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レプスルプス “アイドル”の道を極める理由 異なる価値観の三人 手を取り合い一つになって

 思えば、集まったこの三人は、その性格も考え方も、実は胸に抱く目標も違う。でも、いつも行動を共にしていて、それは「レプスルプス」というアイドルの道を共に選んだからだ。そのアイドルというものの捉え方は皆、一様に違うけど、共通して価値を感じて、お互いがお互いを認め合い支え合って、今日、このユニットは5周年のライブを迎える。

懸命に歌うレプスルプスと熱心に耳を傾けるファンたち

1.その輪は小さくとも誰かを確実に勇気づけていた

 それは偶然であった。とある人からライブに誘われ、そこにいたのは「レプスルプス」というアイドルで、彼女たちは懸命に歌い、踊っていた。最前列に陣取った人たちは恐らくファンなのだろう。熱心に耳を傾ける後ろ姿が印象的で、その一体感に圧倒された。応援したい気持ちに駆られるファンの心理もわかった気がする。

 かくいう僕はそこで感化されて、ファーロンズに声掛けして、グッズを手がけることを着想。僅か二ヶ月後、ライブ会場で販売するのに至るのだから、縁とはわからないものだ。

 正直、全国的な認知があるわけではない。だから、僕も覚悟はしていたけれど、しっかりそれらの商品は売れた。それと共に、彼女たちの力を僕は思い知ったのである。でも、その結果は言い換えれば、彼女たちの努力の証である。

 そのメンバーは、半澤みよこさん、美鈴あおいさん、郷咲あやねさん(写真左から順に)。

2.そして、5周年の時を迎える

 聞けば、このユニットは、5周年を迎えるというのだ。さぞかし、キラキラした生活なのかと思いきやそうではない。本当に頑張り抜いた5周年である。最初は、共通して、キラキラしたアイドル像を思い描いていたが、現実はそれと違って、そのギャップに一度は肩を落とした。けれど、今は、これが私の生きる道と三人、揃って言う。

 元々、「レプルスプス」はあやねさんとあおいさんとで始まった。あやねさんは、「それこそ、最初の頃は、私たち演者の方がファンの人より多い時もありました」と。

 それは大変だったですね。そう僕が語りかけると、その受け止め方は様々。

 ケロッとした表情で、それがそれほど、「“くらって”いなかったんですよね」とあおいさん。「当時は何も考えていなかったんですよ。母が郷ひろみさんのファンで、それを見て、アイドルに惹かれるようになりました。だから、人前で出て歌っている。それだけで、私は楽しかったんです」と笑顔を浮かべる。

3.時に笑顔で、時に涙して

 「あおいはそういうところあるよね。(あおいは)とにかく素直なんです。ネガティブなオーラを出すことなく、いつも天真爛漫そのものでした」。そう語るあやねさんは、その一方で当時の自分を次のように語り、表現者としてのこだわりをチラリとみせる。

「正直、私たちのステージは見てもらうことが全て。だから、見てもらえる人が少ない。その現実に、毎晩、涙していました」。

 恐らくその表現者としてのあやねさんの高い意識が、ユニットにもプラスに作用する。

 彼女の発言が、ステージ上での様々なアイデアを生み出す源泉になっているのだ。本人曰く、それまでずっと皆についていくタイプだった。引っ張っていくなんて、とんでもない。そう謙遜するけど、その一つ一つのアイデアが、レプスルプスのメンバー全員をリードして、活力を与えているのも事実だ。

 先日のワンマンライブでも、ヲタ芸の振り付けを覚え切って、ペンライトを使って舞台でやり切る。そのアイデアは彼女が起点である。涙しながら、そこに食らいついていくメイキング映像を目にして、少し目が潤んだ。やり切る彼女たちは本当に立派だった。

三人が三人の持ち味で乗り切ってきた

1.ここ一番の勝負強さがこのユニットを救った

 この二人と比べて、やや遅れてレプスルプスに加入したのが、みよこさんだ。このレプスルプスが芸能活動のスタートでもある。最初、研究生として入り、徐々にその露出機会が増えて、今やこのユニットになくてはならない存在。あおいさんは「ふわふわしているようでいて、時に、かっこいい」そういってみよこさんを評する。

 恐らく一番、肝っ玉が座っているのかも知れなくて、ここ一番の勝負強さを見せるのが彼女だ。

 先日も、テレビ埼玉の番組「クイーン オブ アイドル’s」のレギュラーをかけたアイドル同士の戦いでそれを発揮した。その戦いのゲームで彼女がチャレンジしたのは、かくし芸名物「テーブルクロス引き」。ご存知の方ならわかるが、物を落とさず、テーブルクロスを抜き取るという難しい芸だが、颯爽とそれをやってのけた。

 ここ一番の度胸が成功の度合いを高めるのだろう。彼女の勝負強さのおかげで、レプスルプスがある。そのことを改めて、皆が実感する機会となった。

2.それぞれに苦悩はある

 そんな彼女にしても悩んだ日々はある。遅れて入っている分、ファンが既にいた二人とは違う。舞台裏から二人の饒舌な掛け合いを目にして「自分はアイドルをやっていけるかどうか」と不安に感じたと振り返る。

 本来、人それぞれ、強みがあるから、別に他人の強みを自分が持つ必要はない。しかし、概して自分にその素養がないと自分で思い込んで、引け目を感じていると、誰しも不安になるものだ。本当はたくさんの魅力を秘めているのに。

 そこに加えて「自分だけファンがいない」。そんな時期も経験している。あやねさんとあおいさんのファンがその優しさで、彼女ともチェキを撮影してくれたりすることあった。それはありがたいし嬉しい反面、自分のファンではないからこそ切なさもあった。

 焦りもあっただろう。それでも、彼女は、幼い頃から、後藤真希さん、渡辺麻友さんなどのアイドルに憧れていた。正真正銘、アイドルになりたくて、レプスルプスに加入した。絶対に、アイドルになる。その意識は強かった。

 だから、必死でその二人に追いつこうと、やり抜く日々だったという。かっこいいという言葉がなんとなくうなづける気がした。

2.自分にもファンがついてくれるんだ

 そんなみよこさんにも、正規のメンバーになって以降、しばらく経って一人、ファンになってくれる人がでてきた。それで初めて、自分に自信が持てた。勿論、自信がないこともあるだろう。けれど、私は私でいいんだと。そして自分たちだけではなくファンがいて、お互い成長していくのだと彼女はいう。

 だから、彼女はイベント後、TwitterやSHOWROOMなどを通して、感謝することだけは誰よりも早くしようと心がけ、それが彼女の個性となって、今に至るのである。

 なるほど。ファンの力は偉大である。彼女がいう通り、互いに高めあい成長していくという側面もあるのだろう。

 「そうですね」。そうあやねさんは、ポツリと初期の頃の話を始めた。

 それこそ初期の時は理想と現実にすごく悩んでいた。だから、どうすればいいのかと毎日が辛かった。でも、だからといって「やめよう」とは少しも思わなかった。それゆえに、わかってもらえない悔しさもあったし、いろんな感情が湧いてきた。

 彼女の場合で言えば、ネガティブな感情もなくはなかったと。それだけにあやねさんはファンとの間で、本音をぶつけ合うということを大事にしてきたという。だって、それは背景に結局、人と人であるということがあるからだ。

 それで、そのプロセスなども見せてしまう。それでも、周りのアイドルの方が人気があって、辛いといった時に、ファンは彼女にこういった。

 でも、俺はあやねちゃんをいいと思って、あやねちゃんを選んだんだよと。

 その言葉に救われて、号泣したことがある。その言葉は今も、自分の支えになっていると。ファンの偉大さを痛感するエピソードである。

3.天真爛漫であっても実は

 人って色々だ。その一方、あおいさんは苦労しているとか、落ち込んでいるとか見せたくないタイプ。ある意味、天真爛漫で、いつも笑顔。そんなイメージはそこからもきているのかも知れない。

 でも、彼女も人である。「自分が楽しければ、物事は全てうまくいく。そう信じていた」。けれど、現実を目の当たりにしてみると、そうではないことに気づき始める。頭で考えていることと、体が追いつかなくて、悩む日々もあったという。

 この取材でもそうだが、その場の空気を大事にしようとするところがある。だから逆に、表に出すのが上手ではないのかもしれない。抱えて無理に、笑顔を振り撒く彼女の真の気持ちの察したのがあやねさんである。あおいさんは、「元から、友達が多い方じゃない」と。だからあやねさんは、このアイドル活動を通して、絆を深めた、数少ない良き理解者だと言えるわけである。

 また、良き理解者という意味では、ファンもそうなのかも知れない。「いつでも元気だし、私に会えば元気になれる。そういう存在になりたかった」と彼女。

 それでも、いい時ばかりではない。時に悩みを抱えたり、体調が悪いのを押して、ライブで笑顔を振り撒く彼女にやっぱりこう声をかけたと言う。「弱みとか見せてくれていいんだよ」と。それで、「そのままでいいんだ」と気づくことができたと感謝するのである。

他にはないちょっと変わった一面

1.ワークショップで魅せた光る一面

 改めて、彼女たちの強みって何だろう。それは、自分たちでも言っていたけど、レプスルプスは少し違ったアイドルなのだ。勿論、王道のアイドルの格好を着て、ライブに出ることもある。

 けれど、それだけじゃない。そういう活動と並行して、ボードゲームイベントもほぼ1ヶ月に一度のペースでしていることも明らかにしてくれた。そして演技ワークショップも月2回のペースで行っているそうだ。

 ボードゲーム?思わず、問いただしてしまった。いわゆるお馴染みの人生のようなゲームだ。ただ、彼女たちがやっているのはもう少し専門性の高いゲーム。ゆえに、ルールの理解も難しい。でも、そのワークショップをライブ活動をやる一方で、続けているのである。

 特に、あやねさんとあおいさんはその難しいはずのルールをしっかり覚え切った。それどころかその仕切り役を自ら進んで引き受けて、プレーヤーたちが楽しめるように配慮して盛り上げている。別に傍観者でもいいのに、である。

 確かに、そのようなことをやっているアイドルなど、聞いたことはない。

 自分たちを売り込むばかりではない。ルールを覚える頭の良さと、ゲームをする人の立場に立って考えらえられるその思いやり。それが、実は、日頃のファンとのやりとりにも生きているのかも知れない。それは、アイドルとしての素養としては勿論、人としてこれから長く人とから慕われる大事な素地となりそうだ。

2.やっぱり5周年は通過点でここから

 あげればキリがない。全ては「たいっへんです」。その言葉に集約され、その重みをずしりと感じる。全て自分たちで取ってくるしかない。自分たちを知ってもらうために、1日、四件の対バンライブに出演していた日々、まわりのアイドルがチェキで並んでいる横で、人気なく、チラシを配るしかなかったあの時。

 本当に、生半可の気持ちではやっては来れない、5周年なのだ。おめでとう。

 そう言いたいけど、恐らく、5周年は彼女たちにとって、通過点でしかないのだろうと思う。ここまでやってきた軌跡は、むしろこれからのためにあるはずだ。

 三者三様で全く違う三人。なのに、同じ方向を向いて、手を取り合って、頑張っている。それは苦労しながらも、努力していくことで、想像し得ない世界を見てきたからだろう。また、自分たちの想像をも超えてどれだけ感動なこともあったことだろう。だから、また先を見据えるし、今の状況に少しも満足していない。さらにもっと大きな感動があるはずだと皆が一様に感じているから。

 だから、敢えて言おう。レプスルプスのスタートは、ここから。その姿は美しいし、それが報われる人生であってほしいと願う。ファンと共に、そして、ちゃんと三人手を取り合って。

 今日はこの辺で。

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