チョコ で魅せる職人技 西武池袋本店 バレンタイン の饗宴
スイーツはアートであり魂がある。 バレンタイン は、チョコ を贈るのもある。けれど、ショコラティエと呼ばれる職人たちの匠の技に光を当てる大事な時。本物の逸品は食べる以前に心で魅了する。それを堪能するべく、西武池袋本店へきた。2021年1月16日から『チョコレートパラダイス2021』を開催。約100店舗のチョコレートが並んだ。感染対策をしながらもマスクの向こうの表情は皆一様に、晴れ晴れしている。
西武池袋本店 弾けるバレンタイン! チョコが百花繚乱
1.チョコなのにチョコに見えない
今回、僕は2点に焦点を当てた。一つは発想と技術力。「チョコなのにチョコに見えない」など、まわりに教えたくなる「見た目で楽しむ チョコ 」である。
ではまず、こちら、チョコに見えるだろうか。
2.柄や素材を活かす チョコ の仕様
千代紙??いやいやチョコである。「千代ちょこ」という。江戸千代紙や着物、浴衣の伝統的な模様になっている。千代紙さながらに薄いチョコレートで、パレスホテルの商品。元々、パレスホテルには多くの外国人宿泊客が来る。そこで目で楽しませ、かつ日本の伝統美を感じもらおうと考えた。専属のショコラティエールが1枚1枚丁寧に仕上げているのだ。
そして、そのアイデアをモチーフにして、このように派生。
「Chiyo Choco ~2021 edition~」という。アルバムのようであるが、台紙に収まっているのが先ほどの薄いシート風のチョコである。動画で見ると、それはわかりやすい。
絵柄は世界中を巡りながらイラストの制作を続けているWALNUT氏。同氏が、これまでの旅の中で受けたインスピレーションを活かした6種のデザインのショコラ。それぞれ、「MODERN GIRL」、「TOKYO」、「DRESS UP!」「DOG」、「2021」、「CHERRY」と名付けた。モダンかつ親しみやすいイラストの組み合わせで、アートブックのよう。単に技術にこだわることなく、こういった素材を生かして、その仕様に引き込む手法。学ぶべきところが多い。
3.え?くちばし?
続いてこちらも、チョコである。
これ、クチバシをモチーフにしたチョコ。外はカリッと、中はとろっとキャラメル風味である。MARIJN COERTJENSというブランドの商品で、キャラメルベースに6種類の味わい。よく見るとそれぞれに色が違うことにお気づきいただけるだろうか。
この箱の面面には「J」の文字。鳥が生息するジャングルのイメージであり、そのインパクトが先行しがちである。だが、「ゆずが特に美味しくて!」スタッフの方も前のめりで「その味」についても保証する。
地域に光を当てるチョコ
1.薩摩のお酒の魅力の詰まった、、、チョコ
もう一つ。 チョコ は僕らに「地域の魅力」に気づかせてくれる。こちらは薩摩蔵と呼ばれるチョコである。掌サイズのチョコ。よく見るとそこにお酒のラベルが付いているのである。
このラベルにある銘柄こそが、鹿児島県で厳選された酒蔵40蔵である。そして、地元でお菓子を手がける有限会社ヤナギムラがその酒蔵にスポットライトを当てた。要は、焼酎ボンボンショコラである。なんとも気の利いた演出。知る人ぞ知る美酒をチョコという媒体を通して、伝えているわけである。
2.味でもその酒の魅力を感じて
僕も購入したが、そのラベルを外すと、丸いチョコが出てきて、それをかじると、ポンと直で口の中で溢れ出る焼酎。焼酎そのものの主張が強いから、本格的で両方が絡み合うと、この商品のまろやかな口溶けに繋がる。
お酒には色々なものがあって、例えば、写真の「そごう・西武」限定商品は、そのお酒自体が、鹿児島県でしか販売されていない。チョコになることで、この東京の地にそれを知らしめ、身近な存在として、心を動かしているのである。
お酒は大人の楽しみとということもあり、ギフト仕様の木箱も用意。この辺は、通な人の心を掴む演出としては最適であろう。鹿児島の魅力は、チョコを通して、人から人へ日本中に広がっていくのである。
さて、チョコという存在を通して、地域を思うという意味においては、チョコの本場、カカオにまつわるストーリーを持つ、一人の大学生の話についても取り上げてみたいと思う。その中身については、こちらの記事に譲ることにする。勇気と行動力は、世の中を変えていくんだと僕はその大学生から教わった。