オペラ「トゥーランドット」とデジタルアートの調和 チームラボの“冴える”空間演出
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今日は、デジタルアートと演劇の融合について、触れたい。僕が鑑賞したのは、演劇というよりオペラであって、「トゥーランドット」東京公演である。オペラとしても名高いその作品は最先端のデジタルアートの担い手チームラボと組んで、僕ら観客を圧倒する。
「トゥーランドット」オペラの名作
「トゥーランドット」とは、イタリアの作曲家ジャコモ・プッチーニのイタリア語による全3幕のオペラ(1926)。(出典:大辞泉)。歴史あるそのオペラの作品に、チームラボは大胆にも、印象的に、デジタルを駆使した表現を取り入れた。舞台上の演出は順次、2つの側面をベースに進行。進行に合わせて、それらのセットが回転して、次々と表現される。
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一つはトゥーランドットを頂点とするディストピアのゲームショー。女が権力を握る世界では男は女の遊び道具か、監禁される運命にある。
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もう一つは、潜在意識の世界である。万華鏡のような菱形の「心の部屋」。それが美しく魅惑的でありながら、そこには巧妙さと欺瞞を連想させる人間の本質を映し出すわけである。
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大自然の壮大さを思わせる空間演出
舞台上のセットと演者の動きが、僕らの想像力をかき立てる。加えて空間すらも、チームラボの演出で、色彩豊かに僕らの気持ちを高揚させる。
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例えば、造形物の形状を生かせば、そのアートの美しさが際立つ。映像自体もしなやかで優しい動きを見せるのだ。ここに、迫真の演技をする演者と結びつくことで、観客はその物語に引き込まれる。
印象的なのは自然のしやなかさである。チームラボは様々デジタルアートの拠点を手がけている。そのいずれもが自然の偉大さを感じさせる内容。緩やかに流れる水の様子は、自然への深い敬意を感じさせる。
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より壮大な印象を抱かせて、インパクトの強いリアルとデジタルの融合。
光と映像の共演には神秘すら感じる。歴史的作品「トゥーランドット」がチームラボと手を組む理由もわかるような気がする。
今日はこの辺で。