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日本版?モール型? ライブコマース の革新に挑む au PAY マーケット ライブTV

 ライブコマースというとどんなイメージを抱くだろう?インフルエンサーによる熱狂?それはそれで正しいけれど、ここでは、少し違った視点で見てみたい。それはKDDIとauコマース&ライフが運営する「 au PAY マーケット 」で見せた「 ライブTV 」での動き。そこには日本版と言おうかモール型と言おうか独自視点で進める姿があってそこに僕は注目したのだ。

ライブコマース を 日本風に モール的に

中国とは違う ライブコマース を

 世間で言われるライブコマースのイメージは、中国などで盛んになっているもので、大抵が特定のファンを持つインフルエンサーが行うものだ。その背景には、偽物を買わないために「信用できる人から購入する」ことを重んじる傾向があるからであって文化と紐づいている。

 だから、インフルエンサーは普段からライブ配信をして情報発信をしていて、それを前提にセールなどのタイミングで、ドッと安く商品を売る事で熱狂は生まれる。わずか1時間の配信で数億円を売り上げるなど、売上金額と共にやや過熱気味に報道されることも少なくない。

 それに対して「ライブTV」では語弊を恐れずいうなら、食卓でテレビ番組を見る雰囲気に近く穏やか。人を選ばぬ作りで構成からキャスティングまで幅広い層を意識して、作り込まれた番組に仕上がっている。その強化の為に、先程の二社が吉本興業と連携する気合の入りようで、「生配信!よしもと市場」という名前でテレビ番組さながら、継続して配信されている。

 「吉本興業という事務所は人気芸人を抱えつつも番組制作のプロです。この連携にはその知見を番組に取り入れるという狙いもある」とKDDIとauコマース&ライフは言う。安定感があるのはそれもあるだろう。

エンタメ要素も取り入れつつ、毎日来てもらえる空間を

 それでいて、彼らの姿勢にも合致している。その姿勢というのは以前、auコマース&ライフ 代表取締役 八津川博史さんがこう話していたと記憶する。

 「投資した部分として挙げられるのは、グループ一体となっての地道なアプリ開発と改善です。au PAYの冠がつく様々なアプリと行き来しやすく、UI・UXの改善などに努めてきた。」と。また、彼らとしては、その中でいかに『au PAY マーケット』をデイリーユースしてもらえるようにするかが肝であることも強調していた。

関連記事:【連載】 八津川社長 と語らう au PAY マーケット 脱却すべし店の受け身体質

 その点、「ユーザーはよしもと芸人の方々と普段、接点がありませんが、この番組ではインタラクティブなやりとりも可能です。『行けば何か起こる』ことを期待して、毎日見てもらえるし、それがここに長く滞在してもらえる要因になります」とライブTV担当者は語り、八津川さんの説明とも一致している。

ライブTV担当者の(左から)八高さん、山崎さん、加藤さん

 テレビとライブ配信の間を行く新感覚は彼ら独自のやり方である。よしもと芸人の方々もここではコメント機能というものの使い道を理解して、テレビ番組での経験を活かしながらも、それとは違った形でライブTVならではの「お客様のエンゲージメントを高める」工夫を実践している。

KDDIの5G推進の裏で、ネット通販を絡めた積極的な挑戦

 しかし、彼らがここまで会社として「ライブTV」を注力する理由と共に、僕らは彼らに何を期待すれば良いのか。それを尋ねてみると「私たちは通信という母体を持っていて特にエンタメ領域では強い。最近は「5G」を推進する過程において、エンタメへの投資は積極的に行なっている。そのような環境下だからこそ「ライブTV」はグループ内での期待も高くアクティブに取り組めていて成果も出やすい」と答える。

 要は「ライブTV」はKDDIグループの強み、そしてグループ内での自分達の強みを活かし、それを他モールとの差別化要因にしようという事なのだろう。

日本版?モール型? ライブコマース とはどうあるべきか?

ランキングを巻き込みながらその強みを最大化

 さて、とはいえ、インフルエンサーによるライブコマースとは、何が違うのか。売上面や彼らが果たす役割において聞いてみた。彼らはこの点、“モール型の”ライブコマースと説明する。ライブTV担当者達は「特にランキングと連動させて、活用することで成功の方程式が出来つつある」と述べてくれた。「ランキングですか?」と僕は聞き返した。

 実は、この「ライブTV」は見ている瞬間に衝動買いを誘う要素もあるので、ランキングに反映されやすい。それが結果、「ライブTV」を見ていない人をも吸引する形となり、更に、ランキングを上位に押し上げる。インフルエンサーが発信するものは、熱狂は大きい反面、その中でしか完結しない。ライブ配信の熱狂の余波をランキングに活かして、その配信時以降の継続的な売上にも寄与するというのが彼らの強みなのである。

ヤッホーブルーイングのライブTV限定商品はランキングも巻き込み1万セット売れた。

 それは地道によしもと芸人と共に、ある一定の周期で一つのシリーズで丁寧に番組を作り続けているからこそ為せる技だ。ここで日常、何気なく見に来てくれるユーザーが増えることが起点となって、純粋にランキングで結果となって現れる。こういう形でモールがお店をブランディングする方法もあるのかと気付かされた。これが彼らの言うモール型のライブコマースか。

自社の直販で挑戦、その事例をモールの出店店舗に情報提供

 それだけではない。彼らは、自分たちの強みとして、モールと直販を同時並行でやれることを挙げている。まず最初に、モールに出店するお店がライブ配信の強みを発揮して、実績を作るのが一つ。もう一つはモールでどこの店舗も取扱のないものは直接、auコマース&ライフとして仕入を行ない、自分たちで販売をしながら、勝ちパターンを検証することもできるのだ。

 先日もハワイと繋いで、地場のブランドのTシャツなどを「ライブTV」で販売したのだが、ハワイ住民からは支持を集めている反面、日本人には馴染みがない商品群。正規輸入もない難易度の高い商品であったが、彼らは敢えて、現地にいる生産者の想い、ハワイのデザイナーなどからしっかり話を聞きだした。それに納得したユーザーがどれだけ商品を買ってもらえるのか新たな勝ちパターンを彼らなりに模索したわけだ。

 今のTシャツの話で言えば、モールに出店する店舗で、Tシャツ屋に同じパターンでの販売方法を提案するとともに、それ自体が商品の仕入れにおけるヒントなどにもなるだろう。お店に気づきを与えて、そのポテンシャルを引き上げるのも彼らの使命ということだ。

 日本版と言おうか、モール型と言おうか。他とは切り口を変えて突き進むライブコマースの「ライブTV」はまさにこれからが正念場である。日本ではライブコマースが席巻しているとは言い難いからこそ、auという通信キャリアが推し進める「5G」の追い風を受けて、エンタメ要素たっぷりにどれだけお客様を驚かせ楽しませられるかどうか。ライブコマースの新たな切り口で、お店の価値が今までとは違った形で光り輝くことを祈りたい。

 今日はこの辺で。

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