四季折々 八ヶ岳の「時( HOUR )」を感じる 石鹸 HOUR
「てっきり泡という意味かと思っていたら、そうじゃないんですね?」。僕がそういうと、その商品の担当者の方はこう答えた。「日々の気候に合わせて作るという意味なんです」と。え?四季折々の地域の価値を活かす。その名も「HOUR」。そんな名前の石鹸を手に取り、その中身に深く関心を抱いたのである。
八ヶ岳 の時を感じる洗顔 石鹸
1.季節に合わせてとは?
日々の気候に合わせて作るとはどういうことか。実はこの石鹸は八ヶ岳の麓、長野県・富士見町発祥である。地域の人々や営みを通じて出会った素材をベースに石鹸を作っている。
中でも、このブランドを運営する「Atelier Scramble」という会社は中でも手作りの石鹸にこだわる。この地域の天然の素材を採って、洗顔用の石鹸を作っている。それは天然の素材ゆえに、その時の日々の気候の変化を敏感に受け止めて商品に活かすことになる。
2.特殊製法で引き立つ石鹸としての価値
八ヶ岳と南アルプスを一望できる高原の町で採れたハーブや町内。そこで作られる素材を使いながら、「コールドプロセス」という製法で作っている。「コールドプロセス」?それは昔からある製法ながら、手間暇がかかるものなのであり、最近は敬遠されがちでもある。
「コールドプロセス」は植物性油脂を使うのである。そして、油脂に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)溶液を加えて撹拌し、加熱せずに反応熱だけで鹸化(けんか)させる。
3.地域と生産者へのリスペクトでもある
間違いなく言えるのは、こういう製法で地元の素材だけにこだわって作ることで、その石鹸はあらためて、その地域の価値を再確認することになるということだ。
植物を植物として捉えるだけではない。石鹸にすることで違う価値を訴求する。
富士見町の冷涼な気候や美味しい水を利用しながら、1ヶ月ほど熱成を経て完成するこの石けん。それは、その土地でしか得られない奥深さがある。「HOUR」は四季折々の時を感じると共に、それを感じて泡立てるその一瞬の時を豊かにするという想いもあって、ここにかける熱量はとても高い。そうか。ものづくりは、地域への愛をカタチにすることもできるのだなと思った次第である。
今日はこの辺で。