宮原華音 に聞く 今時の 購買 行動 憧れよりも大事な…
ニュースに触れていると、ここ何年かでファッションなども変貌を遂げている。けれど、人生を謳歌している今時女子の気持ちは、昔と比べて変化しているんだろうか。女優 宮原華音 さんに聞いてみたら、思いの外、話が広がった。
GUやユニクロは身近でできるオシャレ
まず思っているのは、かつてで言えば、個性的なファッションこそがその人への憧れを生んでいたわけだけど、最近ではそれがあまり感じられないように思う。例えば、華音さんで言えば、普段、どんなことを意識して洋服選びをしているのだろうか?
145:最初に聞きたいのは、最近、どこで服を買ったりするの?
華音:割と「GU」や「ユニクロ」が多いかもしれないです。私は柄物は買わなくて「無地」をよく買います。
145:それって無地だと合わせやすいってこと?
華音:そうですね。柄が似合わないと自分では思っていて、その代わり、バッグとかを柄にしています。全身無地にしておいて、バックにロゴがあるものだとアクセントがつけられますよね?
華音:私、特に冬が大好きで、ファーとかもこもこしているものが好きなので、バッグに豹柄のもこもこしているものとか、そういうの持っていきたいから、予め服はなるべくシンプルなものにしたいなと思ってそうしています。
145:でも、そういうシンプルなのをインスタとかにあげるの?
華音:そうですね。インスタに結構、服を載せてはいるんですけど、誰でも真似して、買ってくれたら、嬉しいなと思って。
145:逆に真似してもらいたいってこと?
華音:そう。最近、フォロワーに女性ファンの方が増えていてそういう「GU」とかだと買いやすいかな〜と思って。
憧れよりも身近さを大事に
145:それって同じ服着られるのは、嫌なのかなって思ったんだけど、そうじゃないんだね?
華音:いやいや、「参考にします」って言われたら、嬉しいですね。有名な女優さんで、高いブランドだったりするとフォロワーさんがちょっと手が出ないところでも、同じ服を買ってみようかな、って言うのはあるじゃないですか?
華音:それも楽しいと思うんですけど、いつも着ている同じ服で着回しとか、安い服とかで工夫していて、みている人もそこに近づきやすいようにしていて、(敢えて、ユニクロとかを着て)出ますよね。
145:なんか身近な手が届きやすいものをどうやってアレンジして、可愛らしく演出するかってことに関して意識してるってことでもあるよね?それはそれでセンスが問われるけど、高いブランドでのお洒落とは表現の仕方が違うんだろうな。
華音:最近、皆その傾向は強いですね。自分と同じようにユニクロ着てるから、自分でも真似してみる。アプリとかでも「これでGUなの?」って見出しがあったりするのは、それを求めているからってことなんじゃないかな。
145:やっぱ参考にするのはアプリとかなの?
華音:そうですね。あと、インスタ、雑誌。私は紙の雑誌が大好きですけど、雑誌を買うよりも他にお金を使いたいって人も多くて、そんな人はアプリ見てます。
145:アプリは何を見るの?
華音:「MERY」かな。学生に受け入れられやすい要素があって「『着たいけど買えなそう・・』を救う4000円のプチプライスアイテム」とか書いてあって、一緒にZOZOにありますよと添えてあるので、買ってしまうわけです。共感みたいのが大事ですよね。
SNSでの流行が生んだ!?あの着こなし
華音:あと最近、思ったことがあって。
145:何?
華音:一緒に舞台出ている年上の方に「ちょっと自分のサイズより大きいのを着るのが流行っているの?」って聞かれたんです。あ〜って思って。確かに、池袋駅を歩いていたんですけど、まわり見渡して、確かに、女の子も大きめなのをきて、ワンピース風に着たりして、トレーナーやTシャツをワンピース風に着たりしているんですよね。
華音:以前なら上が大きかったりしたら、下はシュッとしたのを着るとかしてメリハリをつけていたんですけど、最近見ていると大きめサイズに大きめサイズをきていることが増えているんですよ〜。
145:それってさ、自分が太く見えちゃうんじゃないの?
華音:それがね〜違うと思うんですよ。以前、インスタで「『#彼女とデートなう。』に使っていいよ」というのが流行ったと思うんですけど、その流れなのかもなーと思いました。
華音:「彼氏の服を着てきちゃいました」みたいな感じなのかなって思っています。そう言うのを雑誌で見たことがあって!私は170センチ身長があるので全然大きいサイズにならないんですけど(自虐して、笑)
華音:160センチの子とかがメンズのXLとかをワザと大きめサイズのきると、逆に華奢感が出ると言うか、むしろ、細く見えるってことなんですよ。守ってあげたい感が出るんじゃないかな?
145:なるほどなあ。そう考えると、少なからずインスタとか、日常のメディアとかが結果的に、ファッションスタイルにも影響しているってことだね。ありがとう。参考になったよ!
華音:こちらこそ!
華音さんと話してて、改めてファッションって、価値観が変わってきているんだなと痛感させられた。
以前はどのブランドを買うかという指標でファッションを語ることが多かったが、最近は、誰でも買えるような「GU」などであり、定番的なものを組み合わせて、いかに自分らしくカスタマイズして、表現するかに力点を置いている。
そこで思ったのはやはりSNSの影響力だ。華音さんから感じられたのは、自分が買った「GU」を同じように誰かが買ってくれたら良いな、と思っている風であり、憧れられることを求めてはいない。
憧れの対象を演じようというよりは、自分の価値観で誰かしらの琴線に触れて、何かしらの行動を起こしてもらえたら良いな、という発想である。
そして、そんな気持ちから、SNSのシェアが生まれて、自分もできるかもと思ってもらい、チャレンジする、この流れこそ、今のファッションの主流だなと。より普遍的なものとカスタマイズする人間との間で、形成されるように変質してきているように思った。実は、これが今のファッションのトレンドともリンクしていて、今のZARAやユニクロの隆盛にも繋がっているのだ。
では今日はこの辺で。
宮原華音(みやはら かのん)
女優/アクション/モデル。空手初段 全国大会三連覇 /柔道初段の体育会系。そうした経歴を生かし、特撮アクション時代劇「BLACKFOX: Age of the Ninja」ウト役(各種配信プラットフォームで配信中)、月刊誌『CLUB HARLEY』イメージキャラクターなど。