“北海道”を存分に活かす為に 北海道 楽天 日本郵便 の連携で見るべき要点
地方のエンパワーメントという部分において、民間企業ができること。そう思った。先ほど、日本郵政、楽天グループ、北海道は記者会見を行い、包括連携協定を締結したことを明らかにしており、色々な要素も話していたけど、僕は主に「ふるさと納税」に関連して、この三社の連携の意味を見た。
北海道 楽天 日本郵便 三者の活かし方
1.ふるさと納税に着目するとよりわかりやすい
注目すべきは立地であろう。北海道という場所は広大であり、同時に本州との距離もあって、それ故、発生する不都合な側面もあるのは事実だ。それを、三者が連携して、フォローしていくのだとすれば、非常にメリットがある。
最たるところは物流ではないかと思っていて、僕が着目したのが「ふるさと納税の知見を使って」という三木谷さんが話していた部分であり、なるほどと思った。
つまり、「ふるさと納税」においては北海道の自治体と連携して、本州にかなりの出荷量があると思われ、その出荷量を鑑みれば、通常の配達をその出荷に合わせて実装させることで、コストが抑えられる。それがインフラとして、定着すれば、道民にとって何かを配達したりすることの価値が高まる。
まだ語られてはいないけど、物流インフラが整えば、なんでも可能になる。あくまで僕が提示する仮説に過ぎないけど、高齢化に伴うところで言えば、ご用聞き的なサービスも可能だし、処方箋の流通などが行われてもいいわけだ。地方にとって必要な動きである。
2.集約することで価値となる
加えて「ふるさと納税」そのものの出荷に関して、僕は、記者会見で「集約して」と話していたことが気に留まった。恐らくそれまで「ふるさと納税」の出荷業務に関して、多くは事業者に委ねられていて、バラバラとなってしまうがゆえ、そこで本州との距離がある分、それだけコストが余分にかかってしまっていたはずなのだ。
だから、まだ完成形ではないだろうが「集約して」なのだと思っていて、それらを何らか1箇所の物流拠点にまとめて、そこから一括で本州に出荷すれば、その物流に関連するコストは大幅に抑えることができる。なぜなら、まとまっているからだ。たとえば、東京までの距離で考えれば、相当な額になりそうに想う。
これらは日本郵便の物流が存在するだけでは意味をなさない。荷主に近い楽天グループのリソースを生かすことで最大化でき、それが北海道の住民や事業者にとっての利便性を向上させるのだから、三者が連携する意味が出てくるというわけだ。
3.未来の挑戦的側面も
そのほかに、ドローンの構想なども明らかにしている。その北海道の広大さゆえに、車で配送するよりも、ドローンなどを使った方が効率が良い場合が出てくるはず。それに向けて布石を打った形で、それも自治体と一体となって、その配送網を整備するなどすれば、早く確実に新しい配送網のトライができる。並行して、配達の多様性にも応えられ、道民にとっての利便性を高められるというわけである。
まさに今、日本は少子高齢化である。特に、北海道のような広い地域で、過ごしやすい環境をどう整えるかは日本の将来にとっても、地域を活かすという意味においても大事なことだ。その意味で、こういう価値の活かし方は、それぞれの強みを改めてみた時に、それぞれの価値は相乗効果を持って、意味を成すことになるだろう。
今一度、それを北海道に定着させて、三社それぞれ道民とのエンゲージメントを高めていきたいはず。勿論、楽天モバイルなどを通じたモバイルの学びの機会を、地域に根付いた郵便局と連携して行う、などという動きも発表されていたが、まさに、それを織り込み済みでの対応だろうと思う。
申し訳ないが、記者の質問に答える、日本郵便の説明なども要領を得たものとは言えないものだったが、確かに地域をエンパワーメントするという意味では、この北海道が、一番、事例としてわかりやすく、この三者の魅力も、連携の意味が見えてくる内容であったと思う。
今日はこの辺で。