ENEOS エニキャリ 実証実験 発表 デリバリー で店に革命
僕らを取り巻く世界はどれだけ、変化していくのだろうか。その変化はまずは配送の部分から起こっていき、街のインフラが代わり、お店すらも変えていくのだろうと思った。先ほど、僕が参加させてもらったのは、 ENEOS や エニキャリ などが開いた デリバリー に関する記者会見であった。
その発表によれば、ZMPが手がける宅配ロボがごく当たり前に、僕らの日常の飲食店を筆頭に、商店街にあるような洋服店、コンビニなどにある商品を運んで、自宅へと送り届けてくれるのである。イメージとしては、それらのお店と僕ら消費者がダイレクトで結びつく、そんな感覚である。
具体的には受注が入ると、お店がその商品を用意して、エニキャリの配送員がENEOSのサービスステーションに運び、スマホでZMPのロボットをQRコードをかざして、下の写真(左上)のようにそれを読み取って扉を開けて詰め込み、それを乗せたZMPのロボットがお客様のもとへとそれを運ぶわけである。(お客様はORコードで扉を開いて取り出す)。
ちなみに、これらのお店側には、松屋、ローソン、磯丸水産などがあり、複数店舗の商品を、複数のロボットを使って、複数の届け先に運ぶ。
その実験的取り組みは、佃・月島エリアにおいてまず行われていて、その宅配ロボの拠点こそがENEOSのサービスステーションである。何気なく車でガソリンを調達する拠点は、その消費者とお店をダイレクトに繋ぐ、中継地点のような場所へと変えていこうというわけである。
冒頭に書いたエニキャリは、元々上記の通り、配達員を自ら抱えて、30分以内で配達することを主眼に置いているので、お店に商品を受け取りに行き、このZMPが手がける宅配ロボをその配達部分に適用する。
今後、ここでいかに人を使うことなく、デリバリーを“自動化”させられるかが、要だろうと思う。
また、一番効果的な道のりなど、様々なデータをZMPが手がける宅配ロボにフィードバックすれば、このロボ自体がアップデートできるはずだ。精度が増せば、より配達の存在を意識することなく、ダイレクトにお客様とお店とを繋ぐことになるから、エニキャリとしては、店に新しい価値をもたらすことができる。
今は無闇にこの配送員を増やすのは妥当ではない。ただ、ここが今話した通り、自動化されれば、店が変わるように思うのだ。店は元々「受け身」なもので、お客様を待つことでしかなかった。
いわば“配送の自動化”ができれば、もっとお客様と接点は自由に多様性を持ったものとなり、店としての新たな可能性を引き出す可能性を持っている。継続的に購入に至るようなオリジナルの加工食品なども作れば、もっとお客様とのアプローチも多様化し、店としての基盤も盤石になると思う。
縦割りで、販売・受注・配送という概念そのものが古くなるのではないか。店がブランディングに注力し、顧客とどういう関係性を築いていくかを考え始める上で、配送の存在感はなくなるほどに、よくなる。
サービスステーションなども、2030年代半ばまでに国内で売る新車はハイブリット社や電気自動車などにしていく、そんな目標を政府が進めているだけに、ENEOSはガソリンの使わない電気自動車、そして自動運転の時代を迎えた際の備えをしているわけだ。もう世の中の既存の価値は全く違ったものに見えてくるのではないかと思う。
すでに彼らの構想にはロボタウンという考え方があって、高層マンションに住む方々とお店とをつないで、それこそ、配送を意識することなく、近隣の店との交流ができるように仕向けていくわけで、それが冒頭に話した「僕らを取り巻く世界はどれだけ、変化していくのだろうか」ということにつながっていくのである。
恐らくこの10年ほどで、世の中の拠点や企業や考え方はその利用の仕方も影響を与えて、大きな変化が生まれるかもしれない。思えば、今から20年前、誰がiPhoneを手にこれだけ世の中が変わるなんて、予測できただろうか。それと同じで、それこそ、店も僕ら消費者も、こういう一歩により、その価値観を大きく変える、その時が来るかもしれない。
今日はこの辺で。