法政大学 学生 による コロナ禍 キャラ プロデュース 舞台裏
コロナ禍は人を悲観的にさせる部分もありつつ、人に新たな気づきを与えるのも事実である。それを 法政大学 経営学部 小川孔輔ゼミナールの 学生 から教わった気がする。今年の学生は新学期から夏まで、オンラインで授業を受け、仲間同士の交流もない中で、肩を落としがちだが、この学生たちは今自分達しかできない挑戦を見せた。コロナ禍の時間を費やして独自の キャラ プロデュース をして世に放つ。
法政大学 学生 による キャラ プロデュース はコロナ禍で試行錯誤
僕が取材した生徒達は前期班長の齋藤梢之介くん、後期班長 葛西理彩さん 中本理香子さん、前田早貴さん、木村廉くん。株式会社レッグスと「キャラクターをゼロから生み出そう」という話に至り、キャラクターを知るべく、その道の著名人を講師に招くなど積極的な動きを見せていた。そこから得た学びは、自らのキャラクター開発に繋げ、最終的な到達点としては、LINEのスタンプを世に送り出すことだ。
聞く限り、その授業の中身は本質的で、例えば最近のキャラクターの流行りは可愛らしい見た目に反して言葉使いが変だったりと、その「ギャップ」を楽しむ傾向があるとか、食べ物と動物など何かしら「掛け合わせ」することで、その個性と可愛らしさを表現しているといった具合。聞いている僕もなるほどと思うものばかりで、人気キャラの共通項を洗い出し、それをヒントにオリジナルを生み出そうというわけだ。
そして、キャラクターを作るにあたり、そのターゲットを自らと同じ大学生に設定した。「大学生のことって大学生にしかわからないし、大学生の為のスタンプなら、面白いものが作れるんじゃないかな」と語っており、それは的を得ている。そのほうが真にターゲットに近いメッセージを発信できる筈だ。
いかにして キャラクター プロデュースを
さて、どんな「掛け合わせ」をして、どういうキャラクターを作るか。ベースに選んだのは「動物」。理由は見慣れている分見た目と中身のギャップが出しやすいからで、その代わり珍しいものを選ぶことにした。
とは言え、男女複数いれば価値観も多様で珍種を一つ選び出すのも大変だったが、選ばれたのはハリネズミ。この選定過程がコロナ禍ならではの話で「リッカード尺度」を活用し、要は選択肢それぞれに5段階評価をつける。
リアルのような膝を付き合わせた議論が難しい分だけ、彼らなりの公平な判定基準を見出したところに、頼もしさを感じる。
そして、試行錯誤の末、ハリネズミと「芋」を結び付けて表現することに辿り着く。そのきっかけは「芋女(イモオンナ)」というキーワード。
僕が「芋女?」と聞くと「そうです。友達の前ではキラキラ女子でも、家では垢抜けてない野暮ったい女子ということはなくはない。この冴えない状態を芋女というんです」と。そんな芋女なんて…と検索してみたら、確かに出てきた。知らなかった、すまぬ。
しかも、彼らは女子大生約150名にアンケート調査を実施して、7割弱の女子大生がオンとオフの差が激しいことを実証。視点の正しさに胸を張って見せた。
そこで、冴えない姿を「芋女」というのに掛けて「サツマイモ」、キラキラ女子を「スイートポテト」と例えてキャラクターに反映。ハリネズミは全身が芋となる事でそのオンオフを表現し、その二つの見た目は対照的だ。
いもやまはり子 女子大生キャラの誕生
名付けて「いもやまはり子」。ここに女子大生キャラクターの誕生である。このキャラクターを通して今の大学生の姿を投影できるとすれば、僕はコロナ禍だけに画期的であると思う。実感のこもったLINEのスタンプは今、進行中であり、2021年1月末にはデビューとなる。
何気なくここまで書いてきたが、大学生がウェブ一つでここまでくるなんて、誰が想像しえたろう。これはまだ通過点だ。彼らは「キャラクターが作れたことで満足していた部分もあった。けれど、今日、この場で情報を整理してみて、このキャラクターを通して『自分たちが何を伝えたいのか』も大事だと思ったので、今の学年として残された時間で、それについて考えてみたい」という話を皆一様に述べてくれた。
彼らは確かにリアルに会い、充実感たっぷりに人生を謳歌できていないかもしれないけど、替えがたい経験をしたのも事実。それもこれも彼らが行動してきたからこそで、それは彼らの強みとなり、経験はきっと未来に続く大きな糧となるだろう。今には今に「できること」がある。
今日はこの辺で。