“こんにゃく米”ゼンライスで先見の明 伊豆河童
お店の商品力は、店長の勘と行動力によって生まれる。「ところてんの 伊豆河童 」を運営する栗原商店 代表取締役 栗原康浩さんはそれを体現した、少しやんちゃな人(笑)。今、ヒット中の こんにゃく米 「ゼンライス」はその彼の直感と精力的な動きがもたらしたと言って良い。
ゼンライスに見出した光明
1.こんにゃく米って何?
その名の通り、こんにゃくでできた米。これを白米と一緒に混ぜて炊くのである。ふっくらと米と変わらぬ味わいで、臭みもなく、それに気付く人はまずいない。それでいて「こんにゃく」。だから糖質は45%カット、カロリーは50%カットという具合。ヘルシーでダイエットで賞賛されており、主婦などに人気なのだ。
とはいえ、この「こんにゃく米」は日本に馴染みのないものであった。
ただ、栗原さんの場合、自ら運営しているお店がところてんのお店なので、こんにゃくに深い関心を持っていて、ふと「こんにゃくって乾燥にすることできないのかな?」そう思い立った。
早速、検索してみると、出てきた企業は、わずか一社。つまり、世の中では関心がない視点だったと言って良いだろう。
2.栗原さんの行動が切り開いた「こんにゃく米」
ただ、そこで終わらないのが栗原さん。一社あるということは、、、、「できるじゃん!」。
作れることがわかった以上、作ってみたい。早速、そのわずか一社に連絡を入れて、すぐさま待ち合わせの東京へと向かう。その企業と会って話すうちに熱は沸点に達する(笑)。
「この『こんにゃく米』を本気でやりましょうか!」。その会社とそのまま、意気投合。そのままインドネシアに向かう。なんていう行動力だろう。
3.いざインドネシアへ!
インドネシア?そう思う人がいても無理はないだろう。
この『こんにゃく米』の原料には「むかごこんにゃく芋」を使っている。これがみそで、寒さに弱い。だから、日本では栽培が不可能なのだ。さらに言えば「むかごこんにゃく芋」でなければならない。臭みもなく美味しく食べられるという特徴を持っているのが、このこんにゃくだからだ。
栗原さんは、現地につくなり、日系二世のその会社の社長と会う。即断即決で、やり始めた。今から8年前のことである。それが、今や年に3回コンテナで運ぶくらいにまでなった。
少し話が逸れるが、「むかごこんにゃく芋」にも歴史があって日本と縁がある。その昔、独立戦争に参加した故・石井正治さんが村おこし、外貨稼ぎのために「むかごこんにゃく芋」を栽培していたのである。
それが代々、語り継がれて今に至る。そして、今では栗原さんの目に留まり、「ゼンライス」として、今を謳歌する主婦たちの心を掴んでいるのだから、世の中わからないものだ。
栗原商店は、数年前150周年の式典を行ったばかり。150年の歴史を切り抜けてきたのは、こういう何気ない、店長の勘と行動力なのではないかと思う。天晴れ、この調子で、200周年ですね、栗原サンっ!
今日はこの辺で。