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“推し活” 経済 侮るなかれ ブックライブ 意識調査 に見える 熱狂とその後の行動

 凸版印刷株式会社のグループ会社である、株式会社BookLiveは、運営する総合電子書籍ストア「ブックライブ」において、マンガ好きの会員 3,951名を対象にした「“推し活”に関する意識調査」を行った。同じように熱狂しているけど、 経済 に与える影響も実は大きい。消費に関して言えば、それが何に直結するのか、という視点を持つことが大事なのだと言うことがよくわかる。商品はそれらの熱狂の背中を押す存在であれば、より受け入れられるに違いない。

“推し活” で 経済 が動く

1.マンガキャラへの熱狂はどういう行動へ駆り立てる?

 そもそも“推し活”とはなんぞや。アイドルやキャラクターなどの「推し」、いわゆるご贔屓をこよなく愛して「推しを様々な形で応援する活動」のことである。そこでマンガ好きな会員に調査を行ったわけである。

 まず「あなたの推しの対象を教えてください」との質問に対し

  • 1位「【2次元】マンガのキャラクター(もしくはマンガの世界観)」
  • 2位「【2次元】アニメのキャラクター(もしくはアニメの世界観)」という結果。

 また、回答者それぞれの推しの対象ジャンルを平均すると一人当たり2.45次元※1となり、「マンガキャラがイチ推しだが、それとは別に3次元でアイドルの推し活もしている」、「アニメのキャラを推しつつ、推しキャラに声をあてている声優も推す」など、複数ジャンルの“兼ね推し”と呼ばれる形態が主流であることがわかった。

※1…マンガやアニメを推している回答者を「2次元」推し、アイドルや俳優など実在する人物を推している回答者を「3次元」推しとして、推し活をしている人々の推しの対象の平均次元を算出

 続いて「あなたの推し活の内容を教えてください」という質問に対し、マンガ、アニメ、ゲームのキャラクターなど「2次元」作品が「イチオシ」のユーザーと、アイドル、俳優、声優といった「3次元」の人物が「イチオシ」のユーザーの回答、それぞれ分けて下記に示してみよう。

 「イチオシが2次元」のユーザーは「関連グッズを買う」、「イチオシが3次元」のユーザーは「ライブやコンサートに行く(オンライン含む)」がそれぞれ最多である。関連グッズやDVD、ブルーレイなど展開される商品の種類や数は、それぞれの「推し」のジャンルにもよるので一概には言えないが、「2次元推し」は推しを象徴もしくは体現している「物を持つ」「3次元推し」は「実際に会う」という活動により、推しと接点を持つことを楽しんでいるようである。

2.「活力・勇気」であり「癒し」であり「胸キュン」な存在

 最後に、具体的に「推し活」が気持ちの面にどのような影響を与えているかを調査している。「“推し”からの供給にどんな気持ちになりますか?」の問いに対し、1位は「活力・勇気」、2位は「癒し」、3位は「胸キュン」となった。「その他」の中には、「尊敬・崇拝・信仰」、「感謝」、「生きる希望」、「わが子のような気持ち」といった回答が見られる。

 実際、下のデータでもある通り、自分を満たす熱狂ぶりが消費に影響していることがよくわかる。

 なお、2021年6月にブックライブの「マンガ好き会員」を対象に行ったアンケート調査では、コロナ禍において夏季ボーナスは減少ながらも「推し活」への支出は増加している傾向が分かっている。

 新型コロナウイルスの影響で推しのイベントが減ったことを受けて推しを応援する気持ちでグッズ購入に力を入れた人や、もともと推しからもらっていた「日々の活力」や「癒し」といったものがコロナ禍という状況で一層強く求められるようになり、それぞれの支出の増加につながっていったのかもしれない。

3.推しを見られるマンションに引っ越したなどの行動も!?

 ちなみに、ーザーから寄せられた「推し活」の思い出深いエピソードの一部を紹介することで、よりイメージを明確にしてもらえたらと思う。まずは、「性格や趣味が変わったというエピソード」から。

  • ・休みの日は家に引きこもりってのが、休みの日は観劇!イベント!カフェ!など外に出るようになった。また、SNSや現地で友達も出来た。(イチオシ:舞台「刀剣乱舞」出演俳優)
  • ・キャラクターの好きな物、食べ物等…それまで自分は特に好きでなかった物にまで推しが好きなら、と興味が持てるようになった。(イチオシ:『僕のヒーローアカデミア』轟焦凍)

 続いて、「推しのために自分を磨くというエピソード」である。

  • ・推しの誕生日までに痩せたくてダイエットで7kg痩せた(現在もダイエット中!)(イチオシ:「SnowMan」岩本照くん)

余談だが、サンリオも推し活を意識?

  企業は「推し活」を意識しているはずで、どうやって戦略を組んでくるかというと、こうなるのかな、と思ってピックアップしたいのが、サンリオ の動き。「7ORDER×サンリオキャラクターズ」コラボレーションプロジェクトを2021年9月より始動することを発表している。

 マンガではないけれど、ある意味、リアルな憧れに対して生まれる「推し活」をうまくキャラクターのニーズと掛け合わせている気がする。これはお互いにとって、有益であるし、商品価値を上げられるわけだ。

 この「7ORDER(セブンオーダー)」は、安井謙太郎さん、真田佑馬さん、諸星翔希さん、森田美勇人さん、萩谷慧悟さん、阿部顕嵐さん、長妻怜央さんの7人が2019年5月に始動させたプロジェクトであり、2021年1月に日本コロムビアよりメジャーデビューしている。

 今回、第一弾企画では、7ORDERのメンバー長妻怜央さんが作った公式キャラクター・小田ちゃんがサンリオキャラクターとのコラボで登場。第1弾ではハローキティおよびマイメロディと小田ちゃんがそれぞれコラボレーション。ハローキティのマントやマイメロディの頭巾が7人のメンバーカラーになっている。

 ステッカー(全4種)各550円、缶バッジ(全4種) 各495円、チケットファイル(全4種)各330円などのラインナップでまずはスタートする。また、2021年9月3日(金)からSHIBUYA109渋谷店、SHIBUYA109阿倍野店にてポップアップショップを開催して、コラボデザインのTシャツやバッグなどを展開する予定。

 共通して言えるのは「推し活」により自分の消費行動に大きく影響するし、考えてみれば当たり前ではあるのだが、対象が「2次元」であるか「3次元」であるかにより、その中身も変わってくる。生活そのものも変える可能性だって、あるし、それだけ大きな存在なのだ。つまり、心の支えであって、価値観に影響を与えるものなのであって、そこにどう企業が絡めるか、だと思う。何を通して、その「推し活」を後押しするかの知恵次第。その売れ方は大きく変わるのだろうと思う。

 今日はこの辺で。

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