Rakuten Fashion Week Tokyo いつかその未来に意味があったと言われる今年であるように
経済圏としての与える影響が大きくなるにつれて、様々な使命を抱えることになる。楽天で言うと使命に共通するキーワードは“エンパワーメント”だろう。先程、僕はRakuten Fashion Week Tokyo に関する記者会見にいて、これまでも「楽天市場」を通して、エンパワーメントをしてきた彼らではあるが、今使命感を持って、新たに“エンパワーメント”しようとしているのはファッションなのだと痛感したわけである。
ファッションを“エンパワーメント”する
1.Fashion Weekを契機に変貌「楽天ファッション」
「Fashion Week」は年2回、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークなど、ファッション都市で開催されているファッションの祭典であって、TOKYOに関しては、その名前が入っていることからも分かる通り、楽天がスポンサードしている。
今から2年半前だろうか、楽天は「Fashion Week」との関係が生まれ、これが実は彼らにも転機となっている。時を同じくして名前を変えて、そのイメージを一新したのが「楽天ファッション」である。その後、名だたるブランドがそこに名を連ねることになり、決算会見を見る限り、売り上げも伸びていてファッション業界にもその存在感を示し始め、楽天経済圏でも重要な位置付けとなった。
2.「byR」 に込められた“エンパワーメント”への想い
冒頭、書いた通りだが、“エンパワーメント”しようという姿勢はこのイベント内での取り組みを見ても分かる。彼らは新たに「by R」というプロジェクトを立ち上げていて、これこそがブランドやデザイナーが世界へと羽ばたく布石を作る心意気を示すものなのだ。
今回で言えば二つのブランド「TOMO KOIZUMI」「TOGA」のファッションショーをサポートし、それは「楽天ファッション」のサイト上で披露される。自らのサイトの成長を背景に、Rakuten Fashion Week Tokyoを自分達なりに盛り上げようというわけで勿論、「TOMO KOIZUMI」「TOGA」へのエールも兼ねていて、一連の動きのコアを示すものである。
3.デザイナーたちの才能に光が当たる
「TOMO KOIZUMI」(写真左)は2011年にデザイナーの小泉智貴さんが立ち上げたブランドであって、世界的なファッションスタイリストのケイティ・グランドさんの目に留まり、その翌月に、ニューヨークでファッションショーを行うなど、脚光を浴びている。
「TOGA」(写真右)はデザイナー古田泰子さんが1997年に立ち上げたブランドであり、最新シーズンではアーティスト ゴートン・マッタ=クラークとのカプセルコレクションをするなど、活躍の幅を広げている。彼らはこのイベントを通してまた新しい出会いに遭遇する。
新しい才能が羽ばたく
1.参加ブランド54組 そこには新しい可能性も
さて、今回のRakuten Fashion Week Tokyoでは、総勢54組のブランドが名を連ね、そのブランドの半分がこのコロナ禍でありながら感染対策を進めつつフィジカル(リアル)で参加するとしていて、この辺が前回とは少し違う傾向だ。
それがファンにとっても楽しみ方の幅を広げることになるだろう。主催 一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構はそう言って、その変化について歓迎の意を示した。
初参加のブランドも多い。例えば「blackmeans」は2005年、岐阜県の皮革衣料の縫製工場を起源にもち、2011年、独立を果たして、躍進を果たしたブランドだ。今回のイベントではランウェイショーに登場することでスポットライトが当たり、これが多くの人の胸の内を触発させることになろう。
2.今の時代を反映するキービジュアル
僕が特に関心を抱いたのは、今回から初めて用意した「キービジュアル」。未来を思わせる先進的なイメージで広がる東京の世界は、新しい時代の到来を予感させるものであり、それを手がけたのは、イラストレーター「がーこ」さん。
そこに同じく、新進気鋭のアーティスト「にしな」さんが印象的な曲と詩とで呼応する。また、自身の惹きつける歌声は、そのアニメーションを力強く引き立てて、視聴するものの感性に訴えかける。
僕はこういうコンテンツの価値も大事だと想うから、推したい。これらを含めた一つ一つが、ファッションの“エンパワーメント”と言って良いだろう。楽天市場で“エンパワーメント”させてきたその雰囲気とはいささか、その趣きは異なるけど、そこで舞う人々たちが躍動している点はどこか共通な気がする。ここには大きな活力があって、それが世界へと導き、燦然と輝くジャパニーズファッションが飛び立つ土壌でありたい。そして、飛び立つ価値が、その後、いつまでも意味のあるもので、語り継がれる今年でありたい。
まだ見ぬクリエイティブに人々が酔いしれるのはまもなく。
今日はこの辺で。