Shopify ウォルマート 連携 Amazon への対抗策になる理由
先日 ウォルマート は米国eコマースビジネスについて、前四半期の合計で74%成長したことを発表したばかりであるが、更に次なる一手を打ってきた。それは Shopify と組むことで Amazon さながらに自らが多くの出品者を集めるマーケットプレイスになるということである。正式にShopifyとウォルマートの連携を発表したのである。
ウォルマート と Shopify 連携 で Amazon 風なプラットフォーム完成
結論から言えば、ウォルマートのオンラインストアに中小規模の店舗、ないしメーカーが商品をそれぞれ「出品」できる様になるというわけだ。BtoBtoCである。
以前より話している通り、Shopifyは独自のオンラインストアを作るための仕組みである。Amazonとよく比較される理由は、AmazonがAmazonという巨大なお店で販売することで徹底的に無駄を省いて顧客満足度を高めたところにあるのに対して、Shopifyは個々のお店のブランディングを徹底することで、顧客と個々のお店の関係値を深くして、顧客満足度を高めるところにあって、ベクトルが「異なる」からなのだ。
どうやってもAmazonは自らの事業を伸ばせば伸ばすほど、このShopifyのビジネスの領域には入りづらい。一方で、Shopifyはオリジナリティを追求する仕組みの徹底をするのだけど、逆に、彼らもAmazonの領域には入れないと思っていたわけだ。だが、そうではなかった。ここに盲点があって、そこに、ウォルマートは目をつけたわけだ。
ウォルマート eコマースが盤石になったからこその本領発揮
つまり、Shopifyの仕組みを通じて、ウォルマートはブランディングされた「オンラインサイト」を作ったことで、冒頭話した通り、急激な成長で存在感を見せている。過去の取り組みを見れば分かるが、ブランディングの確率だけではなく、その背景には物流などインフラへの投資も積極的に行って、ウォルマートなりのeコマースを確立していることがその人気の秘訣である。
その集客力とインフラは中小企業において魅力的であり、ここに自らの商品を「出品」したいと考える様になるわけだ。まさに、ウォルマートのオンラインストアが、プラットフォームとなって中小企業の商品の出品場所となり、Amazonがやっているマーケットプレイスと同じものを作れるということになったわけである。
Amazonと同じ考え方で、戦える土壌を整える
そして、ウォルマートは昨今のeコマースの成長でお客さんの数が増えているだけに、そこでの品揃えを豊富にしたいのであり、中小企業がここの出品したいという声とも思惑は一致するし、まさにAmazonがやっている様に、商品が充実すれば、トラフィックが増え、購入者が増え、また商品が充実するという、サイクルを彼らもまた実践できることになるわけだ。なので、このサイトで彼らは中小企業に呼びかけを始めている。
今回のShopifyとウォルマートの連携にはそういう意味合いがあり、オンラインストアが成長した後の未来像に新しい指針を示したことになる。つまり、オリジナルでオンラインストアを形成し、ビジネスが完結すれば、その先にはそれと同じ価値観を持った中小企業に対して、そのストアをオープンにして拡大できるということを示したという点で、この一歩はとても大きいのである。
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