デザイン は悩みを解決する Horiuchi Mirror で見せた フレームウェアという会社の挑戦
「売れるものって確かにデザインの美しさもありますが、日常に潜む不便に目を向け、それを解決する事にあると思います」。何気なく、フレームウェアという会社の方々と話をしていて、彼らのその言葉が響いた。そうか。デザインとは日常の問題解決なのか。
デザイン で悩みを解決した Horiuchi Mirror
きっかけはHoriuchi Mirrorという商品。本当に些細な事なのであるが、その鏡の高さが他にはできない絶妙な位置にあって、僕は惹かれたわけである。写真で伝わるだろうか。
化粧鏡というものにおいては、女性の方は経験があると思うが、その下にティッシュの箱や本を敷くなどして、高さを調節していたりする事が多い。
普通の鏡は大抵、左のものであって、これはこれでノーマルとして存在する。
ただ、この商品が違うのは、適切な高さになるように、商品自体を設計すればいいじゃないかと、彼らはその折りたたみ方に注目した。それを工夫することで、上記の絶妙な高さを実現した。よく写真を見るとわかるのだが、物理的にはなかなか不思議なところに、鏡本体がくる。(10センチ高い)。
だから、それを解決するのは、冒頭の言葉を借りるなら、デザインというわけだ。
好みに合わせて、パタパタパタとその折りたたみ方を変えて、二通りの高さ調節をして、使うわけである。まさに痒い所に手が届く。
テーブルが低くて高さが合わない時でもメイクがしやすい。そして、本体自体もしっとり落ち着いた質感の生地を使用しているのも見逃せない。僕はこの仕様に感心していると、スタッフの方はこう話したわけである。
「今まで自分達がそれを当たり前と思い込んでいたものでも、実は不便が隠れていたりするものなのです。我々は、そこを見出して、その解決策を形にして見えるようにすることがデザインの役目なのだと思います」と。
ちなみにHoriuchi Mirrorという名称は実はその名を耳にしたことがあって、デザインと切り離しても注目されている素材。何が違うのかというと、通常の鏡はやや色味がかっているのであって、本当の肌の色を映し出しているとは言えないけど、Horiuchi Mirrorは独自の「ナピュアミラー」という特許を取得して自然で純粋な色合いを作り出すという鏡であって、それで僕は知っていたのだ。
ただ、その鏡でこういう仕様の商品を出して、工夫しているとは知らなかったし、それに関連して、女性の気持ちを反映させて、その鏡としての価値を最大化させている事に、デザインの意味と深い感銘を受けたのである。
カレンダーにもあそび心を
フレームウェアの手にかかると、カレンダーもこういう遊び心につながるんだなと思ったのが、アクリルの台座にカード型の卓上カレンダーを差し込む「クララ デスクカレンダー」。一月分のサイズのアクリルの台座とそれに乗せる卓上カレンダーのセットである。
カレンダーが部屋のイメージにマイナスに作用する事だってありますよね。だから、馴染むようにインテリア的に。サイズ的にもw54×d81×h83mmでどこにも置けるのと、横に並べて使うことをもイメージしてデザインしているので、2個、3個と色違いなど買えば、写真のようにバラエティ豊かに楽しめる。
台座となっているアクリル素材は、カードの色に合わせて染色している事に気づくだろうか。それ独自の淡い透明感で、光の当たり方によって表情が変わる設計。2年目以降は、このカード型のカレンダーを買うだけで、台座はそのまま活かして、毎年、使うことができる。
カレンダーと合わせて、彼らはインテリアの一部として、ネームスタンプも作成していて、部屋に馴染む仕様になっているのが特徴。
正直言って、色々な企業と話をしていると「とりあえず、他の会社で売れているもの、作っているものを自分達も作ってみよう」という企業が多い。まして、データ利用がしやすいこの時代にあって、それに拍車はかかっているけど、大事なのはそれらデータを受け入れて、人間自身が咀嚼して、想像力で挑むことなんじゃないかと思う。
デザインは日常を解決するのである。見た目だけの問題ではない。
今日はこの辺で。