和三盆 職人技とデザインの先には HIYORI WASANBON
和三盆 という言葉をご存知だろうか。僕は日和制作所( HIYORI )という会社の話を聞いて初めて知ったのだが、一言で言えば砂糖の塊のようなものであって四国地方で伝統的に作られているもので、和菓子の一種である。この会社は、その和三盆自体の形状のかわいらしさ然り、その伝統の良さを上手にデザイン性でフォローすることで魅力的に仕上げている。
そもそもその原料には細黍(ほそきび)というサトウキビを使っていて、ここから「和三盆糖」と呼ばれる独特の砂糖ができるわけだが、風合いは瀬戸内の温暖な気候や風土を土台にしたもので、ここでしか得られない良質なものを生み出す。
ちなみに「和三盆」の名前の由来は、押し船という絞り機のようなもので水分を抜き、手作業で研ぎと呼ばれる精糖工程を3度、繰り返していたので、盆の上で3度研ぐの意味から取ったと言われているそうだ。
僕が注目したのは「菓子木型」と呼ばれるもので、日和制作所の「HIYORI WASANBON」の扱う「和三盆」のキュートな形状はこの木型に当てはめることによってできている。これら木型は直に、何種類もの彫刻刀を使って彫っていたもので、作るにあたっては、熟練の職人技がいきていて、あらゆる価値がここに融合されている。
まさに、この職人の繊細な腕前は「HIYORI WASANBON」がアイデアを出し続ける木型のデザインの中で発揮されていて、従来のユーザーとは違ったところでその価値が見出され、真に上記に示した伝統を伝えることになっているのである。
それだけにこの木型の形状については日々、話し合いながら作り出していて、やっぱりその本心に「和三盆」の魅力を伝えたいという想いがあるから、お客様はいつしかファンとなって、瀬戸内から日本各地へと広がっていくわけである。
改めて思うのは「見逃さないこと」。ここでいうなら、その「和三盆」という製法からなる和菓子の魅力と伝統、木型での職人技、そして「HIYORI WASANBON」のデザインとうまくその才能や価値を棲み分けして、一つの商品に落とし込んでいるわけである。
今日はこの辺で。