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寺岡精工 Shop&Go PickUp で 商品をチョイスする楽しさも事前注文をこなせる利便性も

 今日、寺岡精工から招かれて行ったのは、スーパーマーケット・トレードショー。主に、食と小売店の最前線が一堂に会するこの場所。そこで、彼らは新たな小売店のあり方を、提示した。小売店のデジタル改革というと、Amazon goなど、大掛かりでお金がかかりそう。しかし、彼らの「Shop&Go PickUp」は、違う。スマホを上手に使うことで、その機能を分散させるのだ。そして、店員の力を借りて、低コストで最新鋭のデジタルとコスト削減を実現させている。

Shop&Goがネット時代の新しい視点を持ち込む

 もともと、寺岡精工は「Shop&Go」というをアプリを提供している。これを土台にしており、まずお店に行き、アプリを起動しチェックインする。導入している店では、下記のようなリアルなショッピングカートも用意。そのショッピングカートは、ご覧の通り、そのスマホが置ける仕様なのだ。

 だから、お客様は抵抗もなく設置し、手間をかけることなく、バーコードを読み取れる。実は、ここがみそでスマホアプリの機能で、店舗側が負担するデジタル化のコストが軽減できている。アプリはカメラを起動し、バーコードを近づければ、そのカートの中に入る商品をスキャンできる。

 優れているのは、カメラがこのショッピングカート全体を見渡し、入っているかどうかの確認も兼ねている。だから、後ほど、触れるが、万引きリスクも回避している。スキャンすれば、スマホ内の「カート画面」にその商品が反映されて、会計がスムーズに済ませられる。

 しかし、これまでの機能でいえば、そこまでだった。「Shop&Go PickUp」で寺岡精工が着目したのは、事前注文の機能である。上記とは別のベクトルでリアルのお店で重宝されている。だが、そこにはデメリットもある。

事前注文のデメリットを自らのサービスで補完

 どういうことか。

 事前注文は、歯磨き粉、洗剤などに向いている。つまり、見た目で判断しなくていいもの。あるいは、鮮度に関わらないもの。そこで価値を発揮する。

 しかし、スーパーマーケットでの要はというと、どうだろう。鮮度が勝負の生鮮食品である。お客様にとっては自分の目で見て、判断したい。「刺身は赤みが云々」。「脂身が云々」。鮮度は勿論、生身のものは唯一無二。だから、そうならざるを得ない。ゆえに、彼らは事前注文とショッピングカートを使う、上記の機能を掛け合わせたのである。

 一連の流れをまとめると、こうなる。

 最初にアプリを起動し、どの店舗で商品を購入し、何時に受け取るのかを事前に決めて、アプリ内のカートに入れておく。すると、店員はその時間に合わせて、受け取りボックスに入れておくので、事前注文の準備は完了。そして、入店の時を迎える。

お店でアプリを起動して事前と事後が融合

 お店に入店の際、アプリを起動し、専用のカートにスマホを設置。刺身など、鮮度が重要な商品は、そのショッピングカートに入れるだけでよい。すると、先ほどの事前に選んだ商品と同一のカート画面に入れられる。

 全てが選び終わった時、そのスマホのQRコードを呼び出し、それを店舗のデバイスにかざす。会計結果が出てくるのだが、、、

 よく見ると、事前注文で選んだものも入っている。色分けされているから、一目瞭然。全ての商品の一覧がデバイスのモニターに表示される。あとは現金やQRなど好きな決済手段で買い物が完了するだけ。

 会計を済ませれば、出てきたレシートにQRコードがあるので、店のゲートにそれをかざすと、ひらくので、受け取りボックスへいくわけだ。写真右下がそう。

 受け取りボックスにはすでに店員が「事前注文した商品を」入れている。だから、各自、それを先ほどの鮮度を確認した商品と合わせて、持ち帰るわけである。

精度の高さでリスク回避

 改めて思うのは、こういうものが浸透する理由に、その精度の高さによって、人的コストの削減もあるけど、企業におけるリスクヘッジもしているからなのである。例えば、デモンストレーションを僕もやって、驚いたのが、そのスマホを通したスキャンの精度が高いこと。スマホでバーコードを読み取らずに、カゴに入れると、すぐにアラートが出て、読み取るように指摘されるのである。

 それを各々が持つスマホがやってくれる。こうすることで店舗の導入コストを軽減しているわけである。より技術革新が進化すると、導入するにもお金がかかる。けれど、一般の小売店が手を出しやすい価格にしている理由はここ。だから導入が進むだろうということになる。

その秤の知見は可能性の最大化にもつながる

 余談になるけど、そもそも寺岡精工自体が「秤」の会社であり、その技術を時代に合わせていて、鮮度の高さは自分たちのビジネスの可能性をも広げている。なぜか今回は殊更、SDGsの価値を謳っていて、聞いて納得した。

 例えば、ドライフルーツやお菓子など、こんな風にひねって適量だけ購入する提案をしている。

 しかもそれらは、それらを自ら持ち込んだ容器で行える。その理由はこちら。デバイスの上にその容器を乗せると、その容器の重さを認識する。

 一方で、先ほどのレバーにはセンサーもついているから、100gあたりいくらの商品が取り出されているかが認識される。だから、取り出し、再度秤に乗せると、その容器の重さを自動で引いて計量し、金額を割り出せる。

 かと思えば、ペットボトルを小さくする機械を作っている。

 それは、使用済みのペットボトルを小さくすることで、ゴミに積まれる積載量が減少するからだ。2024年問題と絡んで、トラックでそれらのゴミの移動の回数を減らすことを念頭に置いている。つまり、店に絡む物流環境も店舗主体で変わっていくわけだ。

 寺岡精工がそういう連携している会社との間で、どれだけ環境保護につながっているかを更新。その更新されたデータは常々、店頭のモニターで見せられるようにしている。

時代と共に小売の環境は変わりゆく

 まさにリアルに拠点を持つ小売店は、こういう側面からインフラとして街に定着していくこと。だから、彼らは自分たちの強みを活かして、小売店のその役目を大きく変えていこうとしている。

 無駄に商品を消費しない。無駄にゴミを創出しない。そのための仕組みづくりに秤のセンスが活かされている。そういう一連の技術の真ん中では、「Shop&Go PickUp」がある。店の中と外とで、大きな変革を生み出す。

 それは、まわりまわって、スーパーマーケットの価値を高めるから、意義がある。

 彼らの真骨頂は、鮮度の高い商品を発見し、ストレスなく、すぐに買えて、料理を楽しむことだ。それらが日常化したときに、そのスーパーマーケットはその人々の生活の一部となり、これらの仕組みも定着する。

 それが連鎖して、色々な利点を生み出しながら、大きく社会を変えていく。お客様と共に店は歩調を合わせて、どう変わりゆくかをさし示していく必要があるのだ。より地域に密着して、より買い物の楽しさを追いつつそれがリピーターとなり、全てがWIN-WINで街に活気をもたらすのだ。

 今日はこの辺で。

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