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DOKKAvividが描く、新たなファッションの未来─夏 明豊が語る、創造と循環のものづくり

 ファッションは、ただの衣服ではない。それは表現であり、メッセージであり、時に社会の在り方すら変える力を持っている。株式会社DOKKAが展開する DOKKAvivid は、まさにその理念を体現するブランド。「Spice for your life.」を掲げ、ファッションを通じて人々の生活にスパイスを加える。そんな彼らの活動は、ただの洋服作りにとどまらない。

 アップサイクル、レンタルモデル、そして舞台衣装のリース事業と、彼らは「消費されるだけの服」ではなく、「循環する価値のあるアイテム」を生み出す挑戦を続けている。この記事では、DOKKAvividの創設者の一人である 夏 明豊さんが語る、ブランドの成り立ちやビジョン、そしてものづくりに込めた思いを深掘りしていく。その言葉の一つひとつには、単なるファッションデザインを超えた、彼らの哲学が込められていた。

1. ルーツは「民族衣装」と「幼少期のインスピレーション」

 DOKKAvividのデザインには、どこかエキゾチックなエッセンスが散りばめられている。それは、創設者である夏さんの 幼少期の経験 に深く根ざしていた。

「私たちは、幼なじみ2人でブランドをやっているんですけど、通っていたのが 中華系のインターナショナルスクール で。小さい頃から民族衣装に触れる機会が多かったんです。」

 華やかで、カラフルで、そして文化的な背景を持つ衣装たち。

 それらは、夏さんにとって 単なる服ではなく、物語をまとったアート作品 だった。

 やがてそのインスピレーションはDOKKAvividのアイテムに息づき、現代のファッションと融合することで、ユニークなデザインへと昇華された。

「舞台衣装やパフォーマンス衣装を手がけることも多いのですが、そこには単なる装飾ではなく、“衣装そのものが物語を語る” という考え方が反映されています。」

 ファッションがただの「流行」ではなく「文化」や「自己表現」の手段であること。DOKKAvividの服には、そうした芯のある哲学が込められている。

2. コロナ禍で生まれた「カラフルマスク」──アップサイクルへの第一歩

 DOKKAvividのブランド展開は、意外なところから始まった。2020年、新型コロナウイルスの影響でマスクの需要が急増。そのとき彼女らが選んだのは、ただの量産ではなく、 廃棄されるはずだった古着を使ったカラフルなマスク作り だった。

「最初は単純に、“必要とされるものを作ろう” と思っていました。でも、作るうちに “これって、ただのマスクじゃなくて、アップサイクルの可能性を示せるんじゃないか?” って思い始めて。」

 単なる使い捨てのアイテムではなく、 不要になったものに新たな価値を与える という視点。この成功をきっかけに、DOKKAvividは アップサイクルファッション という方向性へと舵を切った。

 それは 「消費」ではなく「循環」するファッション への挑戦でもあった。

3. 「売る」だけじゃない。レンタルモデルへの進化

 ファッション業界の課題のひとつに、「大量生産・大量消費」がある。DOKKAvividは、それに対する答えとして レンタルモデル を取り入れた。

「私たちは、服をただ買って終わりにするんじゃなくて、 “循環” させたい んです。」

 彼女たちは新人アーティストを発掘するイベントでグランプリを受賞し、東京のイベントにも参加。その経験を重ねるうちに、スタイリストからのオファーが次第に増えていった。

 それで、2022年、彼らはBtoB向けに 衣装の貸し出し事業 をスタート。アーティストの衣装、ライブ用のステージ衣装、広告用の衣装など、 消費されるのではなく、使い回される仕組み を作った。

「ファッションって、一度着たら終わりじゃない。誰かが着て、また別の人のもとに渡ることで、新しいストーリーが生まれる。」

 この取り組みは、多くの企業やクリエイターから支持を集め、DOKKAvividの 「持続可能なファッションブランド」としての立ち位置 を確立することに繋がった。

 僕は正直、気になって、彼女に尋ねた。それは、彼女のように表現する人は数多く、存在する。ただ、その中で彼女のように脚光を浴びる人と、語弊を恐れず言えば、日の目を見ない人がいる。その差はどこに生まれるのだろう。彼女の場合、わずか数年でここまできたから、「他と何が違っていたのだろうか」と。

4. 「社会課題 × クリエイティブ」が生み出す新たな価値

 「世界観はあります。ただ、それをアップサイクルにする事で、社会とのつながりが生まれる。独りよがりではなく、社会課題を受け止め、それをクリエイティブで昇華することで、新しい価値が生まれるんです」

 なるほど。ただ見てもらうだけではない、何かしらのフックがあるのだと気付いた。

 つまり、DOKKAvividの特徴は、ただデザインが独創的なだけではない。それ以上に、 社会課題とリンクさせたものづくり をしている点が新しい接点を生む。

「“独りよがりなデザイン” ではなく、社会と繋がるデザイン を大事にする。」

 この言葉の持つ意味は、何かを生み出すすべての人に気づきを与えるのではないか。アップサイクル、レンタル衣装、そしてコミュニティとのコラボレーション。そのすべてが、 “世の中に必要とされるデザイン” という視点から生まれている。

 「“サステナブル” って、昔は地味なイメージがあった。でも、僕はカラフルな服が好きで、エネルギーがあるものを作りたかった。だから、“サステナブルでもワクワクするもの” を作ることにしたんです。」

 一見すると対極にあるような要素を組み合わせ、新たな価値を生み出していく。例えば、民族衣装という伝統という軸でも、つながりが生まれ、振袖のデザインもしたという。その発想こそが、DOKKAvividの “らしさ” なのかもしれない。そして、それによって自らの表現への入り口を作ったのだと気付いたのである。

5. 未来のファッションに必要なのは、「ストーリー」と「共感」

「ファッションって、結局、 “誰にどう響くか” が大事 なんですよね。」

 夏さんの言葉には、DOKKAvividが大切にしている 「共感」 の価値が詰まっていた。

「単にデザインが優れているだけじゃなくて、“これ、着たい” って思わせるストーリーがあるかどうか。それが、ファッションを長く愛されるものにする秘訣だと思うんです。」

実際に、DOKKAvividのファンは デザインの良さだけでなく、その背景にあるストーリーに共感している。彼らの服は、ただのアイテムではなく、一つひとつが「物語」を紡いでいるのだ。

「消費されるだけの服ではなく、循環するファッションを。」

DOKKAvividが描く未来は、これまでのファッションの概念を大きく変えるものかもしれない。彼らの挑戦は、 「服は、ただ着るものではなく、共感し、循環するもの」 という新しい価値観を生み出していく。

これからのDOKKAvividがどんな物語を紡いでいくのか、楽しみでならない。

 今日はこの辺で。

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