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ニコニコ超会議2025レポート|サンエックスの新挑戦とうごめくサブカルの熱気

 今年もまた、あの季節がやってきた。春の幕張メッセに、サブカルチャーを愛する人たちが集い、笑い、踊り、語り合う。ネットとリアルが交差するこの場所──ニコニコ超会議は、単なるイベントではない。ここには、人の情熱、文化の進化、そして「好き」という気持ちがぎゅっと詰まっている。

 2025年、僕はその熱狂のなかへ飛び込んだ。歩けば出会う、懐かしい顔、新しい挑戦、そして未来への希望。ここから始まる物語を、今日はあなたに届けたい。

ニコニコ超会議とは?──ネットとリアルが融合する場所

 「ニコニコ超会議」とは、動画配信サービス「ニコニコ動画」から生まれた、ネット文化とリアルイベントが融合する日本最大級のサブカルチャーイベントだ。毎年春に幕張メッセで開催され、配信者、踊り手、実況者、コスプレイヤー、アーティスト、企業までが一堂に会し、コンテンツの垣根を越えて交流する祭典である。

 2000年代後半、ネット上で生まれた新たな文化──コメント文化、二次創作、踊ってみた・歌ってみた──それらをリアルの場で体験し、広げようとする試みは、年々規模を拡大。

 近年は一時、著名人や政治家、スポーツイベントなどの”プロ”コンテンツも入り混じったが、2025年は改めて、ファン主体、ネット発コンテンツの原点回帰を感じる空気だった。そこには、”同じ価値観を持つ仲間”と出会い、交わる、特別な熱量が満ちていた。

おーい!手を振るあの人は──始まりの風景

 熱気立ち込める会場のなか、「おーい!」

 大勢の人波の向こうから大きく手を振る人影。駆け寄ってきたのは、京都発のお茶ブランド「ごえん茶」の柴田さんだった。笑顔も変わらないが、その手の中には、この数年で育んできた努力と成果がしっかりと握られていた。

 そんなふうに、かつて出会った仲間と偶然再会できる──これも、ニコニコ超会議ならではの楽しさだ。文化祭のような高揚感。学園祭のような親密さ。その始まりに、僕の胸はすでに熱くなっていた。

サブカル原点回帰──ファンのための祭典へ

 会場を歩いて感じたのは、明確な変化だった。以前の超会議は、プロの芸能人、スポーツ選手、政治家まで登場し、いわば”拡張フェーズ”だった。しかし今年は違う。

 主役は、ニコ動を愛してきた配信者たち。踊り手、実況者、MMDクリエイターたちが中心になり、来場者もその空気を心から楽しんでいた。身近な存在たちが、思い思いにステージを盛り上げる──そんな原点回帰の姿だった。”プロ”ではない。”好き”を武器にしてきた人たち。その躍動が、この空間にリアルな熱を灯していた。

ごえん茶ブースで再会──魔改造されたお茶への挑戦

 柴田さんとの再会がきっかけで、僕は「ごえん茶」ブースに引き寄せられた。

 ごえん茶は、もともと小さな「お茶入りメッセージカード」からスタートしたブランドだ。数年前、初めて取材した頃は、手作業に近い形で心を込めて商品を作っていた。(当時の記事はこちら

 それが今、なんと工場を”魔改造”し、小ロット生産対応を実現。ほぼ無限に近いカスタマイズ性で、個人の推し活にも、イベント需要にも応えられる体制を築いていたのだ。

 この日も、会場限定オリジナルごあいさつ茶や、推し色に合わせたティーバッグセットなど、細やかな工夫が光っていた。小さな証券(チャンス)を一つも見逃さず、着実にファンを喜ばせる工夫を積み重ねる。

 「人の気持ちを、お茶に乗せて届ける」──その原点は変わらず、しかし形は大きく進化していた。

サンエックス ユニットふぇすた──キャラ愛が形になる瞬間

 続いて向かったのは、サンエックスブース。「ユニットふぇすた」という、サンエックス初のファン参加型イベントが開催されていた。アンバサダーは、女優でタレントの山之内すずさん。小学生時代からニコ動文化に親しんできた彼女が、満面の笑みで語る。「ニコニコの世界に育てられた」と──。

 リラックマ、えびふらいのしっぽ、いしよわちゃん。紹介されるキャラクターたちとすずさんの自然な対話は、観客にも温かく響いた。

 そして、ファン投票で選ばれたユニットたちがステージに登場。すずさんと一緒に踊るTikTokダンス。キャラたちと目を合わせながら「頑張ろうね」と呼びかけ合うその光景が、アットホームで、ほんのり居心地の良さが漂う。

 サンエックスのキャラクターは、ただ可愛いだけじゃない。”誰かに寄り添う”温かさと”共に生きる”強さを、そっと届けてくれる存在だった。

うそ探偵トマント誕生──サンエックス×ファンワークスの挑戦

 ブースを離れ、少し時間を置いて再び覗きに行ったそのとき、偶然、ファンワークスの高山さんと再会した。

 彼が教えてくれた新情報──それが「うそ探偵トマント」だ。

 トマトのように赤いキャラクター、そして”まっ赤なウソ”をテーマにした”かわいい×ミステリー”の新ジャンルアニメ。プロデュースは『名探偵コナン』の諏訪道彦氏、脚本は『妖怪ウォッチ』の加藤陽一氏という超豪華布陣。

 元々、サンエックスとファンワークスは映画『すみっコぐらし』で深い信頼関係を築いてきた。今回もその連携が結実し、文具系キャラクターの枠を超えた”ストーリーを持つキャラクター”を生み出そうとしていた。

ニコ超という場で、こうして生まれたばかりの新たな命に出会える。これ以上ない高揚感だった。

文化祭のような、あたたかい出会いの連続

 改めて思う。このニコニコ超会議という場は、”お客さんと出展者”という関係性ではない。お互いが、手作りの出し物を持ち寄る、学園祭のような空間だ。

 ごえん茶も、サンエックスも、ファンワークスも。 商品やキャラクターの向こうに、それを作った人たちの”想い”が確かに見えた。だから、歩くだけで自然と人の物語に出会う。

 人は人に惹かれる。そして、その背後にある努力や情熱に心を打たれるのだと、僕は再確認した。

まとめ──ニコ超で出会った、たしかな温度

 サブカルの熱狂、文化の進化、人と人との出会い。そこにあったのは、単なる商業イベントではない、温かい”生きた文化”だった。

 サンエックスの挑戦、ごえん茶の進化、ファンワークスの未来への布石──すべてが、胸の奥に”また来たい”という小さな火を灯してくれた。ニコニコ超会議は、単なるイベントじゃない。そこに前向きに挑戦する人たちの”今”を映し出す、かけがえのない場所だ。

 また来年、ここで新しい出会いに出会えることを、僕は心から楽しみにしている。

 今日はこの辺で。

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