使い道も多様化 現地でふるさと納税 空港でアピール
お金の使い道も様々。その選択肢の幅も随分、広がった。ユーザー側が各々使い道を考え、取捨選択して、使いたいところに使いたいだけ、使う時代。ただ、現金を使うばかりではないのだ。僕は、羽田空港にきて、多様化する「ふるさと納税」の実情を見て、それを痛感した。何をやっていたのか。「さとふる」が「PayPay商品券」のキャンペーンをしていたのである。
商品券を空港でアピール?
ん??「PayPay商品券」とは何?それがなぜ、ふるさと納税に関係するのか?そう思われる人もいるだろう。
まず、大前提として「ふるさと納税」は遡ること2007年、創設。2008年度に開始したもの。それなりの時が経過したが、当初、お礼品は一般的ではなかった。しかし、一部の自治体が「寄付をしてくれたお礼に何かしたい」という考えからお礼品を送るという行為を開始。それが徐々に広まっていくとともに、その認知が広がって、今の形式に至ったわけだ。
でも、それは原則、自宅でその返礼品を受け取るもの。本音を言えば、地方自治体は、現地に来てほしい。その点を踏まえ、新しい価値を見出したのが「PayPay商品券」である。一言で言うなら、現地に足を運ぶことを意図した「ふるさと納税」。
PayPayのインフラを活用して行動にふるさと納税を絡める
ふるさと納税で寄付して「PayPay商品券」を返礼品として手に入れる。一方、全国各地にPayPay加盟店は広がっているから、そこでそのインフラを活用して、その“商品券”を使うわけだ。現地で「PayPay」アプリを使って、飲食店やお土産や、宿泊施設などでそれを活用すれば、それが寄付行為となる。地元に来てほしいと思う自治体の気持ちに応える、新しい寄付の使い道である。
しかも最近、利便性を上げるようにと、PayPayの支払い機能がアップデートされた。QRコードを使う際、ふるさと納税の該当店舗であれば、自動的に商品券の方に切り替わる。それまではユーザー側がその「PayPay商品券」を表示させてからやっていた。それからすれば、相当、手間が省ける。
UI、UXが高まった中、これから旅行する人にこの存在を認知してほしい。なぜなら、まさにこれから旅行する人こそが、この「PayPay商品券」の魅力を実感できる立場にあるからだ。
思えば、東京都心ではちょうど、夏休みに入るこのタイミング。確かに、羽田空港第一ターミナルのマーケットプレイスには、リュックやキャリーバッグを持った人が多い。
旅行者の気を引く演出
なんですか?これ。僕は、「日本地図」が描かれた巨大なボードに足をとめた。「これは、各地の名所や名産を日本地図の上に貼り付けるんです!」とさとふるの大場さん。
下を見ていただくとわかるが、おすすめ情報を記入してもらい、、、
そうやって、旅行前の気持ちの高鳴りを触発しながら、巨大なくじへと導く。時間が経つにつれて、旅行好きが集まるこの拠点らしく、何分も経たないうちに、そのボードが埋まった。
ぐるぐると回す旅行客の姿と、そこに続く長蛇の列。それも無理もない。実はこのくじの一等は「ふるさと旅行クーポン」4万円分。
2位は、返礼品で人気の産地ジュースで、当たらなくても参加賞のクッキーがもらえる。くじの中身のリーフレットにはPayPay商品券についての紹介ページへアクセスするQRコード。
しっかりPayPay商品券の価値を伝えるスタッフたち
案外、この賑わいが奏功しているのか隣のテーブルで、このPayPay商品券について熱心に聞く旅行客の姿も印象的だった。現金を使うのとは違って、ふるさと納税で税金の控除を受けながら、上手にお金と向き合いつつ、地域に貢献できる。その新しいお金の使い道には、皆、一様に関心を持っているのだと思った。
テクノロジーが進化して、決済のあり方も多様化してきた今、我々もお金の使い道も上手に自分の使いたい先に、使いたいだけ使えるように進化してきた。それが、こういうキャンペーンなどの機会によって認知され、しかも、旅行者の場合、旅行を控えたポジティブな気持ちで溢れている。その旅行先での「PayPay商品券」の利用は勿論だが、そこでの理解が未来の利用に直結するという意味で、このキャンペーンは意義がある。
冒頭、話したように、お金の使い道の多様化である。単純に現金で支払うのではなく、真に地元に貢献できるように、現地に足を運んだ上で、その地方にふるさと納税でも寄与して、プラスの価値をもたらす。人々のお金の使い道の進化で、地方が素敵に活性化することを祈念する。
今日はこの辺で。