快適な睡眠をもっと多くの人に “西川” “GMOクラウドEC”のサブスクで眠れぬ本気の戦い
サブスクリプションという言葉は随分浸透したけど、多様化のフェーズを迎えている。例えば、睡眠にまつわるサブスクの話をしたい。今の時代に相応しい、快適な睡眠とは何か。それに挑んで始めたサービスが「SleepCharge」だ。寝具メーカーの西川の肝入りサイトで、彼らはECをテコに、GMOメイクショップの力を得て、サブスクで新しい文化を作ると意気込んだ。
未知なる戦い「寝具のサブスク」
1.寝具のサブスクに至る経緯
考えてみてほしい。そもそも寝具はもとより自分に合うかどうか分かりづらい商品である。「実際に何日か寝てみないと寝心地がわからない」なんて声が聞かれるくらいである。だから、そこで多くの人が躊躇してしまうわけだ。だけど、本当に良い商品を使う機会は、一部の人に限られて良いのだろうか。
そこで西川が編み出したのが「寝具のサブスク」けど、あまり例がなく耳に慣れない。だから、その仕組みの構築には大変な苦労を要していたはず。
僕はだからこそ、今一度可視化し、どう実現させていったのかの様子を知りたいと思ったのである。「SleepCharge」は、最新の睡眠科学を取り入れたコンディショニングマットレス[Air]の3種類をラインナップした。そして、負担の少ない月払いで寝具を利用することができる。更には、14日間に限ってだが、お手頃な価格の「お試し14日間コース」も用意して、その間口を広げている。
2.Airマットレスの性能をもっと多くの人に
[Air]マットレスというのは 西川曰く「独自の凹凸構造」をしているらしく、質の高い睡眠へと導く。しかも、 クッション性に優れたウレタン素材と組み合わせて、体圧負荷を分散しながら自然な寝姿勢をキープするのである。
睡眠について気に留めない人も少なくないけど、その眠りが変わることで、その生活は見違える。なんせ、海外で活躍する大谷翔平選手ですら、マットレスにこだわって、西川の商品を使っているくらいなのだから。
さて、[Air]マットレスについては、いくつかの種類がある。具体的には、 [エアー01]マットレス ベーシック・ハード(44,000円) [エアーSI]マットレス レギュラー(88,000円) [エアーSI]マットレス ハード(104,500円)。そこに書かれてある価格は定価である。
寝具のサブスクの衝撃
1.画期的である理由
その値段を見て、また躊躇したのではないか。冒頭、未知なるサブスクであると僕は言った。改めて「寝具のサブスク」の何が画期的なのかは、こういう要素がある。
寝具はそれなりに高価だという理由もまた、買うのを躊躇してしまう。だから、古いボロボロのマットレスをずっと使っている人もいなくもないだろう。それではマットレスの意味を成していないし広がらない。だけど、誰だって快適な睡眠環境を使い続けたいわけである。ゆえに、西川はもっと快適な睡眠を浸透させるために、「サブスク」にチャレンジしなければならないと考えた。
西川の提案は、敢えてレンタルで良質なマットレスを二年周期で代えていく。そして、お客様に快適な睡眠という部分で、寄り添うものを意図しているのである。
具体的には下記のようになる。
- ・定額レンタル「新品コース」:新品マットレスを2年契約、月払いで利用。(契約期間内に買取も可能)
- ・定額レンタル「お手頃コース」:西川認定リユース品を2年契約、より安価な月払いで利用できる。
- ・新品を一括購入(「お試し14日間コース」終了後)
2.まだ見ぬお客様の為にECができること
そこで、彼らが着想したのはECの技術で、その世界を具現化することだ。ところが、言うは易し行う難し。確かに、サブスクリプションが世の中に浸透している。とはいえ、寝具のサブスクリプションなど世の中にそれほど、ないから、標準のASPカードでやるには限界があった。そりゃそうだ、定期通販のシステムなのだから。
ここで登場するのが、彼らをサポートしてきたGMOメイクショップの存在。彼らは「GMOクラウドEC」というサービスを提供している。
西川がそれらを選んだ理由は、言うまでもない。そのカスタマイズ性の高さにある。彼らの意図する寝具のサブスクは、一からカスタマイズして作るフルスクラッチでなければならない。ここで両社による前代未聞の「寝具のサブスク」プロジェクトが始まることになった。
3.仕組み作りからシステムの連携まで初の事だらけ
前例がないから「GMOクラウドEC」はその仕組みづくりから入り込む。例えば、特徴的なのは、「SleepCharge」の中身に新品とリユースの両方のコースがある。
それを具体的に示すなら、こちらだ。まず新品コースである。
もう一つはお手頃コースである。
これを聞いて、僕はビジネス上、リユースがあることが重要だと考えた。新品から返却されたものがリユースに回され、安易に廃棄されることなく、有効活用される。しかも、それは新しいビジネスチャンスに生かされている。SDGsの観点からも重要である。
4.倉庫を工夫しシステム連携
とはいえ、リユースが存在することで、業務フローが複雑になる。例えば、物流だ。返品されたものを入庫し、クリーニングして、また再度、リユース出荷用の倉庫に預ける。トリプルで送料がかかる。色々思案する中で、西川が配送コストを軽減する為に、クリーニングと保管を兼ねた企業を用意した。
「GMOクラウドEC」も、西川だけではなく、その倉庫兼クリーニングの企業との連携システムを新たに、構築して、その商品管理を徹底させてきたわけである。
また、レンタルだから、それ自体に番号を与えて、管理を徹底しなければならない。同時に、西川のサブスク担当は、それを管理画面上ですぐに把握できるように、仕組みづくりをしなければならない。
考えるだけでも、双方の努力は大変なものであったことを想像する。
サブスク、そしてECの多様化 その先に消費者のまだ見ぬ笑顔がある
色々それ以外も話していたが、苦労話を書くことは趣旨ではないから、ここでは割愛する。
ただ、これらの話を聞いて言えるのは、デジタルを用いることで、これまでにできなかったサービスをもたらす可能性があるという事だ。作業がデジタルで自動化できる分だけ、効率化が図られる。その分、コストがかかると敬遠されていたことが可能になる。
西川で言えば、自分達の商品に対して、特段のこだわりがある。サブスクは手間がかかる仕組みではある。しかしそれ以上、その満足度を実感してほしいという思いが強かったわけである。だから、カスタマイズをしてでも、やり遂げた。0から着想して作り上げた、独自のサブスクリプションの仕組みであって、彼らにとって感慨深いものであったろう。
つまり、今まで埋もれていた企業の可能性が、デジタル化により、僕らの想定を越えて、快適なサービスとなって、提供できるというわけである。企業の魅力を発掘することの意義を思うのだ。それを鑑みると「GMOクラウドEC」がやった、フルスクラッチでのEC開発ということの意味を思うし、よくやったと讃えたい。
むしろこれから、彼らのような企業の需要が増えるのではないかと思う。
でも、このサービス然り、本当の夜明けはこれからだ。ただ、僕は西川のようなお客様想いな、新しい切り口のサービスが、EC系サービスにより、世の人たちの心を潤すことを切に祈るのである。
今日はこの辺で。