IVY の 入魂の一点モノ ジュエリー 今、想いが実る
世の中は限りなく、大量生産、大量消費ではなく、各々にあった価値を求める時代になってきているのかもしれない。「 IVY 」という ジュエリー ブランド とお話をしていて思ったことである。
「IVY」の代表を務める永井さんは当初、ジュエリーメーカーに勤めていて、その中身はOEMでいわば、他社ブランドから依頼を受けて、その企業製造していたわけだ。その時代においては、そのブランド各社が色々なデザインを出していたので、彼女自身もその中で、デザイン性と価格のバランスを見ながら、最高品質ものを出していた。
ところがである。そのうち、どこのブランドもデザインは同じもので単なる値段の競争になってきて、するとブランドからの依頼も同じデザインを何社かのOEMメーカーに渡して「いくらでできますか」といった提案になっていったという。
「だったら、私がやる意味ないじゃない?」まさに、彼女がIVYを立ち上げるきっかけはここであった。
IVY ジュエリー のイズムはここに
そして、これが一番最初のIVYの商品である。
この商品はまわりを見ると四角なのだが、でも真ん中を見ると角がないのである。彼女がこのブランドで意識しているのは、直線と曲線である。つまり、直線だけではなく曲線を使うことで柔らかさが出て、シャープすぎないという側面が出てくる。
これが彼女がいうところの「女性らしさ」ということになって、そこにこだわる理由を聞くと「アクセサリーって別に、強さを表現するものではないでしょ?」と答えた。
こちらの商品などもそうだ。
とんがっている様に見せて、なだらかに見える。それが実現できる理由は周りのワクが地金だから本来、平なのだが、周りに細かなプチプチがあるのがわかると思う。これがミル打ちという技法で、縁が柔らかになってどことなく丸みを帯びた様に感じるのである。
しかも、横から見ても丸さを感じる。これも、石であれば普通、平らにカットしてしまうのだが、表面を削ってまるみを帯びる様にしているのである。
彼女は面白いことを言っていて、「人間もそうじゃない?人間には色々な側面があって、だからそこに魅力を感じる」と。ありきたりな平面ではなく、立体で色々なところから見て変化があるから、その魅力は増すのだという。
IVY の価値観に時代が追いついてきた
冒頭、僕は大量生産、大量消費ではなく、各々にあった価値を求める時代と書いたが、IVYはそれを実践していて、量産型も作りつつ、一点ものの商品の数もかなり多い。ただ、彼女が言っていたその様な価値は、今という時代にマッチしてきた。今、時代がそこに追いついてきたということか。
永井さんも言う。ビジネスとして今から10年くらい前であれば、「とりあえずはジュエリー」と皆がそれを着ける時代だった。けれど、今は違うのだといって、着ける人と着けない人の差が生まれてきていて、着ける人は着けることに特別な意味合いを求める様になったと。
実は、この永井さんとは今から10年ほど前、一緒にジュエリー企画で関わったことがあり、当時から僕はその考え方こそが正しいと思っていた。だから、仕事を依頼しようと思ったし、今こそ、その想いが結実して、時代に受け入れられている様子を見て、その考えは正しかったという確信を持ったのである。
だから、安さではない、品質。立体物としての楽しさを生み出すその魂。こうしたこだわりのデザインは今という時代にこそ評価され、そしてリピーターを生み、その人それぞれの幸せとこれらのアクセは並走しているということなのだ。
今日はこの辺で。