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ものづくり を守る DX “シタテル”の動きに学ぶ

 今やたとえ工場がなくとも、ヒットをさせていく事ができる時代ではある。マーケティングができていれば、商品を作れるからだ。僕が以前から注目しているのは「シタテル」というサービスである。言うなれば、アパレルを作りたい人と、作れる人を紐付けるマッチングである。ただ、最近はその中身も進化している。

製造のプラットフォームで世の製造を守る

1.シタテルとは何?

 例えば、新規ブランドが服を生産したいと考えたとしよう。発注者は、企画、デザイン、生地の選定から、パターンの作成、本生産に至るまで「シタテル」に任せれば良い。しかも、コストの計算もしながら進められるから、決められたコスト内でそれを具現化する事だって可能だ。

 それができるのはなぜなのか。要は「シタテル」が数多くの縫製工場など繋がっているというのがある。さらに、依頼主側の内容をある程度、共通化させている。だから、そのルールの中で発注者が依頼をすることになって、コストと工数を抑えて、服などの生産ができるわけだ。なるほど。故に、発注者側はものづくりに時間をかけすぎる事ない。生産性高く、ブランディングの強化やお客様との関係構築に注力できる所以である。

2.シタテル の進化 よりきめ細やかに DX 推進

 ある意味、これまでも、製造をOEM(他社ブランドの製品を製造すること(あるいはその企業))にある程度、まとめて任せてしまうという形も今までにあった。要は、自分たちはブランド価値を高め、そしてOEMから商品の提案を受けて、ブランド価値と合わせて、それをやるかどうかを決断するわけだ。確かに、それは双方にとって好都合である。

 よくあるのは一度、そこでOEMがメーカーと強固な関係を築けば、在庫はメーカーが抱えるから、そこでリスクなくできるというメリットがある。ただ、同時にOEMは海外など含めてより、提示する価格が安い企業と競わなければならないので、その分、粗利を削る傾向もなくはない。

 ある意味、そこに流動性を持たせたのが「シタテル」だ。出会える企業をデジタルによって高めて、それこそ、OEMがしやすくすれば、ものづくりが活性化される。固定されない分、色々な知見が入って、安易に安売り教祖にもならなくなっていくわけである。

3.よりフラットに様々な製造工場の知見を活用

 最近では「シタテル」はもう少し踏み込んでいる。それは、製造に関する企画は自社で行い、それができる工場を探したいという声も少なくないからだ。ただ、それが難しいのは、やっぱり、OEMと同様に、工場を知らないという事実があるからだ。

 工場との連携も自分でやれれば、そこの問題も解決できる。そこで、その工場とのやりとりをデジタル化することで、そこにおける課題を解決しようとしたわけである。

 あらためて考えると、この工場での直のやりとりすらも効率化を図ろうとしている。というのも、今のアパレル業界を筆頭に、まだものづくりの現場はアナログである。担当者ごとに電話やメールなどで異なる仕様書のやりとりをしているから、思い違いなどが生まれやすい。

 さらには、それが共有することすらも、スムーズではない。だから、トラブルが生まれやすいということになるわけだ。シタテルは今度、そこでの細かなやりとりの部分に入って、例えば、クラウド上で仕様書を共通化させることにより、業務の効率化を図ろうというわけである。

4.生産支援そのものをする

 つまり、生産情報をクラウド上で一元管理するわけだ。それができれば、取引に関する業務の可視化は関わる全員に対してできる。個々人の肌感覚でやることなく、それが推進されれば、効率化も可能となるだろう。「シタテル CLOUD 生産支援」という仕組みを新たに作って、それに応えているのだ。

 その必要性のワケもよくわかる。というのも、実際、それを自前でやろうとすれば当然、莫大な費用がかかるからだ。それゆえに、多くの企業がそこでデジタル化できていないのだから。そこに「シタテル」が入ることで、デジタル化が推進。基本的には、ネットワークを生かしてものづくりを助けるという姿勢はそのままに、DXを推し進めるのである。

 これを聞くに、まだデジタルに置き換えられていないことで、ものづくり現場がまだスムーズではないことも多い。だから、この辺の改善が結果、現場の生産性を高め、工場自体の存続にもプラスに作用すれば大きい。

5.コロナ禍によるデジタル化も成長を後押し

 実際、それは世のニーズにも応えた格好だ。このサービスが開始されてから約半年で月の流通総額は約23倍を記録した。今年3月単月においては、それで生まれた流通総額は約29倍。2021年4月時点で取引型数は1,692型を超えており、登録型数も1,997型という。なるほど。

 ものづくり企業においては、そのものづくりの中身にこだわるために、逆にデジタル化を進めることも大事だろう。自らの工数を削減して、打ち込むべきところに打ち込む必要があるというわけだ。強みを発揮する為のデジタル化なのである。

 今一度、プラットフォームの現状に目を向け、特にデジタル分野を活用する。それが自らの企業の生産性を高め、企業価値を上げる。だとすればここでは「シタテル」の話をしたが、大事なこと。彼らに限らず、各々の企業で、俯瞰で見て相応しいところを連携することの大事さを思う。すると、企業の組織のあり方含め、変化するべき時にある事がよくわかる。

 今日はこの辺で。

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