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“メイド・イン・ジャパン”を世界へ──劉世彦が語る販路開拓と連結の仕組み

 学生時代から海外を飛び回り、自らの足で20カ国以上を歩きながら築き上げてきた信念。それが「Made in Japanを世界へ」という想いだった。その志を実行に移し続けてきた株式会社GPトレーディング代表取締役・劉 世彦さん。23歳で起業し、一般社団法人国際ビジネス連結機構の理事も務めることになった。メーカー事業、製造受託、そして海外進出のプロデュースまで幅広く手がける。

 彼の言葉から見えてくるのは、海外販路を拓くための具体的な道筋。そして、それを支える独自の“連結”という考え方だ。本稿では、その軌跡と展望をひも解いていく。

原点は「世界で見た、日本の可能性」──メーカー事業から始まった越境の旅

 劉さんが海外ビジネスに踏み出したのは、学生時代。バックパックひとつで世界を歩きながら、「日本には素晴らしい商品があるのに、海外ではまだ知られていない」ことを痛感したという。

 23歳で株式会社GPトレーディングを創業し、まずは自社で商品を製造・販売するメーカー事業をスタート。現地のニーズに応える商品開発とマーケティングを繰り返し、今では世界8カ国に展開。マレーシアでは3000万円の受注を得るなど、地道な実績を積み重ねている。

 多くの企業がアメリカや中国といった王道マーケットに目を向けるなか、劉さんが注目したのは「まだ誰も行っていない国」。ロシアやキルギスなどの東欧・中央アジア圏にも販路を開拓し、現地バイヤーとの信頼を構築。

 「ニッチだからこそ、日本製品の価値が伝わりやすい」。誰も行かない場所に商機を見出し、一歩を踏み出すことの重要性を、彼は体現している。

販路をつなぐ“連結”の仕組み──ヒアリングからマッチングまで支援する構想

 劉さんは現在、「国際ビジネス連結機構」の理事を務める立場にありながら、同時に「東南アジアビジネス協会」の日本代表理事も兼任している。この二つの組織を自らの手で連携させることで、日本企業の海外進出支援における強固な“連結基盤”を構築しているのだ。

 具体的には、まず国内企業に対して丁寧なヒアリングを行い、「どの国で、どんなビジネスを展開したいか」といった要望を収集。その情報を、提携する東南アジアビジネス協会など海外側に共有し、現地からのオファーや案件と結びつけていく。

 「国内と海外の想いを、双方向でつなげることが大事」。そう語る劉さんの仕組みは、単なるマッチングではなく、継続的で実践的な支援につながる設計となっている。

 また、販路開拓を支援する手法も多様化している。

 2025年度には、大型の「国際ビジネスカンファレンス」を開催予定で、海外要人や大手企業とのリアルな出会いの場を創出。さらに、現地の空気を感じてもらうための海外視察ツアーも企画しており、現地での商談やマッチングまでを一貫してサポートする。

「ただ知識を得るだけでなく、足を運んで出会い、対話する」こと。それを重視するのも、世界を歩いてきた彼ならではの思想だ。

代理店に頼らない“世界同時ライブ”構想──テックと想いで築く越境の新形態

 特に注目されるのが、「世界同時ライブコマース」の構想だ。

 日本に10カ国のインフルエンサーを招き、同一時刻にライブ配信を行うことで、各国の視聴者に向けて同時に商品を届けるという前例のない試み。

 それ以外には、メール、広告機能などを統合した“RENKESTUシステム”の話がある。つまり、このシステムで代理店を介さず、メーカー自身が各国の消費者へ直接アプローチできる未来が、着実に形になろうとしている。

 彼が意図しているのは日本の価値をダイレクトにフラットに伝えていくということだ。

 まさに、世界を自らの足で歩き、出会い、信頼を積み重ねてきた劉さんの姿勢。それが込められた動きである。「熱意は言葉より先に伝わる」ということを体現している。そして今、彼が築いてきたネットワークと知見は、“誰かの挑戦を後押しする仕組み”へと姿を変えつつある。

 それは、もはやひとりの冒険ではなく、多くの中小企業が“日本の良さ”を携えて世界へ向かうための道しるべ。彼の言葉は未来を語っているが、その裏には、何百という実行の積み重ねがある。

「あなたの想いを、世界へ。」その一歩に寄り添う伴走者が、ここにいる。

今日はこの辺で。

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