのは、社内と社外の両面からの“リレーション”。社内を変え、社外に伝わりやすくすることで、メディアは振り向きやすくなり、認知度の向上とともに、その企業が安定的に記事を掲載されるようになっていくわけである。

 即効性があるわけではない。だからこそ早い時期から取り組む必要性も感じたし、それが長い目で見ると、取り組む意味合いも感じる。今こそ、情報が乱立する中で、その企業として在りようが問われているから、その広報としての役目はこれから重要なのではないかと思うのだ。

 今日はこの辺で。

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