タオルの刺繍から始まる丸眞の商品力 キャラクターの価値を存分に活かす
「ファニーアートというのがあって、、、、」そう案内してくれたのは丸眞のスタッフであり、手元には「トムとジェリー」のスカジャンがあった。これがファニーアートか。うん、かわいい。丸眞というのはタオルメーカーであり、多くのキャラクターグッズを手掛けている。その中でイチオシしてくれたのが、この「トムとジェリー」のファニーアートの“スカジャン”だったというわけだ。
丸眞 のキャラクター商品 は表情豊か
1.トムとジェリーの名シーンが思い浮かぶ
「トムとジェリー」は、説明の余地はないだろう。ネコとネズミのドタバタ劇でおなじみだが、その歴史は古い。1940年、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラの2人組が世に送り出したものである。
この日、説明してくれたスタッフは、まだ若干、20代であり、それでも一番、好きなキャラクターと言ってこの商品を推してくれた。幼き頃、よくこのアニメは放送されて、大好きと嬉しそうに語ってくれたのだ。確かに、その息は長く、7回のアカデミー賞に輝くなど、作品としての評価も高い。2020年には誕生80周年を迎え、アメリカ文化の象徴として、長きに渡り世界中の人々を魅了し続けていると言っていいだろう。
さてさて、ファニーアートというのはそのアニメの一場面。壁にぶつかったり、何かを飲み込んだりして、七変化する状態のアートを取り出して、それを商品に落とし込んでいる。
2.違う見た目に逆にかわいらしさを感じる
見ていただくとわかるだろう。ぱっと見、外見がまるで違うのに、トムとジェリーだとわかるのがすごい。それと、スタッフも話していたけど、見ているだけで、そのアニメの楽しさが蘇るという。動く作品の最大の長所であり、それを活かす商品群なのである。刺繍でかわいらしく忠実に表現されているだけでなく、ダイカットでその形状を模しているのがかわいらしさを引き立てる。
思わず、そのかわいらしさに、ここまで、トムとジェリーのグッズの説明しかしていないけど、丸眞はそれだけではない。さまざまなキャラクターグッズを手掛けていて、それにもついても驚かされた。
2.ディズニーキャラでも工夫は随所に
例えば、ディズニープリンセス。タオルメーカーと言いつつ、その縫製の技術を活かして、さまざまな商品で、キャラクターの世界観を再現しているのが特徴。こちらの写真を見てほしい。
バッグの中のポケットの裏地に、リトルマーメイドの刺繍がなされている。それでいて、バッグの面面は、穴が開けてあるわけだ。その穴は薄いレースのような素材で、その裏地が見えるように工夫。海の中の様子を商品で上手に再現しているのである。
3.女性のゴルフ利用機会増にあわせて
最近、注目なのはゴルフだと言われて驚いた。なぜなら、若い女性の利用者が増えてきているから。
写真のようなミッキーマウスなどのバッグがある所以はそこにある。キャラクターがいると、男性のイメージが強いゴルフグッズも、ぱっと花が咲いたように明るくなるから不思議である。しかも、「中に保冷もできるポケットを入れて、実用的なんですよ」と。この辺が評価の高い理由だろうか。
4.商品企画への飽くなき追求
素敵なのはキャラクターに依存していないこと。飽くなき商品企画への思いだろうと思う。その姿勢を垣間見たのは、彼ら自身のオリジナルコンテンツで「ガッツ!部活動」。そこで彼らの商品力が発揮されている。
ペタペタクロスは、左側の写真の通り、見た目普通のタオルである。ただ、これを折りたたんでいくと、右側の写真の通り、バッグになるのである。そのカラクリは、裏面とオモテ面の素材がそれぞれ張り付く設計だから。磁石でいうところのSとNのようにピタッとくっつくので、バッグが作れるというわけである。
折り畳むと接着して、そのまま包めて、持ち歩けるのは、そのままでも利便性が高い。彼らの開発する企画力がキャラクターによって育まれていることがわかる。
今では彼ら自身、ECサイトを運営して、BtoB(卸)とBtoC(小売店)の両面からデジタル化を推進している。結果、タオルの創意工夫は、これらのキャラクターグッズの裾野が広げ、デジタル化と共い、積極的に動いて、成長しているのである。メーカーは素材を生かした企画に価値があり、その価値をキャラクターという窓口があることで広がり、今や、この会社のビジネスを支えているのである。あっぱれ。
今日はこの辺で。