魔法の世界へと誘う ハリー・ポッター マホウドコロ 作品の雰囲気を醸し出す店内と引き立つ商品力
「ハリー・ポッター」と聞けばその作品のイメージはつくだろう。同作品をはじめとしてその前の時代を描いた「ファンタスティック・ビースト」を含めてそれらは「魔法ワールド」と呼ばれる。そのシーンを連想させる商品の数々を、「ハリー・ポッター マホウドコロ 赤坂 Wizarding World Street店」は内装と共に上手に魅力を引き出しながら、ファンタジーの世界へと人々を誘うのである。
ハリー・ポッター マホウドコロ 赤坂に出現
1.幻想的で魅力的な世界観
「ハリー・ポッター」をはじめとするこれらの作品は小説に始まり映画化されて、多くの人に知られる事になった。この夏から舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』の上演が始まる。この店は赤坂Bizタワーの周辺にある。タイミングを同じくして、すぐ近くにあるTBS赤坂ACTシアターで、舞台の公演が予定されているのだから、否が応でも気分は高揚するだろう。
「ハリー・ポッター」という作品自体は既に完結していて、原作本が刊行され続けているわけではない。それでも支持され続けるその理由は、個性豊かな登場人物やそこに広がる幻想的な心惹かれる世界である。その魔法の世界はファンにとって霞むことなき、永遠の世界なのだ。それに呼応するように、これまでそれらの世界を彷彿とさせる多くの商品が販売されてきた。
2.世界観を活かすべく工夫を凝らした店内
今回のショップは既に売られている商品に加え、昨年から開始されたオンラインショップ「ハリー・ポッター マホウドコロ」で販売されているものなどを揃えたファン垂涎の店なのである。ただ、店としては単純に舞台のお土産さながら、商品を扱うだけで済ませようとは微塵も思っていない。
天井を見上げれば、金のスニッチの照明など、ファンならずとも惹きつける演出の数々。9と3/4番線のカートオブジェのフォトスポットなど、世界観を重んじる為の工夫のあとがよく見られる。
この内装だから商品が様になる
1.作品を彷彿とさせる杖のディティール
だから、何気なくその場に、魔法の杖があっても、少しも違和感がない。
この杖も販売されている。キャラクターごとに異なっていて、作品に忠実なレプリカである。だから、この世界観の中で、それを見ているだけでも、各キャラクターにまつわるワンシーンを思い出すというわけだ。
「実は、こちらはこのお店の限定商品なんです!」とスタッフに案内を受けた(下写真)。それらの杖とは別の仕様らしい。おもむろにその店員がこの杖に向かって声をかける。
すると、杖先が光り出した。音声認識になっていて話す言葉により、光り方が変わる仕様なのだ。(「音声認識 魔法の杖 ハリー・ポッターver」)子供たちなどにおいてはこういうギミックも心を誘う要因となり、商品作りの側面からも店を後押し。その戦略に抜け目がない。
2.あなたも寮生に
杖をもてば、その衣装に身を纏いたくなって、その世界を味わいたい。店の奥に目を向けると、しっかり劇中、寮生が着用している「ローブ」もハンガーにかかっている。
新商品として、4寮のローブとTシャツが新たに登場したのだそうだ。店のオープンに合わせて気持ちを駆り立てる要素が随所に散りばめられている。
「ローブはハロウィン等イベントでも結構、着ている人が多いんですよ。これとセットにするとより雰囲気が出ます」と同スタッフ。そう言って教えてくれたのは新商品の自信作「寮生ケープ」。確かに、上からこれを羽織れば、もう気分は寮生である。
商品ひとつひとつ、こだわりがあるから話が尽きない。それに、ここには限定商品も含め、それがこの店では800点あるというのだから、それも当然だ。いずれもそれら「魔法ワールド」の世界観を今一度、思い起こさせてくれ、それぞれに心奪われるツボを押さえていて、内装と相まって時間を忘れる。
3.アクセサリーも忠実かつ美しい
圧巻だったのは、タイムターナーをモチーフにしたアクセサリー。作品を知らずとも、惹かれるほど、オシャレな仕上がりであって、プレゼントに最適ではないか。
その横にはアクセブランド「Q-pot.」とのコラボもあった。「Q-pot.」をご存知ない人もいるだろう。彼らはアクセサリーの世界にスイーツモチーフを持ち込んで、美しさの中に可愛らしさをもたらした。その表現は多くのファンを唸らせ、一躍名を馳せた人気ブランドである。そこともコラボして、彼らがその世界観をどうやって作品と組み合わせるのだろうと見ていたら。なるほど、こうきたか。写真を見てほしい。
クリームがヘドウィグである。その他、モチーフをマカロンにして、その色合いで「グリフィンドール」などの寮のカラーを表現する、なんて遊び心も。作品の世界観を美しさの中で調和させていて、見事だと思った。
バランスも絶妙で陰と陽と言ったところでこんな商品も。死の秘宝や闇の印をモチーフにした、物語に込められた勇気や友情に潜むイメージに潜む闇を形にしたアイテムである。
4.茶目っ気たっぷりのお菓子も
その一方で、この作品には子供の好奇心をそそる茶目っ気に溢れているのも特徴。僕が思わずニヤリとしたのが「バーティボッツ百味ビーンズ」。チェリー味などの定番の味は当然ながらあるとして、耳垢味、ミミズ味など、奇抜なものも。何が当たるかドキドキしている様を思い浮かべるだけでも楽しい。
5.見た目可愛く実用性に富んでいる
それでいながら、実用性を伴う商品を入れているのがさすが。こちらは雑貨のような形状をしているが、チャックを開けると中からエコバッグが出てくる仕様。可愛さと実益を兼ねたナイスなアイデアである。
6.空間をフルに活かした想いある空間
ざっとお分かりいただけただろうか。その敷地面積50坪。それを内装、陳列など存分に活かして、改めてそれら商品に込められた想いを引き出すわけである。
ショッピングを楽しみつつ、その雰囲気を堪能し、時に、フォトスポットで撮影して、その楽しみをSNSなどを発信して、皆と共にこの作品を通して幸せ感を共有する。これぞ、コンテンツの魅力であり、リアルの店の真骨頂。
こうした店の演出が、より想いを持って商品に接する機会を作り、持ち帰ってなお、各メーカーの各々開発にかけるこだわりを知ることとなる。
購入に至るまでの過程を大事にしたい。そういうお店の想いが成せる技だ。近くで行われている舞台に負けず劣らず、記憶に残る名所の誕生である。できる事なら、映画や舞台のその余韻に浸りながら、足を踏み入れることをお勧めしたい。さすれば、それもまた一層、特別な時間になりうる筈だから。
今日はこの辺で。
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