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“生理”というタブーに 商品 で物申す ハヤカワ五味 の挑戦

ハヤカワ五味さん

 誰もが抱える悩みでも、声に出さぬが故、見過ごされる事もある。けれど ハヤカワ五味 はそこに敢えて着目し、 商品 でそれを解決してきた。以前、胸が小さい人にシンデレラバストと言って、feastというブランドを手掛けた彼女は、もう次を見据えていた。次なるテーマは、女性ならではの悩み“生理”である。まもなくその商品が産声をあげる。

ハヤカワ五味 が 生理 で 商品 を出そうと考えた理由

 その商品は、生理周期に着目した飲み分け型のサプリメント「TICKET supplement (チケットサプリ)」と言う。生理でブルーな時に飲む「3DAYS」、低体温期に飲む「11DAYS」、毎日飲む「31DAYS」と分け、例えば「3DAYS」では、女性ホルモンと似た働きをする大豆成分のエクオールを配合し、つらさから守るなどして、仕様を変えている。

 でも、なぜこの「 生理 」というテーマを彼女は掲げたのか。

ここで冒頭に書いたことに繋がる。声に出すことなく見過ごされることも、世の中にはある。女性にとって特に、この「生理」についての意識は、ただ単純に「つらいもの」ということで片付けられる傾向が強い

 仕方ないと言えば仕方ないのかもしれない。「生理」に伴う痛みは、人に共有できないからつらさを分かち合えないし、生理用品の出血量でその度合いを判断されることもない。しかし、よく考えれば、それも理不尽である。例えば、これが体温であれば「微熱」「高熱」といった具合に、その体調は推し量れることができるのに「生理」に関しては概してそれがない。

サプリメント から 商品 を始める意味合い

 だから、彼女はそこに真正面から切り込もうというのだ。ではなぜ「サプリメント」なのか。

 まず、最初に生理用品の9割はナプキンで占められ、残り1割がタンポンだと言われている。ただ、そのナプキンにしても、実は、おむつでいうところの“漏れた”状態のようなものなので、不快感は必ず伴う。それと関連して、少し話が逸れるが、彼女がもっと浸透すればいいのに、と教えてくれたのが「月経カップ」の存在である。要は“蓋をする”ものである。

 タンポンとの違いは綿ではなくシリコンなので外から水分が入ることがない。変な言い方であるが、お風呂に入っても、その水が入ることはないので、中を刺激しないし、衛生的にも良い。こういうものがあれば、例えば温泉旅行へ行って、そういう要因で自ら温泉に入るのを控える必要すらなくなる。それだけで、その人の充実の度合いは、大きく変わる

 話を戻そう。要はこうした「月経カップ」を作るにしても、タンポンの利用率が1割程度なので利用者はそれよりも少なく、現時点では商売にはなり得ない。だから、入り口として誰でも手に取りやすい「サプリメント」に着目したのであるが、それだけではない。

声を発することの重要性

 この 商品 にまつわる動きこそが ハヤカワ五味 の主張と結びつくわけだ。彼女が抱く「 生理 」に対しての一番の問題点は「我慢すること」だとしている。言うなれば、スルーされているのである。例えば、それで体調が悪くなった際には、それが生理のせいにされることはなく「自分の体調管理が悪いだけ」と決めつけて、我慢することも少なくないというのだ。

 そこで、まず、日常的にその生理に向き合うことで、少しでもそれらが“緩和”されていく実感を、ユーザーと共感し、信頼を集めていくことに意味を感じた。だから、サプリメントなんだと言う。彼女にとっては、そうやって「これは自分だけの問題ではないんだ」と思ってもらえることにこそ、価値を感じているのである。

 その上で、先ほどの「月経カップ」なども考えてみればいいだろう。そのための一歩である。生理に対しての正しい理解とその共感を集めることが先決で 商品 をキッカケに、皆が情報をシェアして状況に合わせた 生理 への対処をし、女性としての生活をより充実させてもらえたら、と彼女は話すのである。

商品は本来、クリエイティブである

 誰もが抱える悩みでも、声に出すことなく、見過ごされることもある。けれど、敢えてそこに着目し 商品 の発売をもって 生理 に対し「物申す」。それこそがクリエイティブだ。それを ハヤカワ五味 ができるのは、彼女にやっぱりクリエイター気質があるからだと僕は思う。

 商品は売れなければ意味がないことを彼女は知りつつも、ただ売れればいいのではないこともどこかで分かっている。だから、商品を通して、どう世の中を変え、人の価値観を変えて、一緒にユーザーと寄り添っていけるかに、彼女の関心が向かっている。

 これから必要なのは、まさにその発想である。全く何もないマーケットに「feast」を解き放って、多くの女性を救ったように、これがまた彼女なりの新たな文化の提示となって、女性が救われるというのなら、僕はそれを応援したい。

 今日はこの辺で。

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