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DX 推進の裏で羽ばたく“読み方”のビジネス!?下町企業レムトスの野望

 お仕事には様々な可能性があって、今日は「“読み方”をビジネスにする」レムトスという会社のお話をしたい。「読み方?」と思った人もいるだろうけど、例を挙げるなら通販のコールセンターで重宝されている。オペレーターは案外、名前で苦労しているのをご存知だろうか?「いとう様ですね、漢字は・・」という時、活躍しているのが「漢帝Ver.5 シリーズ」。これが DX 推進の起爆剤となる?どういうこと?

DX で“読み方”が大事な理由とその背景

 例えばお馴染み「いとう」さんという名前一つにしても、ざっとわかる限りで異なる漢字で88種類、存在する。ウソ?いやいや本当である。

 だから「読み方」を正確に把握できないと、コールセンターとしてそもそものコミュニケーションが成立しないのである。そこで彼らが世の中の「いとう」さんの漢字のパターンを大筋、データとして持っていて、それが武器なのである。

 それ故、世の中に存在する、その読み方に対応する名前をパッと同時に映し出せれば、あとは漢字で絞り込むだけで良い。「井戸の『い』で、、」とお客様に説明した瞬間、「井」で使われる「いとう」さんはもう既に何個かに絞られている。この動画のように。これは勿論、「いとう」さんに限った話ではない。これですぐにその問題が解決すればどれだけ、世のオペレーターが助かるだろうか。

 その為に「漢帝Ver.5 シリーズ」を手掛けたレムトスという会社はそのデータを地道に一件、一件足で稼いできた。レムトス 代表取締役 金子忍さんは若かりし頃からずっとこの住所や名前を現地まで行って集めて来た苦労人である。 

「読み方」をビジネスにしているということの意味をお分かりいただけただろうし、これが東京・新小岩の下町に一角で“縁の下の力持ち”として、日本の大手企業を相手にしている。日本の下町の底力と言える。

読み方、侮るなかれ

 読み方について、侮るなかれ。その「読み方」は「住所」にもビジネス上、応用が効くわけで、守備範囲が広い。例えば僕は仙台で育ったからわかるけど「あやし」と言われて漢字が浮かぶだろうか。

 これも同じだ。オペレーターがお客様にこういう地名を言われると途端にペースが崩れる。

 でも、漢帝Ver.5 シリーズであれば住所でも都道府県ごと殆ど全ての地域名がデータに収めている。こっちはこっちで、動画を見ればわかるが、PC上「都道府県」>「市」>「区」>「町村」という具合に(市区町村の)段階を経て絞り込むような仕様にして、それを導き出しやすいようにしたわけだ。

 それであれば各々の地域で必要な地名しか出てこない。オペレーターにとってはそこで名前と同じように地名をひらがなで入力すれば、正確な住所に簡単にたどり着ける。よく考えられたUIであってツリーのようにして、右側に行くほど、住所を辿れるようにしている理由は、コールセンターのオペレーターが片手で操作しながらでもできるようにという想いからだそうだ。この会社のスタッフ愛が嬉しい。

対面販売でも活きる“読み方”ビジネス

 僕が感心していると「でも、コールセンターだけじゃないんです」と金子さんがニコリ。「例えば、対面販売の時に、タブレットを使うことがあるでしょう。それでも使えるようにしているんです。」という。

 どういうことか?

 「要はこのビジネスは、その豊富なデータが全てなので、ではそれをタブレットであれば、どう利便性を高められるかを考えられるかを追求した結果、こういう形にしたのです」と説明したのが、こちら。

 つまり、先ほどはPC上ではツリーのようにして探し当てていた住所。今度はタッチするほど遷移して、簡単に探し当てられるような仕様にしたのである。同様の工夫は、名前でも同じでタブレット仕様である。

 なるほどね、これであれば、コールセンター以外でも対面販売でも使える、とサービスの利用の幅は広がっている。店員が自ら打ち込むにしても効率化できるし、お客様に渡しても打ち込みやすいわけである。

え?姓名42万件、住所57万件も持ってるの?

 ちなみに、今、金子さんはデータが要と言っているけど、「そのデータはどのくらいあるのだろうか」と僕が聞いたところ、その数に驚いた。「そうですね。姓名にして42万件、住所にして57万件です」と。足で稼いだそのデータは並ではない。

 僕はここで初めて知ることになるのが郵便番号についてである。一見すると、郵便番号は地名ごとに、割り当てられているように思えるが、実はそうではない。郵便番号は区分でしかないので、いくつかの地名がまとめて一つの郵便番号になっていることが多く、単純に郵便番号だけで、全ての地名に行き当たることができない。ナニ??

 「ん?ということは、これって通販サイトとかで標準装備されたら、便利じゃないですか?住所入力にかかる時間が軽減される」と金子さんに聞いた。

 「さすがですね!その通り。弊社の未来への展望としては、デジタル化が進む中で、ECサイトなどで、住所入力される全ての場面に、それらを実装してもらうことです。それで、APIにして、「辞書屋の入力支援WebAPI」というのを出しているんです」と話した。

 ただ、いきなり、それをやっても伝わらないだろうと金子さんも手堅い姿勢を見せる。だから、このデータの価値を簡易的に使ってもらう為に『辞書屋の住所クリーニングWebAPI』を用意した。どういうことかというと、入力ミス発生時に限って、彼らはデータに基づいて「こうじゃないですか?」と正してくれるわけである。こんな風に。

 これならそのデータのパワーを実感できる。辞書並みであって、サービス名に辞書と入れるだけのことはある。

 下町企業の野望は、地道に「読み方」をテコにして、多くの企業のスタッフを支えてきた。けど、今、レムトスは次のフェーズも同時に見据えている。それは、DXが推進される中で企業のスタッフだけではなく、世の中の人全てにとっての利便性を高めること。だから、より消費者に近いところでの活用場面での必要性を説き、下町から日本全土へと裾野を広げよう、というわけで、彼らのその野望は今始まったばかりなのだ。

 今日はこの辺で。

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