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日本各地の真心が“お中元”を通して 人との関係を深める契機に 2023年 「楽天市場」夏ギフトトレンド

 日頃、お世話になっている人へ真心を込めて贈る「お中元」。昨今、それは、ネットの浸透で、格式高い伝統的イベントから身近なカジュアルギフトへと変容している。例えば「楽天市場」では、各地のお店に光が当たっていて、それゆえに彼らの顔が見えやすくなった。だから、温もりが伝わる、より深い商品が届けられている。カジュアルになる事で、より深みのあるギフトがやり取りされる、このギャップが興味深い。

身近でカジュアル お中元

1.「熨斗なし」ギフトが広がる

 この日、僕がやってきたのは「お中元」に関する発表会。ずらりと並んだ商品群を前に驚いた。従来の格式高いお中元ばかりが並んでいるのかと思えば、そうではない。もっと身近でカジュアルなものが多く並んでいて、その部分を楽天グループは強調する。

 この日、席上、挨拶をしたのは、マーケティング部の本間萌さん。「楽天市場」に関連して、とあるデータを掲げて説明を始めた。それはカジュアル化を示す数字。

 「お中元特集」の開催期間中、購入時に「熨斗なし」を選択して、自宅以外の第三者に送付した商品の流通額。2019年対比で、2022年は2.4倍にも伸びていたのだ。

2.身近な分、流通も増加して多様化

 カジュアルなやりとりが広がれば、それがやりやすくなる。そのためか、そのギフト自体の需要も拡大している。お中元・夏ギフトの流通総額は2019年対比で2022年は2.6倍であった。すると、自然と提案する商品の中身も変わってくる。それが先ほどの商品群に現れて出てきているというわけだ。

 例えば、ヨーロッパ野菜。え?っと驚かされた次第。だが、「北国からの贈り物 産直ギフト」というお店の商品で、正真正銘のヨーロッパ野菜。なので、共通して日本では栽培が難しい。ただその分だけ、産地で取れるものを店側でその時々でセレクトして、送り届けるというスタイルを貫いている。

 だから、中身が何かは固定されていない。けれど、手に入りづらい商品で、かつ旬なタイミングという価値を手にする。当然、おいしさは保証済みで、満足度が高いが、例えばもしこれが、リアルのお店であればどうだろう。従来の考え方に沿って、当然、決まった商品を、決まった形で売ることになるだろう。その意味で、これを贈り物として選ぶなら、多様性を持つギフトとして、「お中元」に風穴を開けたといってよい。

3.専門性という顔が見えて個性を発揮

 食べ物を贈るというのは定番。そうであっても、見た目に色合い豊かな珍しい野菜が届く。見栄えもいいし健康的、という視点は女性などのウケも良さそう。同じく、新鮮なものを感度高く、専門家の目を通して、届けるという点では「Seika」もそうだ。

 元々、大田市場で100年の歴史を迎える、青果の老舗仲卸「船昌」が、提案するもので、こちらも農家の思いや食べ頃を考えて、フルーツを用意して送り届ける。だから、何を贈るかが決まっていない。

 それでもいいのだ。ここのフルーツ屋のベクトルが従来とは異なる。勿論、自分たちが誇りに思えるフルーツを送っている。しかし、彼らが大事にするのは、豊かな生活を彩る要素としてフルーツが存在するということ。つまり、素敵な瞬間を贈るきっかけがフルーツなのだという姿勢だ。

 それこそ、大切な人だからこそ、贈りたいのがギフトである。お中元ありきではなく、相手を喜ばせたい一心で、購買意欲が高まる。贈りたい気持ちにさせる「お中元」。それこそが、新しい「お中元」に現れた新風の価値そのものである。

贈る場面も変容

1.手渡しで活きる商材

 更にこれらのデータをもとにもう一つ、指摘をする。それは、先ほどの「熨斗なし」の動き然り、これらのギフトを手土産として捉えて、「直接、手渡す」機会が増加しているということ。カジュアルな動きとそれらは親和性が高く、その意味でも「お中元」の変容を後押ししているのである。

 確かに、ホームパーティなどの手土産には、今、記載した野菜もフルーツも、歓迎されることであろうし、ネタとしても盛り上がる事が必至。この二つの店舗の着眼点は、個人的にも、興味が湧いたので、近々、取材をしてみたいと思う。

 それ以外でも、「うなぎ屋かわすい 川口水産」の鰻は厚みがあって濃厚。セゾンブシェの黒毛和牛A4 等級以上サーロインステーキは肉から出る旨味が絶品。

 僕が個人的に発見だったのは、地味だけど(失礼!)魚沼産の「コシヒカリ」と新橋玉木屋の「世界のふりかけ」である。ここのふりかけは、変わっていて、ベーコンエッグのふりかけである。ふかふかの越後酒造 高野酒造のコシヒカリに乗せると、その価値は最大化される。是非、この2店舗の合わせ技で送っていただきたい。

2.お中元を機にニッポンの価値に気づく

 また、「失敗したくない」というニーズも多く存在するという。ゆえに「特化型」のカタログギフトが人気なのだというのだ。だから、カタログギフトの流通額伸長率は、約3倍。なるほど。マンネリを避けつつ、手堅さを求める傾向が顕著である。

 お気づきいただけただろうか。まだまだ、僕らが気付けていない切り口や商品があるということなのだ。だから、新しい価値が昔から続く「お中元」で光が当たればいい。かつそれを最大化させるべく、「お中元」の文化は多様性を持って、旧態依然から脱却するべきだ。

 語弊を恐れず言えば、最近、僕個人でいえば、お中元への関心をが薄れていた。なぜなら、毎年、同じ企業から同じものが送られてくるということも少なくないからだ。勿論、感謝はしている。けれど、それでいいのだろうか。

 なにより、冒頭にも書いた通りだが、特に日本全国の商品の価値に目を向けたい。ここに並ぶ全ての商品に共通して、店舗の顔が見えるし、温もりを感じたのは、「楽天市場」ゆえの特徴でもある。大切な人に贈りたいと思うギフトこそ、そういう真心のこもった商品が選ばれるわけで、その成長もうなづけた。

 つまり、何が言いたいのか。それは、お中元が、日本の各地を輝かせる契機になればいいということだ。こういう日本全国津々浦々の店舗が織りなす真心が、「お中元」を通して、人との関係性をより深めるきっかけになることを切に祈りたいのである。

 今日はこの辺で。

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