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広末涼子さんら語る 多様化する“サステナブル”

 そうか。15年ほど前から、もはやその言葉はあったのか。何についてかというと「サステナブル」についてである。そのことを口にしたのは、俳優の広末涼子さん。FaW TOKYO 2024で、行われたトークショーでのことである。

出会いは15年前?広末さんとサステナブル

 広末涼子さんは、今から15年前、イベントに絡む仕事で、「サステナブル」という言葉を初めて耳にした。「この言葉、どれだけの人が知っているの?」この言葉との出会いについて、広末涼子さんはこう振り返り、自らもそれで色々調べたという。

 ところがどうだろう。今や、その言葉は多くの人が知ることになった。

 世の中において、消費するだけではなく、消費したものの行き着く先を考える。そうしないと、地球環境に多大な悪影響をもたらす。だから、いつしかそれは消費とセットで認識されるようになった。だから、その視点で、新たなビジネスが創出される。この日、彼女と一緒に登壇したのが、BIOTECHWORKS-H2のCEO ​​西川明秀さん。

 同社は、「廃棄物のほとんどを、再生可能エネルギーに換えるプロジェクト」を掲げている。起源をたどれば、やまぎんという会社があり、彼はその代表を務める。そこでは、既に、サステナブル生地素材を開発していたわけである。ただ、そこから派生したBIOTECHWORKS-H2は、実証実験などにより、分別せずに水素化させる特殊技術を開発した。今やサステナブルは全ての業種に欠かせぬ要素となった。だから、その技術により自ら、サステナブルを軸にあらゆる企業のプラットフォームになれると考えた。

「ものを大事に」はこうして新たなビジネスを創出

 物を大事にしようという発想。それは、このようにしてビジネスの着想を生み出したが、その核心は特殊技術により生まれる「水素」にある。水素は実は、電力、運輸、熱など、様々な用途に使える。だから、世の中における、天然ガス、石炭、石油の使用に置き換えて、使うことでそのものの消費を抑えることができる。かくして、「必要のない物は、必要な価値へと生まれ変わらせる」。それが可能になったというのである。

 サステナブルは、時代のニーズである。その可能性こそ、彼らの特殊技術の伸び代である。世の中を変えようと意気込み、広末涼子さんまでトークショーに交えて、意気込むわけだ。自然と、彼らの主張に触れて、まんまと僕の関心も、そこへと惹かれたわけである。広末ではなく、サステナブルに。

 先ほども触れた通り、広末さんは、15年前に「サステナブル」という言葉に触れた。だから、以来、普通の消費者よりは意識して生きてきたと語る。それゆえ、この登壇も快諾し、彼らの想いに共感したというわけだ。

 これまでも色々やってきた。「大人の服はまだしも、子供の洋服はすぐに着ることができなくなる」と広末さん。ただ、だからこそ、それを安易に捨てることなく、親戚に回したり、それができなければ、友達の子供のお下がりに。そういうネットワークづくりは心掛けてきたと話す。

消費者の心理と行動は変化しビジネスも変容する

 この日、着ていたブランドは、ステラマッカートニー。このブランドもそうだが、日々、身近なところで、サステナブルという価値観が浸透していることに彼女は驚く。自らも、どこの企業にの洋服を選ぶのかという視点で、サステナブルは判断の要素にもなっていたようだ。ただ、結局、消費者として、できることには限りある。それを意識するだけにとどまっていたのも事実である。

 だから、着用していたものが他のエネルギーに変わることの意味を語るわけだ。「楽しくなるっていいですよね」と広末さんが西川さんに語りかける。つまり、それがあるから、消費自体も活性化し、また、ファッションを楽しむ機会が増えていく。そのポジティブな考え方に、広末さんは、明るい表情を浮かべたのである。

 そして、若い頃は全く、意識はしていなかったと吐露。でも、大人になるにつれて、そういう視点だからこそ、それは良い商品として、多くの人の間で循環していくことを感じて、サステナブルの意義に気づき始めた。

 しかも、女性らしい感性で、押し付けがましくなく、自然に「物を大切にする」姿勢が広がりつつあることを指摘した。この日、広末さんが、息子の学校にまつわるエピソード。蚕の学習をしたことを挙げたのだ。卵から孵化するところから育てて、どうやって絹ができるのか。そんな小学校の総合学習の話を挙げた。すると、同席していた鎌田安里紗さんは「服のたね」という活動について触れる。

服になる過程に思いを馳せる

 「服のたね」は種を渡し、それを育てると綿ができるというもの。

 ベランダのプランターで誰でも育てられる。出来上がれば、繊維工場へと持ち込み、生地を作っていく。一年がかりで体験するプロジェクトだが、徐々にその裾野が広がっているという。つまり、我々は出来上がったものへの関心はあるけど、その途中経過も含めて理解を“自然に”促す。これにより、僕らの周りにあるものは、実は、限りある資源を用いて作られていることの認識を持ってもらうのである。

 物を大事にするというのは何か。

 その大前提を「ルールでこうしなければならない」。そう縛り付けるのではない。それでは持続可能なものにはなり得ないからだ。その必要性を自然と感じさせる環境をもたらすことに鎌田さんは重きを置くから、未来に意味がある。人々の意識を変えることこそが、大事だと説くその話も、女性らしい、交流と温もりを取り入れながら、持続可能で身近に感じさせるものである。

 広末さんをトークショーに交えて、まんまと僕の関心も引いたわけである(笑)。

 けれど、この「サステナブル」に関連した動きは、新たな着想と、ビジネスそのものの変容をもたらしていることに気づくことができた。多くの人にとって他人事ではない価値観ゆえ、企業もそこへの取り組みを余儀なくさせるであろうから、少なからず、全ての業種に絡んで、必要不可欠な考え方であると思ったのである。

 今日はこの辺で。

 

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