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小売業 製造業 とは〜 物販をする時の“利益率”の考え方

小売の理解-メーカー問屋小売店の存在意義

 全ての小売業の原点は商品にあります。例えば、お店も、メーカーも、そこで働く人の給料はどのように発生したのでしょう。言い換えれば、どうやって企業はその中で、利益を得ているのでしょう。その話をしましょう。商品が原点にあるから、メーカーを軸に小売業との関連性を俯瞰してみる。そうすることで、その中身を理解することができます。

メーカーは全国各地に

1.メーカーとは

 ものがなければ、小売は成立しません。それゆえ、その原点には必ずメーカー、製造企業が存在します。トヨタ自動車、SONY、任天堂などはもうお馴染みですよね。日本を代表するメーカーです。ただこれらはいずれもその部品を作っている製造企業も存在していて、相互に補完し合っています。

 だから、名が知れたメーカーなど、それはほんの一部なんです。例えば、東京都だけでも8万1000企業です(経済産業省調べ)。それらが製造企業全体で占める割合は12.2%です。つまり、それだけ全国各地、色々なメーカーが存在して、様々な商品が生まれていると言えます。

 少し話がそれますが、下請けメーカーなどは労働環境が過酷な事がすくなくありません。そうすれば、製造業は衰退します。そこをデジタルで変革を起こそうという動きもあります。つまり、環境を良くして少しでもその製造業の数を減らさないようにしていく為の工夫といえます。

2.小売業との関係性

 さて、ここでは小売業との関係性に重きを置いて考えていきます。いきなり、ものを作っても、小売店では販売されることはありません。雑貨業界を例にとって説明しましょう。

小売の構造
小売の構造

 つまり、メーカーで商品を作ってそれを問屋に売るわけです。問屋はそこで粗利を取って、店舗に販売するわけです。概ね、どの業界もこういう構造をしています。ちなみに、企業から企業へ商品を売ることを「卸す」という言い方をします。だから、「卸売」という言葉があるんですよね。

小売業 が 物販 する時の 値付けの重要性

1.最終的にはお客様への定価に繋がる

 ここで値付けが大事になります。なぜなら、上記のように色々な企業の手を渡って商品が販売されるから。それぞれに取り分がなければ、いけません。ということは我々が、商品を買うという行為で、実は色々な企業にお金がいくことになります。

 とはいえ、小売というのは結局、正当な対価を持って支払われます。つまり目の前の商品の価値と価格は連動しているから、実は難しい。

 例えば、スーパーに並ぶサンマを思い浮かべてください。このサンマの価格は変動しています。100グラム60円から140円の価格推移からすると、大1尾は120円から280円になるわけです。

 じゃあ「美味しいサンマは価格が高いのか」。そうとは限りません。ここが値付けの重要なところです。その時に出荷量が多いかどうか、で判断されます。つまり、美味しいかどうかではない。市場に出回っていて、レアかどうか、ということになります。だから、価格というのは価値に伴って、変動するものなのです。

 常にお客様の求める価値と価格は対等なのです。

2.メーカーはものづくりとブランド価値の創造

 なので、対価に相当する価値があるか、というのが値付けのポイントになります。よく家電などは「メーカー希望小売価格」という表現があると思います。これは、メーカーが「この商品はこの価格で売って欲しい」といっているわけです。

 メーカーの仕事はその定価に見合った価値を持った商品を作るということを主眼に頑張っているわけです。だから、そのことをちゃんと伝える為に、テレビCMをするわけえですね。しっかり性能を伝えて、ブランド価値を創造します。そして、その単価に見合った価値があると証明している、ということになります。

 ただ、「希望小売価格」と言われます。つまり、強制することは原則的にはできません。

 え?Appleの商品とかは滅多に値下げされていないよね?そんなことがあるかも知れません。でも、それはメーカー側の努力なんです。売り先を絞り、徹底したブランド戦略を築いています。商品にそれだけのブランド価値があると訴求した上で、売り先を絞れば、その価格に納得して、購入する人が出てくる。例えば、それを色々な問屋に売り捌けば、色々なところに商品が並ぶから安さで勝負をしてしまうわけです。

3.小売店は対価に見合った価値を売り場で訴求する

 さて「小売店」はそんな意味で、常に消費者と向き合う最前線にいます。だから、その価値を伝えて販売する努力をします。ただ、その一方でお客様にその対価にふさわしいと思ってもらえない商品は、売れず、儲けは0円どころか赤字になります。なぜなら、どこかから仕入れて売っているので、その企業にお金を支払うからです。お客様に売って、その利益で仕入れた企業に支払う。この時に小売店にお金が残っていなければ、赤字です。

 仕入れ値の価格(上記で言えば、600円)を下回らない限りまで、値下げしたりしながら、リスクヘッジをするわけです。よく、半期に一度、在庫一掃セールを行うのはそういう理由からなのです。

4.問屋は複数メーカー商品を必要な量だけ小売に提供

 最後に、問屋の役割です。

 メーカーというのは数を多く作って、それを色々な問屋に「卸す」事で生産メリットを出します。どう言うことかと言うと、商品を多く作れば、その分、工場を常時、稼働させることができますよね。ずっと稼働し続ける工場の数はどのくらいか。そしてその製造に見合った売れる数はどのくらいか。そこに意識を割きますから、細かな店舗へのケアは「問屋」に任されます。

 一つの段ボール箱のなかに例えば12個なり、24個ずつ単位で送るのです。「1ロット」という言い方で、原則、同じ商品をその単位で、出荷します。それは「3個発注」などと言ってここのお店に送るのであれば、まず段ボールに隙間ができます。そして、その数が無限に膨れ上がります。どう考えても、メーカーとして生産性が高いとはいえません。だから、間に問屋が入り、この1ロット分を買うのです。それで、小分けして、他のメーカーのものと合わせて、「小売店」に販売するわけです。

 店の立場で考えましょう。一つの段ボールの中に、色々な商品を入れて送ってもらった方がいいですよね。なぜなら、上記に書いた通り、在庫は適量仕入なければならない。その段ボール単位で発注をし、問屋はそれに基づき、取りまとめをして、これで、それぞれの役割がウィンウィンになっていたというわけなのです。

 細かな話になりますが、この段ボールの中身に関しても、「卸値の代金が全部足して20,000円以上になれば、商品を詰めた段ボールの送料を無料にします」などと言ったりします。そうやってなるべく段ボール一つを有効に皆が活用して、企業から企業へと受け渡されていくのです。

 これが小売の構造の原点になります。

小売の変化がメーカーの変化も促す

 非常に面白いのはこの構造に揺らぎを与えているのが昨今のネット通販の動きということです。なぜなら、今まではお店は地域をケアしていたのです。ところがネット通販により、全国各地にそれを売ることができるようになりました。

 だから、どの地域にいてもまとまった数量を作り出すことができるようになりました。だから、この「越前かに 甲羅組」のようにわずか12年で全くの0円から100億円の売り上げを出すなんてことが可能になったわけです。

 そこからさらに踏み込んで、数で勝負する時代ではなくなりつつあるともいえます。これはリアルでも同じです。つまり、世界中と接点ができて、グローバルで考えるようになる。だから、小さくとも何か特定のニーズに対して勝負をすれば、それがある程度、「最小ロット」商品を作り、売れるだけの環境ができてきたわけです。

 それがリアルで言うと「ZARA」の例になります。必要数量だけ作り、そしてそれを特定のユーザーに対して売れば、在庫がなくなります。それを徹底して、セールという文化をなくして、会社の成長を促したというわけです。

 このように世の中は、小売の変化を中心に製造メーカーのあり方も変えているのです。

今日はこの辺で。

 

 

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