よしもと au PAY マーケット による「ライブコマース」への挑戦 次は 5時間ぶっ通しの生配信
ともすれば、ネット通販は検索してポチッと押せば、購入できてしまうわけで、だからこそ、笑顔をもたらすコンテンツを作りたかった。全てはその言葉に集約されるのではないか。さきほど、東京・新宿のルミネthe よしもとでauコマース&ライフの八津川博史社長がこう述べたのだ。
よしもと au PAY マーケット の化学反応
1.ECに笑顔をもたらす
なぜ、八津川さんがルミネthe よしもとにいるのか。
同社が運営するau PAY マーケットのコンテンツ「ライブTV」でよしもと芸人と一緒に番組を制作するようになって、一周年を迎えたからだ。その番組名は「生配信!よしもと市場」。
2.やり方も定着してきた
その番組は、よしもと芸人と共に、ライブ配信によって、視聴者とインタラクティブにやりとりしながら商品を紹介し、購入機会を創出するというもの。
ユーザーにとっては、よしもと芸人とのダイレクトなやりとりは貴重。回を追うごと見る人の数は増え、やる前とやった後では視聴者の数が倍にまで膨れ上がったとKDDIパーソナル事業本部山崎恭嗣さんは語る。
実際に、売上効果も形となって現れている。例えば、この番組で脚光を浴びた商品が、au PAY マーケット全体でのランキング上位となって、その後、安定的な売り上げを作るなどの傾向が見られる。つまり、これまで海外で見られるライブコマースの売り方とは異なる成果の上げ方を作り出して、ショッピングモールにおける新しいプロモーションのあり方を提示した格好だ。
3.この楽しさこそ、この番組の真骨頂
この日の会見は1周年を祝うとともに、記念特番を発表する場でもあり、よしもと芸人も駆けつけた。その顔ぶれは、ライセンス 井本貴史さん、アインシュタイン、おいでやす小田さん、レイザーラモン、ニューヨーク、トレンディエンジェルたかしさんといった人気者たち。
「ライブTVあるある」といって『「三太郎の日」には、ライブをやっているそばから、すぐにそのクーポンがなくなってしまう』など『ライブTV』になぞらえ笑いを取るなど、サービス精神も旺盛。
終始にこやかに、会見が行われ、笑いの絶えない現場となったけれど、まさにこの雰囲気こそが、八津川さんが自分たちの手がけるECで提供したいものだったのだと思っていて、冒頭の言葉につながる。
八津川さんは以前から他のショッピングモールとの差別化として自分達にできるのは、エンターテイメント性と話していた。コロナ禍で家にいる時間が増えて心が沈みがちだからこそ、ただ物を売るだけではなく、この番組が笑顔をもたらし続けた功績は大きい。そう言って胸を張る気持ちが分かる。
よしもとにとっても挑戦
1.普及していないからこそ、よしもとの価値が生きる
よしもとセールスプロモーション取締役 山地克明さんは、「日本では『ライブコマース』が普及していない中で取り組んだのが『ライブTV』での挑戦でした」と振り返り、その上でこう話した。
「我々が抱える芸人には皆、伝える力があります。その伝える力を通して、素晴らしい商品の魅力を引き出し、伝えることができたら」と。つまり、これはよしもとにとっても、自分たちの価値をこれまでと違った形で生かす新しいチャレンジであることを示し、これからも力を入れていく姿勢を鮮明にしたのである。
2.無事1年を迎えて5時間ぶっ通しの新たな挑戦
まさにその意気込みを示すように、この特番「よしもと市場、1周年記念、5時間ぶっ通し生配信!」へと至る。2月23日の祝日11:00~16:00で、番組名の通り、5時間かけての配信。番組では、関連やグルメといった人気商品がライブ配信限定のクーポンやタイムセールに絡めて超特価で紹介され、視聴者の気持ちを触発し、買い物の楽しさを訴求する。
それでいて、ライブ配信限定の出演芸人による寄席や人気家電を出演芸人が自宅体験するなどのコーナーも設けて、スペシャル映像も盛りだくさんの地上波と遜色ない出来栄え。
合わせて、「よしもと市場大感謝祭キャンペーン」と題して、番組中で発表するキーワードと必要事項をWEBの応募フォームから入力して応募すると、人気ブランド家電の他、ルミネtheよしもと劇場観覧ペアチケットなどが賞品として当たるそうだ。
意思疎通もバッチリでさあ!次のステージ
先ほどのランキングでの話然りだが、ショッピングモールでの売り方として、新しい提案ができているのは、よしもとによってこの番組がきちんと成立して、固定ファンができているからなのだと思う。
八津川さんも話していたが、単純によしもととの間では、芸人の出演にとどまることなく、構成なども含めて話し合い、お互いのリソースをフルに活用した壮大なチャレンジであるから、徐々に成果は出始めているが、これもまだ通過点に過ぎないはずだ。
腹の底から笑い、ショッピングを楽しめる機会を作ろうではないか。こんな感じで。
個人的には、日本ではまだ浸透しているとは言えない中で、モールの価値と組み合わせて、独自のコマースのスタイルを確立したことに僕は拍手を送りたい。彼らが目指す楽しい買い物の片鱗は見えてきた。どうかこの二社には新しいチャレンジと共に、新しいエンタメの姿を提示してこのジャンルを牽引して、日本中を笑顔にしてもらいたいものだ。
今日はこの辺で。