アートに生息する動物を捕獲して チームラボ と Galaxy によるデジタルアートの最前線
アートはきっかけであり、入口なのだ。先ほど、僕がいたのが「Galaxy Harajuku」で、ここで< Galaxy & チームラボ:捕まえて集める神秘の森>という展示が始まる。僕はその内覧会で、その作品を見ながら、思ったのである。
チームラボ と Galaxy がアートでもっと踏み込む
1.絶滅危惧種を学ぶ
入口?と思われる人もいるかもしれない。「捕まえて集める」という部分がそのヒントであって、実は、この展示には数多くの動物、それも絶滅危惧種と言われるものがアートの中に潜んでいる。それを捕まえることにより、それらの知識を深めていくのだ。
元々、チームラボが手がけるデジタルアートはインタラクティブ性に富んでいる。以前、僕は「#チームラボ ボーダレス」などにも行ったが、そこで表現されるもの自体がゆらゆら揺れていたり、タッチするとそのアートが動いたりして、デジタルでありながら、自然を重んじていて、かつそこには触れ合いがあるのだ。
恐らく、そういう要素に目をつけたのがサムスンのスマートフォン「Galaxy」に関わる精鋭スタッフたちで、そのデバイスのポテンシャルをフルに引き出して、それらのチームラボの持つ双方向のやり取りを最大化させようと考えたのだろうと思う。
2.一面に広がる美しいデジタルアート
ほら、お分かりいただけるだろうか。右側で鳥が羽ばたいている様子を。
壁に広がるのは、デジタルで表現された「自然」であり、ここがミソである。チームラボの代表の猪子さんが見据える先には、デジタルでありながら、草木の表現にはじまり、滝から流れる水の様子など、全てが壮大な自然への畏敬の念を感じるものが多く、一つ一つそれらを繊細に描いているのが特徴だ。
3.自然の中で動物を捕える魅力的な擬似体験
それだけではなく、インタラクティブを重んじるチームラボの価値観を、Galaxyが最大化させる。この会場には、無料で入れて、しかもその際にはGalaxyの折りたたみの最新鋭スマートフォンが手渡され、この展示のタイトルの通り、それを使って捕獲するのである。動く動物、そしてそれを捕らえようとする自分のリアリティをお互いの存在が高めるわけだ。
捕獲の仕方は極めて簡単。一つは地上にいる動物を弓で射る。もう一つは池を泳ぐ魚を網で捉えるのである。
最初に、弓で射る方の具体例を見てみよう。
Galaxyをかざして、動物に狙いを定めたら、画面上に映し出される弓をタッチしてグイッと指で引くと、ピョンと矢が飛び立って、壁の動物が捕獲できるというわけである。
捕獲すると、その動物に関する情報がGalaxy上に映し出され、この動物こそが、冒頭話した通り、絶滅危惧種に相当するものなので、それに関しての知見を深めることができるということになる。
同じく、池を泳ぐ魚もまた、写真の通り、その付近で網を張って、手に入れるのである。
学びもアートで楽しく
捕獲した動物は各々Galaxy上でちゃんと元の世界に戻せるような仕様になっているのも彼ららしい。
地上と池の両方に36種類の動物がいて、それらはそれぞれ三回、捕獲することで、全ての情報が見られるようになる。三回?と思われた人もいるだろう。その通り。一回捕獲するだけではその全貌はわからないから、自ずと何度もトライすることになって、ゲーム感覚でその知識を一つ一つ、深めていく形になる。
これが、まさに最初に話した「アートはきっかけであり、入口なのだ」と思った所以である。少なからず、その映像美に魅せられ、そこにゲーム性を盛り込むことで、自然に関心を引き寄せて、そして、僕らが知っておきたい絶滅危惧種に関しての情報を、伝えていくわけである。
チームラボはまさにデジタルアートで先鞭をつけた企業である。ただ、アートはもはやデジタル上にも存在して当然の時代へと移り変わっているだけに、彼らもその先の進化を見据えていることだろう。そんな中で、Galaxyのようなデバイスの進化を取り込みながら、よりインタラクティブで、エンターテイメント性を帯びてくるアートは、彼らのこれからの姿勢を知る良いヒントになるのではないか。
チームラボの表現力が、より一段上へと昇っていく。次は何への入り口を切り拓くことだろう。
今日はこの辺で。