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楽天市場 ラ・クーポン 無料キャンペーン終了の真実

 その時は突然きた。「『ラ・クーポン』開始時より実施してきたクーポン利用料の無料キャンペーンを2024年3月末を持って終了いたします」。Rakuten OPTIMISMで語られた戦略共有会での事である。その後、店舗の何人かと話したが、直近で一番、店舗に影響が大きい話題と口を揃えた。「有料化」という側面だけで、その話題が一人歩きしそうだが、店舗がこれを機に変わるべき。それも事実である。今一度、本質を考えるべく、この話題を切り離して記事にしてみたので読んでみてほしい。

ラ・クーポンって何?

 そもそも『ラ・クーポン』に関しては2013年に開始され、10年が経過。規約にはそのシステム利用料がかかる旨、書かれているけど、一貫して10年、キャンペーンと称して無料でやってきた。「全てですか?」不勉強ながら、僕が尋ねると「そうです」と。え?マジすか。

 ただ、その甲斐あってか、クーポンは店舗の間で認知され、利用も進んだ。なんと、この10年でクーポン利用の受注件数は、約20倍にまで伸びているとか。もはや「お試し」という範疇ではない。刷新の理由がなんとなく、見えてきそうであるが、その前に、なぜ、このクーポンが支持されるに至ったのかを考えたい。

 それはずばり、店舗にとって使い勝手が良いからだ。

20倍の受注件数の理由

 通常のポイントキャンペーンは24時間単位で行われる。また、ポイントの上限も20倍までという具合。要するに、そこに制限が存在するわけだ。

 その点、クーポンにはその制限がない。具体的には、クーポンの表示を「5分」から設定でき、金額のオフも99%まで可能なのであr。だから、例えば、「30分限定」のキャンペーンが組めて、その時間だけ、「50%オフ」の企画を組むことだってできるのである。

 これは確かに使いやすい。さらに、いくら以上で何個以上などの利用条件も設定できるから、フットワーク軽く、この仕掛けなら、できる。それも、自分たちの予算に合わせて。

 仕掛けのしやすさが、20倍の受注件数に繋がったというのは、よくわかった。では、そのクーポンに関して、なぜ、このタイミングになって、無料をやめると言い出したのだろう。

無料キャンペーン終了の本当の理由

 結論から言ってしまえば、その利用状況によって、システム構築の費用が多くかかるようになって、無料でそれを支えるのは苦しくなった。はっきりとは言わないが、それを匂わせる発言をした。

 ただ、だから、お金を払ってくださいということでもないようだ。これを機に、クーポンの仕組みを見直し、そして適宜、システム利用料を徴収するという考え方にチェンジするという考え方が正しい。

 どういうことか。これまでは、楽天の会員ランクの指定でのみ、セグメントわけされていなかったのが、店単位となる。つまり、店ごとに抱えるお客様の属性に合わせた形で、それらのクーポン表示がなされるので、よりマーケティング要素が強くなるわけだ。

効果を考えクーポンを戦略的に使うフェーズへ

 つまり、店としてはそのクーポンの質によって、費用対効果が変わってくるわけだから、それを支払う金額に対して見合ったモノに絞って仕掛けをするようになる。これまではそういうセグメントも大雑把であったから、逆に無料であることも相まって、場当たり的な仕掛けも可能であった。

 しかし、そうではなく、しっかり戦略を組んだ中で、クーポンを活用することになる。だから、単純に費用が嵩んでいるので、お金をくださいというわけではなく、店もその費用対効果を考えながら、クーポンの活用を選んでいきましょう。そういう話になっていて、だから、刷新という言い方をしているわけである。

 楽天側の都合もありながら、時代の変化を感じる。つまり、不特定多数に、八方美人的に仕掛けをするのではなく、より店側もお客様のデータを分析する中で、どんな仕掛けをしていけばいいか。そこが大事になっていく。店舗も楽天もしっかりそこを見据えて、見極め、的確な仕掛けをできるように成長していかなければならないということだ。

 今日はこの辺で。

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